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満たされぬ満月
しおりを挟む「じゅうごーや おつきさん、くものうえー」
ふすまとお庭の真ん中の廊下で、まんまるおつきさんを見ながら呟くように歌ってみた。
ふと、思い出す僕が幼かったあの頃
なかなか、寝つけなくて満月を見ると迫り来る理由の無い寂しい気持ちがいっぱい、いっぱいで溢れでる涙が堪えれなかった僕に主様はひざ枕や時には抱きしめてくれたり、背中や頭をぽんぽんってしながら優しい声で歌ってくれた、あの日がよみがえる。
「炎、月には大きなエネルギーがあって満ち欠ける時に影響を受けやすくなるそうだ。きっと、小さなお前には月のエネルギーが強すぎるのだろうな。」
少し寂しそうにまんまるお月さんを見ながら主様が優しく頭を撫でてくれながら言われたことがあった
僕も主様と一緒になって満月を見つめてた。
主様といると心がぽかぽかして 寂しいなんて忘れて、主様のお膝で気づいたら眠ることもあった
主様の手は魔法のような手は僕の不安な気持ちを吸い取ってくれるんだ。
お見合いが始まる前まで満月の日の夜は主様と一緒に
廊下で満月を見るのが当たり前だったんだ
お見合いが始まっても少しの時期は満月をみて不安に襲われそうな気持ちに一瞬なるけど主様との幸せな時間を思い出して満たされてた
なの、に、
廊下に寝そべって、おつきさんを見ながら歌ってみたけど
最近は小さかったあの頃と違って泣くことは無くなったけど
寂しさが消えないん、だ。
「炎様、こんなところで、どうなさいました?」
自分の世界に浸ってたら、キレイって言葉が一言目にでてくる、そんな彼女が僕の顔を覗き込んできた。
「どうもしない、よ」
へへって笑って見せると、ふっと微笑んで
「失礼します。」
って言った後にひざ枕してくれて、そして優しく頭を撫でてくれたんだ。
僕は思わず、彼女の腰に腕を回してギュッてしながら、優しい匂いを吸いこむ、そんな僕の行動にふふって笑いながら一瞬止まった手がまた優しく頭を撫でてくれた。
落ち着くはずの心が、ソワソワ
その後にくる、モヤモヤが消えない
どうしてだろう、、ねぇ主様、とても素敵な女性と一緒にいるのに不安が消えないん、だ。
生暖かい風が吹く8月だっていうのに、肌が触れていてあったかいはずなのに今日は何故か肌寒く感じるんだ。
こんなに大きく、暗闇を照らすように輝いてる
まぁるい、まぁるい、お月さま
そんなお月さまをまた、みていたら
「炎様、大きな満月をみていると何もかも包み込んでくれるように温かく感じますね」
そう彼女は微笑見ながら言うけど、僕の心はポッカリ穴が空いたようだ。
満月は僕の心を不安にさせても
あたたかくも、包み込んでくれやしない
僕の心を埋めれるのは、主様だけ。
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