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第二章 ヒノデの国(下)
今までと違う※
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今まで数え切れない程触れ合ってきた体温の筈なのに表面が触れるだけの口付けにラファエルの鼓動は大騒がしだ。実際音が出ているはずもないのにこの心音が聞こえてしまうのではないかとラファエルは気が気では無い。
「…触れるのは嫌か?」
先程あんなにもはっきりラファエルを抱くと言った男は唇が触れたことであからさまに身体を固くしたラファエルを見て気遣わしげに眉を下げ、掠れた声で囁いた。
ラファエルはアルフレッドの声が好きだ。いつもの芯のある通る声も、低くて穏やかな声も好きだ。こんな時には甘く掠れて、蜂蜜のような濃度のある声になるのも好きだ。けれど今はその声が耳に届くだけで体温が上昇した気がするし、喉が引き攣る。
声がうまく出せなくて首を横に振るのだけが精一杯。そんな姿にアルフレッドは目を細めた。
「…こんなに緊張したお前は初めて見る」
楽しげな音を乗せた声にラファエルは眉間に皺を寄せてアルフレッドを見上げるが、林檎のように赤くなった顔で睨まれた所でそんなものは興奮材料にしかならずアルフレッドは喉で低く笑う。
「抱いていいか?」
初めて肌を合わせた時だってこんな確認は取らなかった。否、初めてこんなことを言ったかもしれないとアルフレッドは困惑と羞恥で目を潤ませているラファエルの頬を撫でる。
真っ赤だが案外肌はひんやりとしていて触れていて気持ちが良い。同じ男の筈なのに肌は吸い付くようでいつまでも触れていたくなる。アルフレッドの言葉にどう返したら良いのか悩んでいるのか、それとも声が出ないのか桜色の唇を僅かに開いては閉じる動作を見せる姿を飽きもせず見つめ、開いた時にチラリと見える赤く濡れた舌に劣情を煽られる。
「エル」
名前を呼べば生娘のように肩を跳ねさせ、そして意を決したように今度はしっかりと唇が開かれる。
「…いいよ」
固い中にも甘さを含んだ声で伝えられた言葉に、アルフレッドは細い身体を掻き抱いて喰らい付くように唇を重ねた。
円形の飾り窓から差し込む月明かりだけが室内を照らし、外からは変わらず賑やかな祭りを楽しむ人達の声が聞こえる。昨晩までは耳を澄ませば聞こえていた虫達の声はそれらの音に掻き消されて聞こえず、派手な祭りは終わりを知らぬかのように盛り上がっているようだ。
そんな外の賑やかさが届く部屋に艶めいた声が響いた。
「んぅうっ…!ぁ、あ…ッ、アルフ、も、それやだ…っ」
「なんで?」
ぱん、と乾いた音がして一層ラファエルは甘く喘ぐ。
「嗚呼、可愛いなエル」
アルフレッドに組み敷かれ、足を大きく開かされて胎の中に根本まで長大を埋められている。お互い服は身に纏っておらずしとりと汗で濡れた肌が月明かりに照らされて艶かしい。
「それ…っ、ぁん…っ!」
「無理だな。お前が可愛いのが悪い」
一番深く、ラファエルが一番弱い箇所にまで切先を埋め込んだアルフレッドが上機嫌に答える。そして伝えられた言葉にラファエルが困惑しつつもしっかり感じていることにアルフレッドの口角が上がるがラファエルはそれに気付く余裕なんて持ち合わせていなかった。
ぐ、と腰を突き出されてこれ以上ない程奥にまで届いているというのに更にそこを刺激され堪らない快感にラファエルの唇からは嬌声が溢れ、もうなにも出ない自身の中心はくたりと項垂れていた。
「…エル」
かわいい、と砂糖を煮詰めたような声で囁かれてラファエルの目が涙で潤む。
「も、かわいいって、言うな…っ」
今日のアルフレッドは事あるごとにラファエルに「可愛い」と囁く。今までそんなこと一度だって言われたことはなかったし、そう言われたいと思ったこともなかった。何なら自分達には縁遠い言葉だとすら思っていたのに、アルフレッドが声と同じくらい甘い顔でラファエルに言い聞かせるように囁いてくる。
顔の横に両肘をついて、まるで檻みたいに囲ってくるアルフレッドの唇が耳朶に触れるほど近づいて呼吸の音すら聞こえる。
「ぁ、あ…やだ、やだアルフ…っ」
「ん?」
かり、と耳朶を甘く噛まれてぬるりとした感触が耳を這い言いようのない感覚に爪先を丸めてアルフレッドの広い背中に爪を立てる。もう何度も貫かれたせいで背中は引っ掻き傷だらけの筈だがアルフレッドは眉を寄せることすらしない。
心底楽しそうにラファエルを愛でて、与えれば与えるほど返ってくる反応を五感の全て味わおうとする。
「エル、好きだ」
「ンンぅっ」
動かれてもいないのにそう囁かれるだけで胎の奥が切なくなって感じてしまう。
「わかった、わかったから、もう…ひぅっ」
かわいい、好きだ、この短時間の間で一体何回伝えられただろうか。その言葉が口にされる度に身体がおかしくなる。今だって動いてもいないのにもう絶頂を迎えそうな程性感が高まっているし、心臓の動悸が治まらない。
「も、やだ…っ、今日変だからやだぁっ」
こんなことラファエルは知らない。いつだってアルフレッドと交わるのは心地良かったし、これ以上ない程の充足感を得ていたのに今は全く違う。触れられれば触れられる程とんでもない羞恥が襲って来るし、今だって逃げたくてしょうがない。
それなのに身体はいう事をきかないし、そんなラファエルの心境をわかってかアルフレッドが宥めるようにラファエルの唇を攫う。
「ん、…ぁ…ん…アルフ…」
「…エル、動くぞ」
触れるだけの優しいキスが終わって、離れる間際にアルフレッドが囁いた言葉にラファエルは嫌々と首を振る。だがアルフレッドがそんな我儘を叶える筈もなく、上半身が離れて大きな両手がラファエルの腰を掴んだ。
そして宣言通り始まった激しい抽挿にラファエルの思考は一気に快感で染まった。
「…触れるのは嫌か?」
先程あんなにもはっきりラファエルを抱くと言った男は唇が触れたことであからさまに身体を固くしたラファエルを見て気遣わしげに眉を下げ、掠れた声で囁いた。
ラファエルはアルフレッドの声が好きだ。いつもの芯のある通る声も、低くて穏やかな声も好きだ。こんな時には甘く掠れて、蜂蜜のような濃度のある声になるのも好きだ。けれど今はその声が耳に届くだけで体温が上昇した気がするし、喉が引き攣る。
声がうまく出せなくて首を横に振るのだけが精一杯。そんな姿にアルフレッドは目を細めた。
「…こんなに緊張したお前は初めて見る」
楽しげな音を乗せた声にラファエルは眉間に皺を寄せてアルフレッドを見上げるが、林檎のように赤くなった顔で睨まれた所でそんなものは興奮材料にしかならずアルフレッドは喉で低く笑う。
「抱いていいか?」
初めて肌を合わせた時だってこんな確認は取らなかった。否、初めてこんなことを言ったかもしれないとアルフレッドは困惑と羞恥で目を潤ませているラファエルの頬を撫でる。
真っ赤だが案外肌はひんやりとしていて触れていて気持ちが良い。同じ男の筈なのに肌は吸い付くようでいつまでも触れていたくなる。アルフレッドの言葉にどう返したら良いのか悩んでいるのか、それとも声が出ないのか桜色の唇を僅かに開いては閉じる動作を見せる姿を飽きもせず見つめ、開いた時にチラリと見える赤く濡れた舌に劣情を煽られる。
「エル」
名前を呼べば生娘のように肩を跳ねさせ、そして意を決したように今度はしっかりと唇が開かれる。
「…いいよ」
固い中にも甘さを含んだ声で伝えられた言葉に、アルフレッドは細い身体を掻き抱いて喰らい付くように唇を重ねた。
円形の飾り窓から差し込む月明かりだけが室内を照らし、外からは変わらず賑やかな祭りを楽しむ人達の声が聞こえる。昨晩までは耳を澄ませば聞こえていた虫達の声はそれらの音に掻き消されて聞こえず、派手な祭りは終わりを知らぬかのように盛り上がっているようだ。
そんな外の賑やかさが届く部屋に艶めいた声が響いた。
「んぅうっ…!ぁ、あ…ッ、アルフ、も、それやだ…っ」
「なんで?」
ぱん、と乾いた音がして一層ラファエルは甘く喘ぐ。
「嗚呼、可愛いなエル」
アルフレッドに組み敷かれ、足を大きく開かされて胎の中に根本まで長大を埋められている。お互い服は身に纏っておらずしとりと汗で濡れた肌が月明かりに照らされて艶かしい。
「それ…っ、ぁん…っ!」
「無理だな。お前が可愛いのが悪い」
一番深く、ラファエルが一番弱い箇所にまで切先を埋め込んだアルフレッドが上機嫌に答える。そして伝えられた言葉にラファエルが困惑しつつもしっかり感じていることにアルフレッドの口角が上がるがラファエルはそれに気付く余裕なんて持ち合わせていなかった。
ぐ、と腰を突き出されてこれ以上ない程奥にまで届いているというのに更にそこを刺激され堪らない快感にラファエルの唇からは嬌声が溢れ、もうなにも出ない自身の中心はくたりと項垂れていた。
「…エル」
かわいい、と砂糖を煮詰めたような声で囁かれてラファエルの目が涙で潤む。
「も、かわいいって、言うな…っ」
今日のアルフレッドは事あるごとにラファエルに「可愛い」と囁く。今までそんなこと一度だって言われたことはなかったし、そう言われたいと思ったこともなかった。何なら自分達には縁遠い言葉だとすら思っていたのに、アルフレッドが声と同じくらい甘い顔でラファエルに言い聞かせるように囁いてくる。
顔の横に両肘をついて、まるで檻みたいに囲ってくるアルフレッドの唇が耳朶に触れるほど近づいて呼吸の音すら聞こえる。
「ぁ、あ…やだ、やだアルフ…っ」
「ん?」
かり、と耳朶を甘く噛まれてぬるりとした感触が耳を這い言いようのない感覚に爪先を丸めてアルフレッドの広い背中に爪を立てる。もう何度も貫かれたせいで背中は引っ掻き傷だらけの筈だがアルフレッドは眉を寄せることすらしない。
心底楽しそうにラファエルを愛でて、与えれば与えるほど返ってくる反応を五感の全て味わおうとする。
「エル、好きだ」
「ンンぅっ」
動かれてもいないのにそう囁かれるだけで胎の奥が切なくなって感じてしまう。
「わかった、わかったから、もう…ひぅっ」
かわいい、好きだ、この短時間の間で一体何回伝えられただろうか。その言葉が口にされる度に身体がおかしくなる。今だって動いてもいないのにもう絶頂を迎えそうな程性感が高まっているし、心臓の動悸が治まらない。
「も、やだ…っ、今日変だからやだぁっ」
こんなことラファエルは知らない。いつだってアルフレッドと交わるのは心地良かったし、これ以上ない程の充足感を得ていたのに今は全く違う。触れられれば触れられる程とんでもない羞恥が襲って来るし、今だって逃げたくてしょうがない。
それなのに身体はいう事をきかないし、そんなラファエルの心境をわかってかアルフレッドが宥めるようにラファエルの唇を攫う。
「ん、…ぁ…ん…アルフ…」
「…エル、動くぞ」
触れるだけの優しいキスが終わって、離れる間際にアルフレッドが囁いた言葉にラファエルは嫌々と首を振る。だがアルフレッドがそんな我儘を叶える筈もなく、上半身が離れて大きな両手がラファエルの腰を掴んだ。
そして宣言通り始まった激しい抽挿にラファエルの思考は一気に快感で染まった。
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