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知れば、戻れない
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いい香りがする。
スモーキースパイスの濃厚な香りと、仄かに白檀や伽羅の香りがする。
どちらもとても好きな香りだ。
…最近、どこかで嗅いだ気がする…
どこだっただろう?
(バカな子だね)
その言葉を思い出し、そうなのだろうかもと思ってしまう。その言葉も誰に言われたんだっけ…
…
…
…‼︎
飛び起きようとして侑梨は身体にかかる重みで動くことができない。何が乗ってるの?
‼︎動いた‼︎
横目に隣を見る。
この香り…もう見なくても場所は分かる。
和モダンVIPルームだ。
それならここにいるのも大凡は見当がついている。
けれど確かめずにはいられない、思い切り後悔するのがわかっているのに…
顔を確認する前に、腕が伸び侑梨を抱きしめる。
脚が相手の脚に絡めとられ侑梨のお尻に相手の毛の食感を感じた。
‼︎‼︎‼︎
お互い服を着ていない⁈
侑梨は急いで相手に、絡められた手足を抜き出した。
シーツを引っ張り身体を隠す。
辺りを見回すと侑梨の着ていたドレスはハサミで切られていた。昨日、今日のことだが…思い出し、あのまま眠っていたら低体温症で死んでいたかもしれない。
微かに覚えてるマウロが来てくれたことを。
ドレスも雨で濡れて脱がせなかったのだろう。
ありがとうと感謝の気持ちが湧く。
「どういたしまして」
振り向くとマウロがいた。
…それはそうだろう…そう思いながら、感謝の気持ちはあるのだけれど、侑梨は恋愛初心者だ。
この状況だ。
聞きたいことも、聞きたくないこと、どれから処理したら良いのかわからない。
「仕事は問題ない。まだ熱があるから寝てなよ」
マウロの言葉に愕然とする。仕事!
最近の勤務態度は最低だ。でも熱があると知ったからか、体が怠い。指一本動かすのも面倒だ。
でも聞かなきゃいけないことがある。
「不埒なこと…した?」
マウロ?微笑んだ。
「してないよ」
スモーキースパイスの濃厚な香りと、仄かに白檀や伽羅の香りがする。
どちらもとても好きな香りだ。
…最近、どこかで嗅いだ気がする…
どこだっただろう?
(バカな子だね)
その言葉を思い出し、そうなのだろうかもと思ってしまう。その言葉も誰に言われたんだっけ…
…
…
…‼︎
飛び起きようとして侑梨は身体にかかる重みで動くことができない。何が乗ってるの?
‼︎動いた‼︎
横目に隣を見る。
この香り…もう見なくても場所は分かる。
和モダンVIPルームだ。
それならここにいるのも大凡は見当がついている。
けれど確かめずにはいられない、思い切り後悔するのがわかっているのに…
顔を確認する前に、腕が伸び侑梨を抱きしめる。
脚が相手の脚に絡めとられ侑梨のお尻に相手の毛の食感を感じた。
‼︎‼︎‼︎
お互い服を着ていない⁈
侑梨は急いで相手に、絡められた手足を抜き出した。
シーツを引っ張り身体を隠す。
辺りを見回すと侑梨の着ていたドレスはハサミで切られていた。昨日、今日のことだが…思い出し、あのまま眠っていたら低体温症で死んでいたかもしれない。
微かに覚えてるマウロが来てくれたことを。
ドレスも雨で濡れて脱がせなかったのだろう。
ありがとうと感謝の気持ちが湧く。
「どういたしまして」
振り向くとマウロがいた。
…それはそうだろう…そう思いながら、感謝の気持ちはあるのだけれど、侑梨は恋愛初心者だ。
この状況だ。
聞きたいことも、聞きたくないこと、どれから処理したら良いのかわからない。
「仕事は問題ない。まだ熱があるから寝てなよ」
マウロの言葉に愕然とする。仕事!
最近の勤務態度は最低だ。でも熱があると知ったからか、体が怠い。指一本動かすのも面倒だ。
でも聞かなきゃいけないことがある。
「不埒なこと…した?」
マウロ?微笑んだ。
「してないよ」
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