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第九章 グンマー連合王国
第230話 スライムちゃんは、かわいいのです!
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シメイ伯爵から押しつけられたテイマーの女の子は、何者なのだろうか?
何の用件なのだろうか?
俺は女の子に話しかけた。
「あの……、シメイ伯爵からの紹介らしいけど……?」
「はい! そうです! ここに来ればお仕事がもらえると聞きました!」
仕事希望か!
人手不足だから、ありがたいぞ!
「それは助かるよ! 今、我が国は、あちこち人材不足で困っているのだ。あなたの名前は?」
「エラです!」
エラさんは、元気に答えた。
ハツラツとして好感度が高い。
隣に座る黒丸師匠も目を細めている。
「エラさんですね。テイマーと聞いているけれど、何の魔物をテイムするのですか?」
シメイ伯爵領から来たということは、やはりバトルホースだろうか?
バトルホースは、力のある馬形の魔物なので、道路工事や不整地での運搬作業で役に立つ。
バトルホースでなくても、力のある魔物なら工事全般で役に立つ。
もし、戦闘力が高い魔物なら、騎士団に入ってもらって国境警備や治安維持も良い。
エラさんが何の魔物をテイムするのか、俺が楽しみにしていると、エラさんは足下の布袋に手を突っ込んだ。
そして、布袋から取り出した魔物を、両手で俺たちの目の前に差し出した。
「私がテイムしたのは、スライムちゃんです!」
「「「……」」」
俺、黒丸師匠、ルーナ先生は、言葉を失い脱力した。
よりにもよって、スライムをテイム……だと……?
正気か!?
ヤツは、戦闘力のない最弱の魔物だぞ!
俺はエラさんを連れて来た調査員のおじさんに視線を移した。
「あの……これは、一体……? 彼女は、テイマーはテイマーでも、スライムテイマーですよ?」
スライムをテイムするなんて、聞いたことがない。
テイムしたところで、弱すぎるから役に立たないのだ。
バトルホースをテイムすれば、山道でもへこたれないタフな馬車馬になる。
亜竜をテイムすれば、頼もしい相棒になり竜騎士――ドラゴンライダーになれる。
スライムをテイムすれば……、いや、やっぱり、何の役にも立たない。
この調査員のおじさんは、役に立たないスライムテイマーを、なぜ連れて来たのか?
俺はニッコリ笑顔を作りつつ、目だけ笑わないで調査員のおじさんに圧をかける。
調査員のおじさんは、ハンカチで汗を拭きながら答えた。
「えーとですね……。シメイ伯爵も扱いに困ったようで……。それで、アンジェロ陛下は、人使いの名人だから、きっと彼女に仕事を見つけてくれるだろうとおっしゃいまして……。それで、同行してもらった次第です。はい……」
あのおっさん、俺に押しつけたな!
今度会ったら、グンマークロコダイルをけしかけてやる!
ケツをかじられれば、良いんだ!
さて……、どうしたモノだろうか?
明るく元気ハツラツのエラさんは、第一印象は百点満点だ。
しかし、テイム対象がスライム……。
俺はエラさんに向き直り、質問してみた。
「エラさん。スライム以外の魔物はテイム出来ませんか?」
「出来ないです。私がテイム出来るのは、スライムちゃんだけです」
「そう……ですか……。あのお~、スライムだと……、正直、役に立たないと思うのだけど……」
「スライムちゃんは、かわいいのです!」
俺が遠慮しながらスライムを否定すると、倍の勢いでスライムを肯定されてしまった。
うーむ……。
スライムに出来る仕事……。
スライムに出来る仕事……。
何かあるか?
*
赤獅子族のヴィスは、『労働問題研究会』と称する怪しげな集会に参加させられた。
そこで、地球神の使いから聞いていた転生者サロットを見つけた。
彼は集会のリーダーだった。
集会が終わると同室の先輩兵士がヴィスを呼びに来た。
「ヴィス。同志サロットが君と話したいそうだ」
「あー……わかりましたよ……。ちょっと、行ってきますわ……」
ヴィスは、部屋の隅から、サロットがいる部屋の中央へ注意深く移動した。
(あんな気持ちの悪いヤツ、何されるかわかったもんじゃねえ……。同志って、何だよ!)
ヴィスは、そんな風にサロットのことを思っていた。
一方、サロットは、両手を開き笑顔でヴィスを迎えた。
「やあ。ヴィス。君のことは、聞いているよ。凄く強いそうだね?」
「おう……」
誰から聞いたかは、地球神の使いからだろうとヴィスは察した。
サロットは小柄な少年で、ぱっと見たところ戦闘力は皆無だ。
恐らく頭の良さで、この異世界を生き抜いて来たのだろうとヴィスは推測した。
「この一月、随分真面目にしていたね? いや、君の場合は『大人しくしていた』かな?」
「俺が、この鉱山で働いていたのを、知っていたのか?」
「もちろん。労働研究会のメンバーは沢山いるよ。最初は数人だったけれど、今やこの鉱山に携わるほとんどの人間が所属メンバーさ」
「じゃあ、今日いたのは?」
「幹部だよ。今日は幹部会さ。ヴィス。君も労働研究会のメンバーになってくれ。幹部として迎えよう」
「考えとく……」
ヴィスは、集会の会場を後にすると、一人で宿舎に戻った。
ベッドに潜り込むと、一人悪態をついた。
「ちっ! 気色の悪いガキだぜ……」
何の用件なのだろうか?
俺は女の子に話しかけた。
「あの……、シメイ伯爵からの紹介らしいけど……?」
「はい! そうです! ここに来ればお仕事がもらえると聞きました!」
仕事希望か!
人手不足だから、ありがたいぞ!
「それは助かるよ! 今、我が国は、あちこち人材不足で困っているのだ。あなたの名前は?」
「エラです!」
エラさんは、元気に答えた。
ハツラツとして好感度が高い。
隣に座る黒丸師匠も目を細めている。
「エラさんですね。テイマーと聞いているけれど、何の魔物をテイムするのですか?」
シメイ伯爵領から来たということは、やはりバトルホースだろうか?
バトルホースは、力のある馬形の魔物なので、道路工事や不整地での運搬作業で役に立つ。
バトルホースでなくても、力のある魔物なら工事全般で役に立つ。
もし、戦闘力が高い魔物なら、騎士団に入ってもらって国境警備や治安維持も良い。
エラさんが何の魔物をテイムするのか、俺が楽しみにしていると、エラさんは足下の布袋に手を突っ込んだ。
そして、布袋から取り出した魔物を、両手で俺たちの目の前に差し出した。
「私がテイムしたのは、スライムちゃんです!」
「「「……」」」
俺、黒丸師匠、ルーナ先生は、言葉を失い脱力した。
よりにもよって、スライムをテイム……だと……?
正気か!?
ヤツは、戦闘力のない最弱の魔物だぞ!
俺はエラさんを連れて来た調査員のおじさんに視線を移した。
「あの……これは、一体……? 彼女は、テイマーはテイマーでも、スライムテイマーですよ?」
スライムをテイムするなんて、聞いたことがない。
テイムしたところで、弱すぎるから役に立たないのだ。
バトルホースをテイムすれば、山道でもへこたれないタフな馬車馬になる。
亜竜をテイムすれば、頼もしい相棒になり竜騎士――ドラゴンライダーになれる。
スライムをテイムすれば……、いや、やっぱり、何の役にも立たない。
この調査員のおじさんは、役に立たないスライムテイマーを、なぜ連れて来たのか?
俺はニッコリ笑顔を作りつつ、目だけ笑わないで調査員のおじさんに圧をかける。
調査員のおじさんは、ハンカチで汗を拭きながら答えた。
「えーとですね……。シメイ伯爵も扱いに困ったようで……。それで、アンジェロ陛下は、人使いの名人だから、きっと彼女に仕事を見つけてくれるだろうとおっしゃいまして……。それで、同行してもらった次第です。はい……」
あのおっさん、俺に押しつけたな!
今度会ったら、グンマークロコダイルをけしかけてやる!
ケツをかじられれば、良いんだ!
さて……、どうしたモノだろうか?
明るく元気ハツラツのエラさんは、第一印象は百点満点だ。
しかし、テイム対象がスライム……。
俺はエラさんに向き直り、質問してみた。
「エラさん。スライム以外の魔物はテイム出来ませんか?」
「出来ないです。私がテイム出来るのは、スライムちゃんだけです」
「そう……ですか……。あのお~、スライムだと……、正直、役に立たないと思うのだけど……」
「スライムちゃんは、かわいいのです!」
俺が遠慮しながらスライムを否定すると、倍の勢いでスライムを肯定されてしまった。
うーむ……。
スライムに出来る仕事……。
スライムに出来る仕事……。
何かあるか?
*
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そこで、地球神の使いから聞いていた転生者サロットを見つけた。
彼は集会のリーダーだった。
集会が終わると同室の先輩兵士がヴィスを呼びに来た。
「ヴィス。同志サロットが君と話したいそうだ」
「あー……わかりましたよ……。ちょっと、行ってきますわ……」
ヴィスは、部屋の隅から、サロットがいる部屋の中央へ注意深く移動した。
(あんな気持ちの悪いヤツ、何されるかわかったもんじゃねえ……。同志って、何だよ!)
ヴィスは、そんな風にサロットのことを思っていた。
一方、サロットは、両手を開き笑顔でヴィスを迎えた。
「やあ。ヴィス。君のことは、聞いているよ。凄く強いそうだね?」
「おう……」
誰から聞いたかは、地球神の使いからだろうとヴィスは察した。
サロットは小柄な少年で、ぱっと見たところ戦闘力は皆無だ。
恐らく頭の良さで、この異世界を生き抜いて来たのだろうとヴィスは推測した。
「この一月、随分真面目にしていたね? いや、君の場合は『大人しくしていた』かな?」
「俺が、この鉱山で働いていたのを、知っていたのか?」
「もちろん。労働研究会のメンバーは沢山いるよ。最初は数人だったけれど、今やこの鉱山に携わるほとんどの人間が所属メンバーさ」
「じゃあ、今日いたのは?」
「幹部だよ。今日は幹部会さ。ヴィス。君も労働研究会のメンバーになってくれ。幹部として迎えよう」
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