追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します

武蔵野純平

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第九章 グンマー連合王国

第231話 ええか~? ええのか~? ええのんか~?

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「黒丸師匠……どうしましょうか?」

「そう言われても困るのである。スライムであるから……使い道はないのである」

 黒丸師匠の無慈悲な宣告に、スライムテイマーのエラさんはプクリと頬を膨らませた。

「スライムちゃんは、賢いのです! 見ていてください!」

 エラさんは、足下の袋から、またスライムを取り出した。
 バレーボール大の青いスライムが三匹、床の上にちょこんと座っている。

 いや、スライムは、『座る』で良いのだろうか?
 俺は腕を組んで考えたが、深く考えると負けな気がする。

 エラさんは、ポケットからホイッスルを取り出して口にくわえた。

 ピピィー! ピッ!

 エラさんがホイッスルを吹き、右手に持った杖を指揮棒のように動かすと、スライムがポヨンポヨンと動き出し、横一列に並んだ。

 俺たちは、思わず驚きの声を上げる。

「えっ!?」

「エラが、指示したのであるか!?」

「スライムが人の指示をきいている!?」

 エラさんを連れて来た調査員のおじさんは、俺たちの驚く顔を見てうなずき補足説明をしてくれた。

「驚かれたでしょう? エラさんは、複数のスライムを自在に操るのです」

 エラさんは、ホイッスルを吹き、杖を指揮棒のように動かし、次々とスライムを動かしていく。

 横一列から、縦一列。
 スライムがポヨンポヨンと飛び跳ねながら回ったり、部屋の中を跳ね回ったり、自由自在にスライムを動かしている。

「黒丸師匠。これは、これで、凄いですよね!」

「そうであるな。まさか、スライムがここまで人の指揮下に入るとは思わなかったのである」

 ルーナ先生が興味深げにつぶやいた。

「これは……スライムに知性があるということか? いや……スライムは下等な魔物……そんな訳は……。だが、知性がなければ、人の指示は理解できない」

 なるほど。
 確かに目の前では、エラさんがホイッスルと杖の動きで指示を出し、スライムが指示通りに動いている。
 この様子を見れば、スライムに人間の指示を理解する知性があるように思える。
 少なくとも犬と同程度の知力はありそうだ。

 黒丸師匠もルーナ先生の言葉に同調する。

「いやはや、ルーナの言う通りである。これは認識を改める必要があるのである。スライムは、我々が考えているよりも賢い生き物なのかもしれないのである」

 要研究ってところか。

 さて、スライムを自在に動かせることはわかった。
 問題は何の役に立つかだ。

 大道芸とか……。
 子供の遊び相手とか……。

 うーん、イマイチだな。
 俺が金を出して雇うほどの魅力は感じない。

 一通りの演技(?)が終わったエラさんと三匹のスライムは、丁寧にお辞儀をした。
 スライムもプヨプヨボディを器用に折り曲げて、お辞儀をしている。

 俺たちは、拍手を送った。
 特に黒丸師匠は、熱心に拍手をしている

「すごいのである! そこまで自在にスライムを動かせるとは思わなかったのである!」

「ありがとうございます! ちょっと汗をかいたので失礼します」

 エラさんは、失礼しますと言うと、その場でスライムを持ち上げて、自分の服の中に押し込んだ。

「スライムちゃん。汗をかいたから綺麗にして!」

 そう言うと、ホイッスルと『ピッ!』と吹いた。

「えっ!?」

「やや!? である!?」

「ふん!?」

 俺、黒丸師匠、ルーナ先生と続いて、再び驚きの声があがる。

 エラさんの服の中でもぞもぞとスライムが動いているのだ。

 何か……、すごく『いけないモノ』を見ているような……。

「あの……エラさん……。それは、スライムが汗を吸い取って……いるの……?」

「はい、そうです! スライムちゃんは、よい子だから、汗や体の汚れを吸い取ってくれるのです」

「へ……へえー……」

 スライムは、上の方から下の方へと動いているのが、服の上からわかる。

 いいのか?
 これ?

 ええか~?
 ええのか~?
 ええのんか~?
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