いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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花火

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 辺りが暗くなってきた。いよいよだ!!
 あまり遅い時間にすると子ども達が見れないから19:45スタート。
 まず、始めにスタートの合図に3箇所から同時に上げる!

 ひゅーーーーるるるるるるるーー……どっかーーーーん!バチバチバチバチっ!!

 初めて聞く体に響く音に、上げている皆んなもビックリしている。
 キラキラと光ってるのを見て、成功だと手を取り合って喜ぶ。
 さぁ、次々に行くよーー!!
 花火を一つづつではなく、同時に数個上げる。最初からフィナーレ状態だ!!
 私も手伝いながら、写真に撮ったりとバタバタした。
 15分間に思いっきり花火を詰め込んで上げまくる。

 最高に綺麗だった。日本でも、この数の花火を一度に上げる事はないだろう。
 終了のお知らせをしてもらい、また涼しい中に戻って、祭りの続きを楽しんでもらう。自由解散なので、帰る人も、まだまだ騒ぐ人もいる。
 ワーガが走ってきて、あんなに綺麗でビックリした事はないと言いに来てくれる。会う人それぞれが、綺麗だった、感動したと言ってくれる。
 やって良かった!

 まだ興奮している人達に、手持ち花火を配って、外で楽しむ事にした。
 ほぼ大人達が、きゃーきゃー言いながら楽しんでいた。
 今日の景品に花火もあったから、各家庭で好きな時に楽しんでもらおう!!
  
 早目に帰って寝る。明日は、早起きして祭り2日目を盛り上げなきゃ!!流しそうめんもするし、お土産も持って帰ってもらわなきゃ。結構忙しい!!

 朝外に出ると、もぅ興奮状態の子ども達がはしゃいでいた。大人もソワソワしている。
 避難所に行ってみると、もぅ出店は開店していて、昨日とは違う景品だったり、味付けや中身の違う食べ物だったりが並んでいて、さらに盛り上がっていた。まだ朝の8時なのに……。

 その気持ちも分かる。そして想像通り、二日酔いの人達がヨロヨロしながらエルフに薬をもらいに列を作っていた。

 薬を飲んで元気になったら、輪投げや射的などをムキになって競っていた。今日は、帰らなきゃいけないので、お酒は禁止!!

 9階の厨房で、手伝ってもらいながら、そうめんを茹でたり、お汁の味付けをしたりする。
 茹で上がったそうめんから、運んでもらって、1階と2階の駐車場から10レーン作った竹にそうめんをどんどん流していく。交代しながら朝からそうめん食べ放題だ!!
 子どもも大人も、とても盛り上がって、わいわいと楽しそうだ。

 時々、ゼリーが流れたり、缶詰の桃や蜜柑が流れたりと色んな物が流れてくる。それも、楽しいらしく箸で上手に取れたら歓声が上がったり、フォークで取って大ブーイングを受けたりと楽しんでくれている。

 食べ終わった人は、中のお店の交代をしてくれたり、汁を入れて渡してくれたりしていた。

 私も途中、交代してもらいお腹いっぱいそうめんを食べた。
 そうめんに唐揚げを乗せて食べている人、かき氷の氷を汁に入れてキンキンに冷やして食べる人など、工夫して楽しんでいる人もいた。
 
 昼を過ぎて、中間の村やオーガの里の人達はお土産持って帰って行った。残って片付けを手伝ってくれる人や、オーガの里に引っ越した人で、数日ハルー村に泊まって、帰る人などもいる。
 
 提灯を外したり、流しそうめんの片付けや、鉄板を洗って乾かしたり、片付けられる物は片付けて1階の隅に集めておいた。
 10階は、泊まった人達が布団を片付けて、ランドリーでシーツを洗濯して駐車場に干してくれていた。
 
 あぁ、楽しかったなぁー。今度は、涼しくなってから秋祭りかな?場所も中間の村や、オーガの里でするのもいいな。

 なんだか、ちょっと寂しい気分になりながら、片付けをして食堂にご飯を食べに行くと、子ども達が集まって手持ち花火を楽しんでいた。
「あっ、お姉ちゃん!!お祭り楽しかったね!!見て~、これキラキラ~!!」
「どーーーんって、空が光って、キレイだった。」
「おいちぃーー、いっぱい!」
 沢山の楽しかった事を話してくれる。おもちゃのネックレスを見せてくれたり、お面を見せてくれたりとまだまだ大興奮だ。
 子ども達も楽しめたようで良かった。私も思いっきりはしゃいだし、準備するのも楽しかった。夏祭り大成功!!
 
 さて、明日からまた普通の生活が始まる。
 また頑張ろう~!!

 家に帰って、のんびりしているとトランシーバーから連絡が入る。
 とりあえず着替えて、食堂に向かうと、かなりの数のドワーフ、エルフ、オーガ、人間、獣人族?なのか耳と尻尾のある人まで沢山の人達がゾロゾロと歩いてこっちに向かって来ている。
 先頭を歩いていた、オーガがドーガを見つけてこっちに来る。
「確か、お前はあの山のドーガだな?俺達は、この辺りのあちこちの山から集まってきた。夜に光る物が空に何度も浮かぶのを見て、山を降りる事にしたんだ。」
 よく見ると、色々な方向からハルー村に向かって松明が近づいて来ていた。

「俺はドーガだが、ここのリーダーはこの陽菜、人間だ!話しがあるなら陽菜にしてくれ。」
「なるほど。分かった。急に訪ねてすまない、俺達は今言ったように色々な場所から集まってきた。こんな所に大きな里があるとは知らなかった。出来れば、ここに住みたいと思う。どうだろうか?」
 今まで会ったオーガの中で、1番まともなオーガだ!
「分かりました。ここに向かっている人皆んながここに住みたいと思っているんですか?」
「さぁ?俺達はあっちの山から来たんだ。あっちの山のあちこちから集まってここに向かってきた。他の所から来ている者達は知らない。」
「なるほど。ドーガ、このオーガさん一行を銭湯に案内して、それから避難所10階に来てもらって!他の人達にも手伝ってもらおう!」
 アヤナンさんにトランシーバーで、放送をお願いして出て来れる人達は食堂に、集合してもらう。
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