いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

文字の大きさ
100 / 185

成功

しおりを挟む
 もぅ少しドローンが到着するまで時間がかかるから、今のうちにハゼドンに特製カレーを温めてもらう。
 朝から煮込んでもらっていて、鍋ごと持ってきた。
 ルーを入れると良い香りが広がる。

 そこへホットケーキに釣られてドワーフ達が降りてきた。
 ダンドンさんが前に出て、旅をしている。ご飯を作ったから一緒にどうだ?と誘う。
 私達は、車に隠れてこっそり見ていた。

 3バカトリオとダンドンさんに気を許したみたいで、カレーをガツガツ食べ始めた。

 3杯ほど食べ、お腹が落ち着くとこの辺りが獣人族の家だった事に気づいた。
 辺りはもぅ真っ暗になっている。

「……ここは、獣人族が住んでた所だな。俺達、子どもをここに置き去りにしたよな。おっ、おい!!何処にいる??大丈夫か??」
「早く探さないと……、あれからかなり時間が……。」
「おーーい!誰かいないか??」
「なぁ、お前達。ここに獣人族の子ども達がいなかったか??」

 洗脳が解けてきたようだ。
「大丈夫だ。あの子達なら保護した。安全な所にいる。あの子達の親はどこだ?」
「……俺達が拐って……さ、里にいる。」
「……なぁ……なんで俺達、あんな事したんだ?」

 私達も車から出て行き、説明した。洗脳されていた事、あの子達が親を待ってた事、奴隷を開放してほしい事も話す。

「分かった。明日、必ず全員連れてくる。途中の谷に住んでる獣人族の子ども達も連れてくる。約束する。」

 今夜はもぅ暗くなったから、この場所にシェアハウス2つと温泉を出して泊まってもらう事になった。
 ダンドンさんがお風呂で聞いた話しだと、ここでは女性が連れて行かれる事はなかったようだ。
 でも、奴隷を増やす事と酷い扱いをする事は繰り返し繰り返し夢に出てきて、奴隷を集めないと自分達が滅びると勝手に思い込んでいたようだ。
 多分、それも洗脳だったんだろう。

 朝ご飯も、ハゼドン特製の野菜たっぷりサンドイッチと、野菜と果物のフレッシュジュース。もちろん畑で採れた物ばかり。
 ハルー産の米でおにぎりも作り、里の他の人達に食べさせるよう頼んで渡す。
 オーガ達にも一緒に行ってもらう。
 私達はここから車の用意をしてブルー村にすぐに向かえるように準備をする。
 ブルー村に電話をかけて、村でも準備を進めてもらう事にした。
 ドワーフ達は、ここに住んでもらう方がいいだろう。ブルー村は獣人族だけ行ってもらおう。

 2時間ほどでオーガが獣人族の子ども達を連れて帰ってきた。
 この子達が谷に暮らしていた子達で、親はドワーフが拐っていったようだ。
 ワーガと私とでブルー村にこの子達を連れていく。
 
 ブルー村で、シェアハウスを多めに出して温泉やシャワールームも出しておく。
 包帯や傷薬なども増やしておいて、急いで戻る。

 戻ると、ドワーフと奴隷だった獣人族達が到着していた。
 獣人族の人達は、動けないような人も沢山いて見ているのも辛い状態だった。
 洗脳が解けてきてきているドワーフ達が土下座をして泣きながら謝っている。
 他のドワーフ達は不思議そうな顔をしていた。
 子ども達に会わせられる状態じゃないから、もぅ少し元気になるまでここにいてもらう事にした。

 とりあえず、最初にシェアハウスを出した場所まで行き、公民館に獣人族の人達を寝かせていく。

 住宅を沢山出したりと準備をしている間に、ダンドンさんや3バカトリオにドワーフ達をお風呂に入れたり、着替えさせたり、昼ごはんを食べたりしてもらう。
 他の人達には、獣人族の手当てを任せてある。
 ルールに携帯を渡しておばあちゃんを呼んでもらった。
 ゴーガにも電話して手伝ってくれる人を連れて来てもらえるように頼んでもらう。
 ルールが中心になって、傷の酷い獣人族の手当てをしてもらうが、高熱でうなされていたり、傷からバイ菌が入って化膿していたりと、手に負えない患者が多すぎる。
 公民館の集会室にベットを並べて寝てもらっているが、入りきれず他の部屋もほとんど使っている。

 ご飯を食べて洗脳が解けてきた他のドワーフ達も、やっと自分達のした事に気づいて悔やんでいた。
 
 人手が足りないから、ドワーフ達にも看病してもらう事にした。
 何度も何度も謝りながら、汗を拭いたり水を飲ませたりと寝ずに看病をしていた。

 夜にはルールのおばあちゃんが到着して、一人一人診察して適切な薬を処方してくれる。
 動ける獣人族の人達は、シェアハウスでミイナ達にお風呂の入り方を教えてもらい、清潔にしてからもう一度、傷薬を塗ったり包帯を取り替えたりしてもらった。
 ご飯も3バカトリオが沢山作ってくれ、食べられる人は沢山食べて、ゆっくり休んでもらう。
 
 次の日、動ける人達はルイ君がバスでブルー村まで送ってくれる。
 まだ動けない人達も熱が下がり横にドワーフがいて謝っているのを見て複雑な顔をしていた。
 
 少しご飯が食べれたり、痛み止めで楽になったのかぐっすりと眠れたり、少しだが回復してきている。

 ドワーフ達も必死で看病を続けている。

 ルイ君、ダンドンさんに頼んで畑作りをしてもらう。
 3バカトリオに頼んで、ドワーフの女性の皆さんには看病をしながら料理を覚えてもらった。
 手の空いたドワーフ達は、畑作りを手伝ってもらい、男性にも料理を覚えてもらう。

 ここにもスーパー、駐車場、車、道路などを出して村らしくしていく。
 


しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん
ファンタジー
※ようやく修正終わりました!加筆&纏めたため、26~50までは欠番とします(笑)これ以降の番号振り直すなんて無理! ごめんなさい、変な番号降ってますが、内容は繋がってますから許してください!!!※ ファンタジー小説大賞結果発表!!! \9位/ ٩( 'ω' )و \奨励賞/ (嬉しかったので自慢します) 書籍化は考えていま…いな…してみたく…したいな…(ゲフンゲフン) 変わらず応援して頂ければと思います。よろしくお願いします! (誰かイラスト化してくれる人いませんか?)←他力本願 ※誤字脱字報告につきましては、返信等一切しませんのでご了承ください。しかるべき時期に手直しいたします。      * * * やってきました、異世界。 学生の頃は楽しく読みました、ラノベ。 いえ、今でも懐かしく読んでます。 好きですよ?異世界転移&転生モノ。 だからといって自分もそうなるなんて考えませんよね? 『ラッキー』と思うか『アンラッキー』と思うか。 実際来てみれば、乙女ゲームもかくやと思う世界。 でもね、誰もがヒロインになる訳じゃないんですよ、ホント。 モブキャラの方が楽しみは多いかもしれないよ? 帰る方法を探して四苦八苦? はてさて帰る事ができるかな… アラフォー女のドタバタ劇…?かな…? *********************** 基本、ノリと勢いで書いてます。 どこかで見たような展開かも知れません。 暇つぶしに書いている作品なので、多くは望まないでくださると嬉しいです。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

処理中です...