いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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おでん

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 ラーメンを見て匂いに釣られて1人が我慢出来ずにフォークでかき込む。
「…うううううう……………。」
「お、おい!どーした?」
「毒か?」
「苦しいのか??」
「うううう、うまーーーーーーい!!なんじゃこりゃ!止まらん!」
「おっ、おい!俺にも一口くれよ!」
「お、おいらにも……じゅる~!」
 では、リクエストにお応えいたしましょう!
 次々にラーメンを出していく。豚骨、味噌、塩など色々な種類も出しては押し出す。
 次々に受け取って、美味しい美味しいと言いながら食べている。すぐに完食。わざと小さいどんぶりで少なめにしてある。
 ワーガが、ご主人様はやっぱりご主人様だとキラキラの目で私を見ている。

 リーダー達が何か食べているのに気付いて怒鳴っている。
 監視カメラ映像に、勝手な事をするな!とか、相手の作戦だ!とか怒鳴っている。
 次は、カレーライスを出した。うどん、蕎麦、豚汁、シチューなど体の温まる物ばかりを次々に出していく。
 もぅリーダー達2人以外、全員が箱に群がっている。
 そのうちに、1人がリーダー達が可哀想になったのかドワーフのリーダーの所にカレーライスを持って行き一口食べさせる。
『うまーーーーーーい!なんじゃこりゃ!!うまーーー!最高!すみませーーーん、俺達、あなたの下僕になりまーーす!今までの数々の失礼をお許しください!!』
『おっ、おい!!裏切るのか!!』
『うるさい!お前の言う通りしたが、食べ物が手に入らないじゃないか!!俺は、もっとこれが食いたい!!これを食う為なら、なんでもする!!』
 換気扇の下に走ってきて土下座して、先程の物をくださいと祈りだした。
 大盛りでカレーを出して箱に押し出す。
 雪の上に座り込んで、夢中で食べ始める。
「うまーーー!!おい、お前達。こんな美味いもんをくれるのは良い奴に決まってる。俺達ドワーフは今日から、これをくれた奴の奴隷になるぞ!!いいな!!」
「「「「「はいっ!!親分!!喜んで!!!」」」」」
 それを見ていたエルフ達が、良いなぁ~。俺達も奴隷でも下働きでも下僕でもなんでもいいから、美味いのを腹一杯食いたい!と羨ましそうに見ている。
 さて、そろそろ良いかなぁ~。

 外のエルフのリーダーがいる辺りに、大きな鍋に入ったおでんを出した。熱々のおでん。
 蓋は出してなく、お玉とお碗とフォークも出してある。
 エルフのリーダーが、キョロキョロしながら
『お、俺様への貢ぎ物か。ま、まぁ受け取ってやらん事もない。どーしてもと言うなら仕方ないな。』
 言い訳しながら、お玉で大根を掬いお碗に入れて、一口食べる。
『……………な、な、なんじゃこりゃーーーー!!うまーーーい!!』

 その声を聞いたエルフやドワーフ達がリーダーだけ何か食べていると走って近づいて次々に食べていく。
『あっ、こら!!これは俺のだ!!』
『うるさい!!リーダーは食べないって言ってた!』
『い、いや、しかし……。』
『そーだよ!俺達には食うなって言って、自分だけズルい!』
『こ、これは、俺への貢ぎ物だ!』
『いや、きっと俺達ドワーフが下僕になると言ったから恵んでくれたんだ!』
『そーだそーだ!!』
『あーーーーー!!!!!無くなってるー!』
『リーダーは食べないって言ったから、全部食べました。』
『はぁー、美味しかったぁ~!!』
『そ、そんなぁー!少ししか食べてないのにぃ~!!』
『もっと食べたいなら、俺達エルフも下僕でも奴隷でもなんでもするからくださいって頼みましょうよ!!』
『そーだよ!だいたいエルフだからって威張ってても良い事なんて無かったし!』
『いや、しかし………。やはりエルフは……。んぐっ!もぐもぐ……。』
 誰かが、私の出したラーメンのチャーシューを口に突っ込んだ。
 ドドドドドドっ!!!
 マンションの玄関にエルフのリーダーが走ってきた。
 そのまま滑り込むように土下座。
「大変失礼をいたしました。あなたの言うことは全て聞きます。だから、食べ物を恵んでください!!俺達も下僕に加えてください!!!」

 玄関から出て、話しをする事にした。
「私が、この家を作った人間の陽菜です。」
「えっ??人間?」
「人間です。そして、私はエルフだからとかドワーフだからと差別するのは好きじゃないです。皆んな仲良く暮らしていきたいと思ってます。」
「いや、でも人間にそんな事が……。」
「人間でも、魔力の強い人もいます!それに魔力が多くてもお腹一杯にはなりません!」
 目の前で、カレーライスを出して見せた。
「ほ、本当だ!!これは伝説の神様だー!!」
「いえ、神様じゃないです!」
「そうなんですか?」
「はい。間違っても貢ぎ物を持ってきたりしないように!!」
「わ、わかりました。俺達エルフもドワーフもあなたに従います!!どうぞ命令してください!」
「では、まずこのオーガと一緒にお風呂に入ってください。それから着替えて家族を迎えに行きましょう!」
 男の人達ばかりなので、ワーガに任せてマンション1階の温泉に連れて行ってもらった。ラーメンの汁塗れだったり、ドワーフの髭にはカレーがこびり付いていたり、頭からかぶったのか?全身おでんの汁塗れの人もいる。
 
 1時間くらいして、綺麗になったエルフやドワーフが出てきた。
 別人のように綺麗になってる。ドワーフは、何故か髭を綺麗に剃っていた……。なぜ??

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