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畑作り
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ナダも可哀想な所はある。でも、自分が辛かったから他の人に辛く当たっていいはずがない。その辺りが子どもなんだろうなぁ~。
監視カメラ映像をオアシスに切り替えて見ていると、子どものように泣きじゃくっている。
そのうち、お腹が空いたのか食べ物を探しに行くが、調理のしていない芋しかない。食べ方がわからず、洗ってそのまま齧り付き吐き出していた。
水だけは沢山あるから、水を飲んで空腹を紛らわせるようだ。
果物もあるけど、皮を剥いて食べられる状態になった物しか見た事がないのか、パイナップルのような物を皮ごと食べて投げ捨てていた。
本当に1人では何もできないようだ。
次の日も、オアシス村にやって来て父親の悪口を言ったり、エルフやドワーフを馬鹿にしたりを繰り返す。
「ナダ様、そんな事を言っていても誰もナダ様の所には戻りません。ナダ様は皆に謝らなくてはいけません。ナダ様、よく考えてください。今まであなたの食事を作ってくれていたのは誰ですか?ナダ様が不味いから要らないと捨ててしまった食事さえ食べられず、綺麗な水も飲ませてもらえず働いてくれたのは誰ですか?空腹が辛い事だとわかったでしょう?」
「うるさい!!この裏切り者!!私に偉そうな口をきくな!!」
「ナダ様…………。」
「私を馬鹿にして楽しいか?」
「馬鹿になどしていません!ナダ様を心配しているのです!」
「ふんっ!心配している??なら、なぜ私の側にいない?」
「ナダ様に気付いてほしいのです!皆がどんな思いをしてきたか。ナダ様、間違いを認めてください。ナダ様の優しさを私は知っています。突然来た私を本当の兄のように接してくださった。私が困っていたら助けに来てくださいました。私は、優しかったナダ様に戻ってほしいのです!!」
「うるさい!!私に歯向かう者は誰であろうと許さない!!お前を兄と思った事など一度もない!二度と私の前に現れるな、裏切り者!!」
「…………ナダ様……。」
うーん、困ったなぁ。こじらせ過ぎて、自分でもどうしようもないんだろう。このままだと意地でも謝る事はしないだろうなぁ。
「わかった。私がナダの所に畑を作ってあげる。調理の仕方も教えるよ。」
「…………お前がどーしてもと言うなら、許可してやらん事もない。」
「うん。じゃあ行こう。」
「ご主人様!!俺も行きます!」
「ううん、ワーガは残って。私1人で行ってくる。ゆきちゃんをよろしくね!ルイ君にも伝えておいて!」
「でも……」
「大丈夫!ワーガ、私って結構強いから!ねっ!!」
「……はい。」
「じゃ、行ってくるねー!!」
軽トラを出して助手席にナダを乗せて出発する。ナダは速さにビックリしてしがみついていた。
すぐに到着。
鍬を2本出して、ナダに一本渡す。
何故私がこんな事を!とかお前1人でやれ!とか言っていたが、ナダが手伝わないなら私は何もしないと言うと渋々鍬を持ってやってきた。
使い方を教えて、畝を作る。肥料も出して混ぜ込んでいく。
苗を出して、一つづつ丁寧に植えていき、ジョウロで水をあげる。
それを何度も繰り返す。水道を出してホースで水やりの方が早いけど、わざとオアシスからいちいち水を汲んで、ジョウロで水やりをさせる。
鍬に慣れてないから腰も痛いし、何もして無かったからすぐに手のひらに豆ができる。
痛いとか、なぜ私がとか文句をずっと言いながらも3畝作る。
ちょーど昼になったので、料理もナダにさせる。いきなりナイフのような物で芋の皮むきは無理だろうからピーラーを出して使い方を教える。
包丁とまな板も出して、芋を適当な大きさに切って、ここにある竈門のような物に火をつけ鍋に水を入れて沸騰させる。
塩を出してひとつまみ入れて少し煮て、水気を切って粉吹き芋のような物を作った。
ナダは、全ての事が初めてで指を切ったり、火傷したりとすぐに料理が出来ない事にイライラしていた。
出来上がった芋を食べると目を輝かせていた。
「こんなに美味しい物を私は初めて食べた!」
「それ、いつもナダが食べていた芋だよ?お腹が空いたのと、自分で苦労して作ったから美味しいんだよ。」
「………そ、そうか。働いて体を動かした後だから美味しく感じるのか。」
「そうそう。どんな高級な物より自分で苦労して手に入れた物の方が美味しかったりするんだよ。」
「………そうか。」
「あっ、そうだ。煮炊きするのに使う薪ってどこにあるの?さっき、ここにあったのは使ってしまったんだけど。」
「知らない。」
「そう、じゃあ食べ終わったら探しに行こう。」
「……わかった。」
あちこち探すが見当たらず、ここにはもぅ薪は無い事がわかった。歩いて畑があった所まで行って薪を探す事になった。
背中に背負える籠と、両手に持てる籠を出してナダに持たせる。
私が持ってないと怒っていたが、私は畑作りが終わったら帰るから使わないと言うと文句を言いながらも持って歩く。
途中、疲れたとか水が飲みたいとかぶつぶつと文句を言い続けて畑に到着。薪が積んであるのを見つけ、籠に入れて、畑の芋を掘って籠に入れる。全ての籠にギッシリと芋と薪が入っている。
監視カメラ映像をオアシスに切り替えて見ていると、子どものように泣きじゃくっている。
そのうち、お腹が空いたのか食べ物を探しに行くが、調理のしていない芋しかない。食べ方がわからず、洗ってそのまま齧り付き吐き出していた。
水だけは沢山あるから、水を飲んで空腹を紛らわせるようだ。
果物もあるけど、皮を剥いて食べられる状態になった物しか見た事がないのか、パイナップルのような物を皮ごと食べて投げ捨てていた。
本当に1人では何もできないようだ。
次の日も、オアシス村にやって来て父親の悪口を言ったり、エルフやドワーフを馬鹿にしたりを繰り返す。
「ナダ様、そんな事を言っていても誰もナダ様の所には戻りません。ナダ様は皆に謝らなくてはいけません。ナダ様、よく考えてください。今まであなたの食事を作ってくれていたのは誰ですか?ナダ様が不味いから要らないと捨ててしまった食事さえ食べられず、綺麗な水も飲ませてもらえず働いてくれたのは誰ですか?空腹が辛い事だとわかったでしょう?」
「うるさい!!この裏切り者!!私に偉そうな口をきくな!!」
「ナダ様…………。」
「私を馬鹿にして楽しいか?」
「馬鹿になどしていません!ナダ様を心配しているのです!」
「ふんっ!心配している??なら、なぜ私の側にいない?」
「ナダ様に気付いてほしいのです!皆がどんな思いをしてきたか。ナダ様、間違いを認めてください。ナダ様の優しさを私は知っています。突然来た私を本当の兄のように接してくださった。私が困っていたら助けに来てくださいました。私は、優しかったナダ様に戻ってほしいのです!!」
「うるさい!!私に歯向かう者は誰であろうと許さない!!お前を兄と思った事など一度もない!二度と私の前に現れるな、裏切り者!!」
「…………ナダ様……。」
うーん、困ったなぁ。こじらせ過ぎて、自分でもどうしようもないんだろう。このままだと意地でも謝る事はしないだろうなぁ。
「わかった。私がナダの所に畑を作ってあげる。調理の仕方も教えるよ。」
「…………お前がどーしてもと言うなら、許可してやらん事もない。」
「うん。じゃあ行こう。」
「ご主人様!!俺も行きます!」
「ううん、ワーガは残って。私1人で行ってくる。ゆきちゃんをよろしくね!ルイ君にも伝えておいて!」
「でも……」
「大丈夫!ワーガ、私って結構強いから!ねっ!!」
「……はい。」
「じゃ、行ってくるねー!!」
軽トラを出して助手席にナダを乗せて出発する。ナダは速さにビックリしてしがみついていた。
すぐに到着。
鍬を2本出して、ナダに一本渡す。
何故私がこんな事を!とかお前1人でやれ!とか言っていたが、ナダが手伝わないなら私は何もしないと言うと渋々鍬を持ってやってきた。
使い方を教えて、畝を作る。肥料も出して混ぜ込んでいく。
苗を出して、一つづつ丁寧に植えていき、ジョウロで水をあげる。
それを何度も繰り返す。水道を出してホースで水やりの方が早いけど、わざとオアシスからいちいち水を汲んで、ジョウロで水やりをさせる。
鍬に慣れてないから腰も痛いし、何もして無かったからすぐに手のひらに豆ができる。
痛いとか、なぜ私がとか文句をずっと言いながらも3畝作る。
ちょーど昼になったので、料理もナダにさせる。いきなりナイフのような物で芋の皮むきは無理だろうからピーラーを出して使い方を教える。
包丁とまな板も出して、芋を適当な大きさに切って、ここにある竈門のような物に火をつけ鍋に水を入れて沸騰させる。
塩を出してひとつまみ入れて少し煮て、水気を切って粉吹き芋のような物を作った。
ナダは、全ての事が初めてで指を切ったり、火傷したりとすぐに料理が出来ない事にイライラしていた。
出来上がった芋を食べると目を輝かせていた。
「こんなに美味しい物を私は初めて食べた!」
「それ、いつもナダが食べていた芋だよ?お腹が空いたのと、自分で苦労して作ったから美味しいんだよ。」
「………そ、そうか。働いて体を動かした後だから美味しく感じるのか。」
「そうそう。どんな高級な物より自分で苦労して手に入れた物の方が美味しかったりするんだよ。」
「………そうか。」
「あっ、そうだ。煮炊きするのに使う薪ってどこにあるの?さっき、ここにあったのは使ってしまったんだけど。」
「知らない。」
「そう、じゃあ食べ終わったら探しに行こう。」
「……わかった。」
あちこち探すが見当たらず、ここにはもぅ薪は無い事がわかった。歩いて畑があった所まで行って薪を探す事になった。
背中に背負える籠と、両手に持てる籠を出してナダに持たせる。
私が持ってないと怒っていたが、私は畑作りが終わったら帰るから使わないと言うと文句を言いながらも持って歩く。
途中、疲れたとか水が飲みたいとかぶつぶつと文句を言い続けて畑に到着。薪が積んであるのを見つけ、籠に入れて、畑の芋を掘って籠に入れる。全ての籠にギッシリと芋と薪が入っている。
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