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ナダの涙
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ナダのお父さんを見て、タイカさんはその場に崩れ落ちた。
「ナルダ様!よく、よくご無事で!!」
「タイカ、すまなかった。ナダに仕えるのは辛かっただろう……。」
「いえ、私に出来る事ならなんでも。私が受けた恩はまだまだ返せていません。」
「いや、もぅ十分だ。ありがとう。ナダを見捨てずにいてくれて感謝する。」
「そんな勿体ない!!」
「だが、もぅいい。わしと一緒にこの陽菜さんが作ってくれた村に行こう。ナダは、1人にならないと自分の間違いに気づけない。」
「………でも。ナダ様は1人では生きていけません。」
「そうだな。だが、それでも一度しっかりと自分のした事と向き合う事が大切だと、わしは思う。」
「……わかりました。もぅ絶対にナルダ様の側を離れません!!」
「よし、行こう。」
車に乗ってタイカさんも一緒に村に戻る。
戻ると昼過ぎで、かなり畑や田んぼが広がっていた。
川を広げて穴を掘って水も確保できていたし、薬草も植え替えをしたり、野菜も植えてあるし、果樹園も出来ていた。
そこから、私も頑張って家を増やしたし、最初の村の近くまで家を出して、一つの村になるようにした。
かなり大きな村になった。名前を考えなきゃ。
「オアシス村」に決定だ!
水場を確保していたからナダは王でいられたのだろう。でも、水道があるし、川を引いてくる事も出来るし、もぅオアシスを独占しても偉くもなんともない。
さて、そろそろナダの様子を見てみよう。
監視カメラ映像には、タイカさんを探すナダの姿が映っていた。
1人だと分かると、最初は怒っていたが、どうしていいか分からず自分が散らかした芋を拾い集めて、洗って砂を落として食べていた。
もぅ数日放っておこう!
オアシス村の食堂に行くと、何故かハセドンがご機嫌だった。
近くにいた人に聞いたら、レイナさんを体を張って守った事でレイナさんがハセドンの事を好きになったようだ。
えぇーー!!!ハセドンは本当に良い人だけど、まさかあんなに綺麗で可愛いレイナさんが………!!!
はぁ~、人生何があるかわからないね!でも、やっと念願の彼女ができて良かった。上手くいってほしいな!
でも……あのニヤけたハセドンの顔は、ちょっとイラッとくるな。と思っていたら、ルイ君もワーガも同じ事を思っていたらしい。さらに食堂の窓から幼馴染だというイケメンの彼が悔しそうにハゼドンを睨みつけている。
公民館でゆきちゃんと遊んだり、ファーナさんとビデオ通話で話したりルイト君の様子を見せてもらったり、ルイ君のお父さんの子守唄を聞いたりと楽しい時間を過ごしていると、ナダが来たとハセドンが呼びにくる。
外に出ると、ナダが大声で叫んでいた。
「今なら許してやろう。私は優しいからな!オアシスに住む事も許可してやろう!こんな水場も無い所で暮らすのは辛いだろう。」
皆んなシラーーっとしている。
「水なら、家の中にいてもすぐに飲めるから問題ない。」
「そーだそーだ。オアシスよりよっぽどこの家の方が良い。」
「働いた分はしっかりと自分に返ってくるし、お腹が空いて辛い事もない。」
「ナダとは一緒に暮らしたくない!」
レイナさんまで参戦だ。
「私も、本当に愛する人を見つけました。ハゼポンは、優しくて料理上手で~もぅ毎日幸せ!ねっ、ハゼポン!」
「お、おう。めちゃくちゃ幸せだ!レナタン~!!」
周りからの冷たい視線も気にせずイチャイチャしている。ハゼポンって!!レナタンって!!!バカップル過ぎる!!何か変なDVDでも見たんだろうか………。
ナダも口をパクパクしている。
「コホン!!と言う事なので、ナダは帰ってください。一緒にはいたくないそうですよ。」
「くっ……………!!」
「ナダ、もぅ諦めて自分のしてきた事を反省するんだ!」
「お、親父!!な、なんでこんなところに!」
「お前がバカにしていたエルフの皆さんが助けてくれたんだ。」
「そっ、そんなバカな!!あいつらは野蛮で最低の奴だ!!」
「そんな事はないと何度も伝えたはずだ。人間の力などちっぽけなモノだ。お互い協力して、助け合って生きて行く事がどれだけたいせな事かも教えたはずだぞ!」
「う、嘘だ!!私の母を殺したのはエルフだ!!あいつらは魔物なんだ!!」
「違う!違うぞナダ。お前の母親は、病気になったんだ。それをエルフが治そうと手を尽くしてくれた……。でも、手遅れだったんだ。何をしてもよくならず死んでしまった。エルフは一所懸命に助けようとしてくれていたんだ。」
「嘘だ!!エルフの所に行くまで母上は私に笑顔で話しかけてくれていた!なのに、エルフの奴らが殺したんだ!!」
「ナダに心配させまいと、必死に笑顔でいただけだ。本当は、もぅ話す事もできないほど弱っていたんだ。」
「違う!!親父が母上をエルフに殺させたんだ!!私の大好きな母上を殺した野蛮なエルフとその男に皆んな騙されているんだ!!」
「ナダ様、それは違います。私も見ていました。エルフの方々は寝ずに看病をしてくれました。ナルダ様もずっと手を握って側で励まし続けておられました。見るのが辛くて逃げ出したのはナダ様です。現実を受け入れるのが怖くて目を逸らしてエルフのせいにしてきたのはナダ様の弱さです。」
タイカさんに言われ、ナダは何も言えなくなり、泣きながら去っていった。
「ナルダ様!よく、よくご無事で!!」
「タイカ、すまなかった。ナダに仕えるのは辛かっただろう……。」
「いえ、私に出来る事ならなんでも。私が受けた恩はまだまだ返せていません。」
「いや、もぅ十分だ。ありがとう。ナダを見捨てずにいてくれて感謝する。」
「そんな勿体ない!!」
「だが、もぅいい。わしと一緒にこの陽菜さんが作ってくれた村に行こう。ナダは、1人にならないと自分の間違いに気づけない。」
「………でも。ナダ様は1人では生きていけません。」
「そうだな。だが、それでも一度しっかりと自分のした事と向き合う事が大切だと、わしは思う。」
「……わかりました。もぅ絶対にナルダ様の側を離れません!!」
「よし、行こう。」
車に乗ってタイカさんも一緒に村に戻る。
戻ると昼過ぎで、かなり畑や田んぼが広がっていた。
川を広げて穴を掘って水も確保できていたし、薬草も植え替えをしたり、野菜も植えてあるし、果樹園も出来ていた。
そこから、私も頑張って家を増やしたし、最初の村の近くまで家を出して、一つの村になるようにした。
かなり大きな村になった。名前を考えなきゃ。
「オアシス村」に決定だ!
水場を確保していたからナダは王でいられたのだろう。でも、水道があるし、川を引いてくる事も出来るし、もぅオアシスを独占しても偉くもなんともない。
さて、そろそろナダの様子を見てみよう。
監視カメラ映像には、タイカさんを探すナダの姿が映っていた。
1人だと分かると、最初は怒っていたが、どうしていいか分からず自分が散らかした芋を拾い集めて、洗って砂を落として食べていた。
もぅ数日放っておこう!
オアシス村の食堂に行くと、何故かハセドンがご機嫌だった。
近くにいた人に聞いたら、レイナさんを体を張って守った事でレイナさんがハセドンの事を好きになったようだ。
えぇーー!!!ハセドンは本当に良い人だけど、まさかあんなに綺麗で可愛いレイナさんが………!!!
はぁ~、人生何があるかわからないね!でも、やっと念願の彼女ができて良かった。上手くいってほしいな!
でも……あのニヤけたハセドンの顔は、ちょっとイラッとくるな。と思っていたら、ルイ君もワーガも同じ事を思っていたらしい。さらに食堂の窓から幼馴染だというイケメンの彼が悔しそうにハゼドンを睨みつけている。
公民館でゆきちゃんと遊んだり、ファーナさんとビデオ通話で話したりルイト君の様子を見せてもらったり、ルイ君のお父さんの子守唄を聞いたりと楽しい時間を過ごしていると、ナダが来たとハセドンが呼びにくる。
外に出ると、ナダが大声で叫んでいた。
「今なら許してやろう。私は優しいからな!オアシスに住む事も許可してやろう!こんな水場も無い所で暮らすのは辛いだろう。」
皆んなシラーーっとしている。
「水なら、家の中にいてもすぐに飲めるから問題ない。」
「そーだそーだ。オアシスよりよっぽどこの家の方が良い。」
「働いた分はしっかりと自分に返ってくるし、お腹が空いて辛い事もない。」
「ナダとは一緒に暮らしたくない!」
レイナさんまで参戦だ。
「私も、本当に愛する人を見つけました。ハゼポンは、優しくて料理上手で~もぅ毎日幸せ!ねっ、ハゼポン!」
「お、おう。めちゃくちゃ幸せだ!レナタン~!!」
周りからの冷たい視線も気にせずイチャイチャしている。ハゼポンって!!レナタンって!!!バカップル過ぎる!!何か変なDVDでも見たんだろうか………。
ナダも口をパクパクしている。
「コホン!!と言う事なので、ナダは帰ってください。一緒にはいたくないそうですよ。」
「くっ……………!!」
「ナダ、もぅ諦めて自分のしてきた事を反省するんだ!」
「お、親父!!な、なんでこんなところに!」
「お前がバカにしていたエルフの皆さんが助けてくれたんだ。」
「そっ、そんなバカな!!あいつらは野蛮で最低の奴だ!!」
「そんな事はないと何度も伝えたはずだ。人間の力などちっぽけなモノだ。お互い協力して、助け合って生きて行く事がどれだけたいせな事かも教えたはずだぞ!」
「う、嘘だ!!私の母を殺したのはエルフだ!!あいつらは魔物なんだ!!」
「違う!違うぞナダ。お前の母親は、病気になったんだ。それをエルフが治そうと手を尽くしてくれた……。でも、手遅れだったんだ。何をしてもよくならず死んでしまった。エルフは一所懸命に助けようとしてくれていたんだ。」
「嘘だ!!エルフの所に行くまで母上は私に笑顔で話しかけてくれていた!なのに、エルフの奴らが殺したんだ!!」
「ナダに心配させまいと、必死に笑顔でいただけだ。本当は、もぅ話す事もできないほど弱っていたんだ。」
「違う!!親父が母上をエルフに殺させたんだ!!私の大好きな母上を殺した野蛮なエルフとその男に皆んな騙されているんだ!!」
「ナダ様、それは違います。私も見ていました。エルフの方々は寝ずに看病をしてくれました。ナルダ様もずっと手を握って側で励まし続けておられました。見るのが辛くて逃げ出したのはナダ様です。現実を受け入れるのが怖くて目を逸らしてエルフのせいにしてきたのはナダ様の弱さです。」
タイカさんに言われ、ナダは何も言えなくなり、泣きながら去っていった。
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