いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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病人

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 11時頃まで2人で飲んで、帰る事にした。沢山話して、気分もスッキリだ!
 やっぱり、気を遣わない友達とおしゃべりするのってストレス発散になるし、元気になる!!内容は、ほとんど仕事の愚痴や、彼氏の愚痴なんだけどね。私は彼氏いないから、仕事や家族の愚痴だけど。

 遅くなっちゃった。帰る方向が逆なので居酒屋さんで別れて、酔い覚ましにバス停一つ分歩く事にした。
 少し人通りの少ない道を歩いていると、ヨロヨロと歩く人が前からやってきた。
 酔っ払いかなぁ……、関わらないようにしなきゃ。

 すれ違う直前に、バタンとその人が倒れた。

 えっ??

 さすがに無視するのは………。周りを見るけど、ちょーど誰もいない。車は通るけど、歩いている人が倒れた事には気付いてない。

「あ、あの……大丈夫ですか?」

 声をかけてみた。ぅうっ……と呻きながら、少し顔を上げる。

 あっ、運転手さんだ!!
「だ、大丈夫?」
「…………はぁはぁ……、ね、熱で………。」
「えっ?」
 おでこに手を当てると、かなり熱い。すぐそこにコンビニがあるから薬か何か買いに来たのかもしれない。
「しっかりして!!家は?家は近いの??」
「…はぁ…はぁ……。」
 苦しそうな息遣いのまま意識が朦朧としているのか、返事がない。
 どーしよう、どーしよう……。

 たまたまタクシーが通りかかるのを見て、咄嗟に手を挙げてタクシーを止めた。
 仕方ない、私の家まで連れて行こう。

 タクシー代を払ったら財布は空っぽになった………。

 家に着くと、タクシーの中で連絡を入れていたから、お母さんとお父さんが起きててくれて、布団を用意してくれていた。
 どこの誰かもわからないけど、高熱で倒れた人を放り出すわけにはいかない。お父さんさんが担いで、布団まで連れて行き、寝かす。
「急に病人を連れて帰る!なんて言うからびっくりした。」
「ご、ごめんね。」
「まぁ苦しんでる人を、無視するよりマシだな!」
「……はははは。」
「救急車呼ぶとか思いつかなかったの?」
「あっ…………なるほど。」
「まぁ陽菜らしいな!」
「あははははは。」

 家にある冷えピタを貼ったら、目を覚ました。
「……ここは?」
「あっ、私の家です。」
「えっ?」
「急に倒れたんですよ。びっくりしました。」
「そーか。迷惑をかけました。すみません。」
「それより、水分とれますか?」

 スポーツ飲料水を飲んで、楽なお父さんのパジャマに着替えてもらう。家にあった風邪薬を飲んでからゆっくり寝るように言う。
「夜中にご迷惑をおかけして、本当にすみません。」
 うちの両親に、謝りながらウトウトと寝てしまった。

 私も部屋に戻って、寝る。


 次の日、運転手さんはかなり元気になっていた。汗をかいてパジャマも着替えたから熱がかなり下がったようだ。

「本当にすみませんでした!!」
 うちの両親に謝っている。
「いいのよ。それより食べられるなら、お粥を作ったんだけど、どぅ?」
「はい、いただきます。」
「病院に行った方がいいんじゃないか?」
「昔から喉が弱くて、喉からの熱だと思います。明日、病院に行ってきます。」
「陽菜、確か近くの病院日曜もやってたよな?」
「うん、あそこは日曜開いてる!」
「陽菜、付き添って行ってやれ。」
「いや、そんな、そこまでご迷惑かけられません!!」
「いいよ、私今日暇だし。すぐそこだから。」
「で、でも。」
「そーよ、これも何かのご縁だわ、陽菜ついて行ってあげて。」
「わかった。」

 ご飯を食べ終わって、また改めてお礼に来るからと何度も頭を下げて私と病院に行く。
 
 保険証なども、ちゃんと財布に入ってて良かったぁ。
 一応、財布に一万円入れてきた。昨日空っぽになったから、何かあった時用に入れてきた。

 運転手さんは、ちゃんとお金もあり自分で薬代も払っていた。
 
 運転手さんの名前は、ヤマダ ルイと言うそうだ。漢字は山田流唯。
 ルイと聞いた時に、なーんかどこかで聞いたような気がすると思ったけど、ルイなんて珍しくないだろうし、同級生とかにいたのかも??
 ちなみに年齢は、私の2つ下らしい。問診表に書いてたのが見えてしまった。

 一応、お姉さんとして家まで送って行く事にした。
 また倒れたら大変だ。
「陽菜さん、大丈夫ですよ。」
「山田さん、また倒れたら困るから!!」
「いや、でも………。」
「それに、ご両親も心配してるかもしれないでしょ!」
「あっ、いや両親は、僕が小さい頃亡くなったから、一人暮らしです。」
「……ごめんなさい。」
「いえいえ、もう昔の事ですから。」
「とりあえず、絶対に送って行きます!!」

 タクシーに乗って家まで行く。私の職場の近くのアパートに暮らしていた。
「じゃあ、これで帰るね。」
「はい、ありがとうございました。また改めてお礼に伺います。」
「気にしないで!私が勝手に連れて帰ったんだし。」
「いえ、そーゆーわけには!!それに、この前バスでハンカチ落とした人ですよね?」
「そうです。あの時はありがとう。」
「いえ、そんな当たり前の事です。」
「じゃあ、またバスで。」
「はい。本当にお世話になりました。」

 山田さんがタクシー往復代を払ってくれてて、タクシーが待っててくれた。ありがたく家まで乗せてもらう。



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