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ある公立小学校で
四年生の場合(初回)
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二年生の「性教育」授業が行われていたのと同じころ、四年生のクラスでも行われようとしていた。
担任教師は教室に入ってくると、こう言った。
「今日は予定を変更して、特別授業を行います。ご存知の人もいるかもしれませんが、小学校で「性教育」が義務付けられることになりました。今日はその一回目です。まず、こちらを見てもらいます」
「今日は、「からだの変化」について学びます。男女とももちろんありますが、特に女子の場合が顕著です。その教材がありますので静かに見てください。質問などがありましたら、終わってから受け付けます」
担任はDVDをセットして、テレビを点ける。照明を落とす。
「成長記録」
と出てきた。
「これは、ある写真家が自分の娘の成長記録写真を誕生日ごとに撮ったものです。これを見ていくと、成長とともに体がどう変化していくかよくわかります」
初めに映ったのは、裸の女性。時間経過とともにおなかが少しずつ膨らんでいくのが分かった。やがて臨月を迎える。
股間をこちらに向けて声を上げる女性。出産の瞬間。やがて頭が出てくる。
どよめきが起きる。女性の股間なんてよく見たことがある小学生はまずいない。母親と一緒に入浴している場合でも、股間は陰毛の茂みで隠されているし、女子だって自分の股間や友人の股間をじっくり見たりはしないものである。
それが、テレビ画面に大写しになっているのだから、驚くのは当然と言える。
産声を上げて生まれてきたのは、女の赤ちゃん。沐浴の後すぐにバスタオルにくるまれて、母親に抱かれる。母親になった喜びを感じながら、胸を開いて乳を与える。
画面が切り替わる。
「一歳の誕生日」
「生後一年を記念して生まれた姿の写真を撮ることにしました」
テロップの後に、裸の女の子の写真が写った。
次に出たテロップは
「二歳の誕生日」
「私たち夫婦は決断した。毎年この子の誕生日に彼女の成長記録として裸の写真を撮っていくことにした」
写ったのは、裸の女の子。同じ子であることは一目瞭然。タイトルの「成長記録」の意味をようやく子供たちは理解した。
三歳、四歳、五歳・・・・年齢を増すごとに体は大きくなっていった。
そして十歳。テロップが入る。
「さすがに恥ずかしがる時期に入ったと思い、声をかけないでいたら、自分から「写真を撮ろう」と服を脱ぎだした。娘が自分からやめたいと言い出すまで、今後も成長記録の写真を撮り続けていくことを決める」
写真に誰しも分かる変化が起きる。
乳首の周辺が少し大きくなっている。
十二歳になると、股間の「割れ目」周辺にうっすらと毛が生え始めた。乳首周りだけでなく、胸全体がふくらみかけている。
テロップが入る。
「娘が初潮を迎えた」
そして十三歳。
「娘がブラジャーを着用」
映っている少女の股間は毛に覆われ、乳房も大人と変わらない大きさになった。食いつくように見ていた子供たちの間にどよめきが起きた。
「成長記録」ということを意識しているのか、思春期を迎えているのに両手をまっすぐ下ろして正面から撮った写真ばかりで、胸も股間も隠していない。
その後も誕生日ごとの裸の写真が映る。二十歳の時の写真はかなりの美人である。
やがて、
「娘が結婚することになった。恐らく今回が最後だろう」
とテロップが流れる。
次に、
「結婚式で、今まで撮って来た「成長記録」の写真を参列者に公開した。驚いていた人が多かったけど、娘は
「私の育った記録」と、平然としていた」
「それから数か月後娘は妊娠。こうして命は続いていく」
終
教師が照明を入れた。部屋が明るくなる。
「この作品は性教育として作られたものではありませんが、女の子のからだの変化について理解できたと思います。質問があれば授業が終わってから個別に職員室で受け付けます」
(作者注:内容の一部は拙作「成長記録」からの引用です)
担任教師は教室に入ってくると、こう言った。
「今日は予定を変更して、特別授業を行います。ご存知の人もいるかもしれませんが、小学校で「性教育」が義務付けられることになりました。今日はその一回目です。まず、こちらを見てもらいます」
「今日は、「からだの変化」について学びます。男女とももちろんありますが、特に女子の場合が顕著です。その教材がありますので静かに見てください。質問などがありましたら、終わってから受け付けます」
担任はDVDをセットして、テレビを点ける。照明を落とす。
「成長記録」
と出てきた。
「これは、ある写真家が自分の娘の成長記録写真を誕生日ごとに撮ったものです。これを見ていくと、成長とともに体がどう変化していくかよくわかります」
初めに映ったのは、裸の女性。時間経過とともにおなかが少しずつ膨らんでいくのが分かった。やがて臨月を迎える。
股間をこちらに向けて声を上げる女性。出産の瞬間。やがて頭が出てくる。
どよめきが起きる。女性の股間なんてよく見たことがある小学生はまずいない。母親と一緒に入浴している場合でも、股間は陰毛の茂みで隠されているし、女子だって自分の股間や友人の股間をじっくり見たりはしないものである。
それが、テレビ画面に大写しになっているのだから、驚くのは当然と言える。
産声を上げて生まれてきたのは、女の赤ちゃん。沐浴の後すぐにバスタオルにくるまれて、母親に抱かれる。母親になった喜びを感じながら、胸を開いて乳を与える。
画面が切り替わる。
「一歳の誕生日」
「生後一年を記念して生まれた姿の写真を撮ることにしました」
テロップの後に、裸の女の子の写真が写った。
次に出たテロップは
「二歳の誕生日」
「私たち夫婦は決断した。毎年この子の誕生日に彼女の成長記録として裸の写真を撮っていくことにした」
写ったのは、裸の女の子。同じ子であることは一目瞭然。タイトルの「成長記録」の意味をようやく子供たちは理解した。
三歳、四歳、五歳・・・・年齢を増すごとに体は大きくなっていった。
そして十歳。テロップが入る。
「さすがに恥ずかしがる時期に入ったと思い、声をかけないでいたら、自分から「写真を撮ろう」と服を脱ぎだした。娘が自分からやめたいと言い出すまで、今後も成長記録の写真を撮り続けていくことを決める」
写真に誰しも分かる変化が起きる。
乳首の周辺が少し大きくなっている。
十二歳になると、股間の「割れ目」周辺にうっすらと毛が生え始めた。乳首周りだけでなく、胸全体がふくらみかけている。
テロップが入る。
「娘が初潮を迎えた」
そして十三歳。
「娘がブラジャーを着用」
映っている少女の股間は毛に覆われ、乳房も大人と変わらない大きさになった。食いつくように見ていた子供たちの間にどよめきが起きた。
「成長記録」ということを意識しているのか、思春期を迎えているのに両手をまっすぐ下ろして正面から撮った写真ばかりで、胸も股間も隠していない。
その後も誕生日ごとの裸の写真が映る。二十歳の時の写真はかなりの美人である。
やがて、
「娘が結婚することになった。恐らく今回が最後だろう」
とテロップが流れる。
次に、
「結婚式で、今まで撮って来た「成長記録」の写真を参列者に公開した。驚いていた人が多かったけど、娘は
「私の育った記録」と、平然としていた」
「それから数か月後娘は妊娠。こうして命は続いていく」
終
教師が照明を入れた。部屋が明るくなる。
「この作品は性教育として作られたものではありませんが、女の子のからだの変化について理解できたと思います。質問があれば授業が終わってから個別に職員室で受け付けます」
(作者注:内容の一部は拙作「成長記録」からの引用です)
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