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ダンジョンではお気をつけて
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◎敵×勇者 / スライム、拘束
レベル上げをするためにダンジョンに入ったは良いが、そこで悲劇は起こってしまった……。
「スライムか。ま、最初はこんなもんだな」
「まずは俺からね!」
やる気満々のリオが先頭に立ち、呪文を唱える。
「ぐっ!?」
リオが得意の召喚技、マジックハンド。それは敵のスライムに向かっていくのではなく、進路を変えて俺の四肢をガッチリと拘束した。
「あれ?」
「あれ?じゃない!!俺を拘束してどうする!?早く戻せ!」
「えーと、これだっけ?」
「ひっ!?それちが……っ!」
また違う呪文を唱えるが微動だにしなかったマジックハンドが僅かだが動き出す。
「ふひゃっ!?ちょ、くすぐった……っ」
「あれー?違うな……じゃあこれだ!」
次の呪文で俺の体に異変が起きた。体の奥がじんわりと熱くなる感じ。
「なにっ……ん、く……っ!」
マジックハンドが俺の体をマッサージする様に揉むと、それに反応してゾクゾクと体がざわつく。
するとこちらの様子を窺っていたスライムが俺の方へズルズルと向かってきた。
「っ、来るんじゃねぇっ……!おいお前らも見てないで助けろ!」
「えー、だって──」
「これからが面白くなりそうだろ?」
仲間が言うセリフじゃねぇ……。
仲間の楽しそうな表情に項垂れていると、とうとうスライムが俺の足に触れた。
「ひっ!」
スライムが触れた瞬間、何の原理だか分からないが履いていた靴が溶けて消えていき、裸足になってしまう。
「気持ち悪っ……やっ……あはははは!」
ぬるぬるした感触と同時にスライムがぶるぶると振動し始めた。
「な、にこれ……っくすぐったぁっ!」
まるで人間の手のような形になり、土踏まずを撫でたり足の指の間をカリカリと引っ掻く。
「うひゃひゃひゃひゃ!!やめっ、くすぐったいぃいいい!!」
俺の叫びに全く動じる気配がなく、スライムは天辺を目指し這い上がってくる。
折角の強力な装備もスライムのせいで全部溶けてしまった。
「ひあぁっ……そこだめぇえええっはははははは!!」
太股を這っていたスライムが股関を避けて付け根の部分を優しく這い回る。
付け根の部分がこんなにもくすぐったくて堪らないなんて思ってもみなかった。
すると今度は腰辺りに上がって、完全に手の形となったスライムが指先を使ってこちょこちょとくすぐる。
「ひゃはははははは!!そこもらめぇえええ!!くしゅぐったっ……あははははは!」
このスライム達は一体何がしたいのか。普通のスライムとは違って麻痺させることもせず、ただくすぐってるだけだ。
今のスライムはこうやってくすぐって相手を弱らせるのか?
「あはははははは!!わきっ、脇はやらぁははははは!!」
どんどん上へいく手の形のスライムは、無防備に開いた脇にぴったりと吸い付く。
片方の脇は円を描くように撫でたり、もう片方は激しく窪みを引っ掻いていた。
「うぎゃっははははははは!!ひんじゃうっはははははは!!」
「よし!これだ!」
今まで散々俺の痴態を見ていたリオが呪文を唱え、スライムだけに電気を浴びせた。
といってもスライムは俺の体に引っ付いているので当然電気も俺に流れるわけで……。
「ひあぁっ──!!」
微量の電流が爪先まで行き届き、その刺激でびくびくと体が戦慄くと俺は不覚にもイッてしまった。
「はぁっ……はひ……ぃ……っ」
ようやくスライムは剥がれたが気分は最悪だった。あれだけくすぐられた挙げ句、電流でイッてしまうとはなんという屈辱。
「……勇者様」
「は……な、に……ひっ!?」
「まだ冒険を終わらせるには早いぜ?」
恍惚とした表情のリオ、トウマと野獣の目をしたマサヤが俺を囲んで見下ろしている。
その後俺がどんな目に遭ったのか、大体想像がつくだろう。
レベル上げをするためにダンジョンに入ったは良いが、そこで悲劇は起こってしまった……。
「スライムか。ま、最初はこんなもんだな」
「まずは俺からね!」
やる気満々のリオが先頭に立ち、呪文を唱える。
「ぐっ!?」
リオが得意の召喚技、マジックハンド。それは敵のスライムに向かっていくのではなく、進路を変えて俺の四肢をガッチリと拘束した。
「あれ?」
「あれ?じゃない!!俺を拘束してどうする!?早く戻せ!」
「えーと、これだっけ?」
「ひっ!?それちが……っ!」
また違う呪文を唱えるが微動だにしなかったマジックハンドが僅かだが動き出す。
「ふひゃっ!?ちょ、くすぐった……っ」
「あれー?違うな……じゃあこれだ!」
次の呪文で俺の体に異変が起きた。体の奥がじんわりと熱くなる感じ。
「なにっ……ん、く……っ!」
マジックハンドが俺の体をマッサージする様に揉むと、それに反応してゾクゾクと体がざわつく。
するとこちらの様子を窺っていたスライムが俺の方へズルズルと向かってきた。
「っ、来るんじゃねぇっ……!おいお前らも見てないで助けろ!」
「えー、だって──」
「これからが面白くなりそうだろ?」
仲間が言うセリフじゃねぇ……。
仲間の楽しそうな表情に項垂れていると、とうとうスライムが俺の足に触れた。
「ひっ!」
スライムが触れた瞬間、何の原理だか分からないが履いていた靴が溶けて消えていき、裸足になってしまう。
「気持ち悪っ……やっ……あはははは!」
ぬるぬるした感触と同時にスライムがぶるぶると振動し始めた。
「な、にこれ……っくすぐったぁっ!」
まるで人間の手のような形になり、土踏まずを撫でたり足の指の間をカリカリと引っ掻く。
「うひゃひゃひゃひゃ!!やめっ、くすぐったいぃいいい!!」
俺の叫びに全く動じる気配がなく、スライムは天辺を目指し這い上がってくる。
折角の強力な装備もスライムのせいで全部溶けてしまった。
「ひあぁっ……そこだめぇえええっはははははは!!」
太股を這っていたスライムが股関を避けて付け根の部分を優しく這い回る。
付け根の部分がこんなにもくすぐったくて堪らないなんて思ってもみなかった。
すると今度は腰辺りに上がって、完全に手の形となったスライムが指先を使ってこちょこちょとくすぐる。
「ひゃはははははは!!そこもらめぇえええ!!くしゅぐったっ……あははははは!」
このスライム達は一体何がしたいのか。普通のスライムとは違って麻痺させることもせず、ただくすぐってるだけだ。
今のスライムはこうやってくすぐって相手を弱らせるのか?
「あはははははは!!わきっ、脇はやらぁははははは!!」
どんどん上へいく手の形のスライムは、無防備に開いた脇にぴったりと吸い付く。
片方の脇は円を描くように撫でたり、もう片方は激しく窪みを引っ掻いていた。
「うぎゃっははははははは!!ひんじゃうっはははははは!!」
「よし!これだ!」
今まで散々俺の痴態を見ていたリオが呪文を唱え、スライムだけに電気を浴びせた。
といってもスライムは俺の体に引っ付いているので当然電気も俺に流れるわけで……。
「ひあぁっ──!!」
微量の電流が爪先まで行き届き、その刺激でびくびくと体が戦慄くと俺は不覚にもイッてしまった。
「はぁっ……はひ……ぃ……っ」
ようやくスライムは剥がれたが気分は最悪だった。あれだけくすぐられた挙げ句、電流でイッてしまうとはなんという屈辱。
「……勇者様」
「は……な、に……ひっ!?」
「まだ冒険を終わらせるには早いぜ?」
恍惚とした表情のリオ、トウマと野獣の目をしたマサヤが俺を囲んで見下ろしている。
その後俺がどんな目に遭ったのか、大体想像がつくだろう。
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