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触らぬ仲間に反撃なし
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◎戦士×勇者 / 複数、拘束
俺は思った。
くすぐりが弱いのは自分だけなはずがないと。
脇の下や脇腹をくすぐられたら誰だって笑ってしまうはずだ。それが俺中心にやられてるだけだから、自分だけがくすぐりに弱いと錯覚させられてしまうのだ。
まずは誰に試すか……おっ、丁度マサヤが本を読んでるぞ。
俺は後ろからそーっと近づくと、ガラ空きだった脇腹を両サイドから突っついた。
するとどうだろう。いつも俺をあれだけくすぐっといて、マサヤも突然の刺激にビクッと体を揺らした。
これは効果アリか!?
俺はすかさず十指を使って脇腹をくすぐった。
「こちょこちょこちょこちょー!」
「……」
あ、あれ?
「こちょこちょ……」
「何してんだよ、勇者」
「ま、マサヤくすぐったくないのか?」
「全然。俺くすぐり強ぇし」
俺の方を振り返ったマサヤの顔に嘘はなかった。むしろ勝ち誇ってるような、そんな表情だ。
ていうか、なんか嫌な予感が……。
「……なぁ、不意打ちで仲間を攻撃するってことはどういうことか、頭の良い勇者なら分かるよな?」
「あ、いや、その……すみませんでした……!」
「謝ってももう遅い」
瞬時に分身し、マサヤが3人になると俺を大の字に寝転がせて拘束し始める。
お前もか……!
「今回は手加減するつもりねーから覚悟しろよ?」
「ひっ!あはははははははぁっ!」
最初から激しいくすぐりが俺の体に襲いかかった。
脇の窪みはガリガリと引っ掻き、脇腹はぐにぐにと揉まれ、太股は指先でこちょこちょとくすぐられる。
「ひゃははははははは!!ひゃめへぇええ!!くすぐったすぎぃいいいはははははははっ!!」
もはや呂律なんて回らない。
紐で縛られた四肢がギシギシと音を立て、虚しく部屋に響く。
マサヤのくすぐり方はトウマとリオよりもねちっこく、加減を知りつつも手加減は一切無かった。
「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!息がっ、息ができないっひひひひひひ!!」
「ほら、こことかも弱いだろ?」
「うひぃっ!?あああぁあっ!そこだめぇっくしゅぐったぃいい!!」
下半身にいたマサヤが足の付け根を指でマッサージするように上下に指圧するとくすぐったさが倍増し、腰を左右に振って必死に逃げようとする。
だがそんなのは全く無駄で、只々体力が無くなっていく一方だ。
「あははははははははっ!おねがっ……そこは止めてぇっ!!」
「ならちゃんと誠意を込めて謝らなきゃなぁ?どうやって謝れば良いんだっけ?」
「くふふふふふ!仲間をっ、攻撃してごめんにゃさっあひゃひゃひゃひゃ!!」
最後まで言い切る前に優しかったくすぐりが一変して激しくなった。
俺は声を抑えることも出来ずに口を大きく開け、笑いが止まらない。
「ちゃんと誠意を見せろっつってんのになんだよその態度は?」
「ひゃはははははは……ッごめ、」
「お仕置きで分からせてやらないと駄目だな?自分の立場ってやつを」
「っ!ごめんなさっ、やははははは!!」
マサヤに懇願するが聞き入れてはくれず、3人のマサヤは俺の弱点を執拗にくすぐる。
「やぁははははははッ…!それやらぁあっ!もうっ、らめぇえっ!」
もう限界が近い。頭の中がスパークしてなにも考えられない。
そして俺はビクビクと全身を痙攣させて気を失った。
「ホント、飽きねぇな」
気絶した俺には、マサヤ達の不敵な笑みを見ることは出来なかった。
──目を覚ました時、俺は微かな可能性を期待するのは止めにしようと心に誓った。
俺は思った。
くすぐりが弱いのは自分だけなはずがないと。
脇の下や脇腹をくすぐられたら誰だって笑ってしまうはずだ。それが俺中心にやられてるだけだから、自分だけがくすぐりに弱いと錯覚させられてしまうのだ。
まずは誰に試すか……おっ、丁度マサヤが本を読んでるぞ。
俺は後ろからそーっと近づくと、ガラ空きだった脇腹を両サイドから突っついた。
するとどうだろう。いつも俺をあれだけくすぐっといて、マサヤも突然の刺激にビクッと体を揺らした。
これは効果アリか!?
俺はすかさず十指を使って脇腹をくすぐった。
「こちょこちょこちょこちょー!」
「……」
あ、あれ?
「こちょこちょ……」
「何してんだよ、勇者」
「ま、マサヤくすぐったくないのか?」
「全然。俺くすぐり強ぇし」
俺の方を振り返ったマサヤの顔に嘘はなかった。むしろ勝ち誇ってるような、そんな表情だ。
ていうか、なんか嫌な予感が……。
「……なぁ、不意打ちで仲間を攻撃するってことはどういうことか、頭の良い勇者なら分かるよな?」
「あ、いや、その……すみませんでした……!」
「謝ってももう遅い」
瞬時に分身し、マサヤが3人になると俺を大の字に寝転がせて拘束し始める。
お前もか……!
「今回は手加減するつもりねーから覚悟しろよ?」
「ひっ!あはははははははぁっ!」
最初から激しいくすぐりが俺の体に襲いかかった。
脇の窪みはガリガリと引っ掻き、脇腹はぐにぐにと揉まれ、太股は指先でこちょこちょとくすぐられる。
「ひゃははははははは!!ひゃめへぇええ!!くすぐったすぎぃいいいはははははははっ!!」
もはや呂律なんて回らない。
紐で縛られた四肢がギシギシと音を立て、虚しく部屋に響く。
マサヤのくすぐり方はトウマとリオよりもねちっこく、加減を知りつつも手加減は一切無かった。
「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!息がっ、息ができないっひひひひひひ!!」
「ほら、こことかも弱いだろ?」
「うひぃっ!?あああぁあっ!そこだめぇっくしゅぐったぃいい!!」
下半身にいたマサヤが足の付け根を指でマッサージするように上下に指圧するとくすぐったさが倍増し、腰を左右に振って必死に逃げようとする。
だがそんなのは全く無駄で、只々体力が無くなっていく一方だ。
「あははははははははっ!おねがっ……そこは止めてぇっ!!」
「ならちゃんと誠意を込めて謝らなきゃなぁ?どうやって謝れば良いんだっけ?」
「くふふふふふ!仲間をっ、攻撃してごめんにゃさっあひゃひゃひゃひゃ!!」
最後まで言い切る前に優しかったくすぐりが一変して激しくなった。
俺は声を抑えることも出来ずに口を大きく開け、笑いが止まらない。
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「ひゃはははははは……ッごめ、」
「お仕置きで分からせてやらないと駄目だな?自分の立場ってやつを」
「っ!ごめんなさっ、やははははは!!」
マサヤに懇願するが聞き入れてはくれず、3人のマサヤは俺の弱点を執拗にくすぐる。
「やぁははははははッ…!それやらぁあっ!もうっ、らめぇえっ!」
もう限界が近い。頭の中がスパークしてなにも考えられない。
そして俺はビクビクと全身を痙攣させて気を失った。
「ホント、飽きねぇな」
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──目を覚ました時、俺は微かな可能性を期待するのは止めにしようと心に誓った。
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