至高のパーティー

りん

文字の大きさ
5 / 8

触らぬ仲間に反撃なし

しおりを挟む
◎戦士×勇者 / 複数、拘束





俺は思った。

くすぐりが弱いのは自分だけなはずがないと。

脇の下や脇腹をくすぐられたら誰だって笑ってしまうはずだ。それが俺中心にやられてるだけだから、自分だけがくすぐりに弱いと錯覚させられてしまうのだ。

まずは誰に試すか……おっ、丁度マサヤが本を読んでるぞ。

俺は後ろからそーっと近づくと、ガラ空きだった脇腹を両サイドから突っついた。

するとどうだろう。いつも俺をあれだけくすぐっといて、マサヤも突然の刺激にビクッと体を揺らした。

これは効果アリか!?

俺はすかさず十指を使って脇腹をくすぐった。


「こちょこちょこちょこちょー!」

「……」


あ、あれ?


「こちょこちょ……」

「何してんだよ、勇者」

「ま、マサヤくすぐったくないのか?」

「全然。俺くすぐり強ぇし」


俺の方を振り返ったマサヤの顔に嘘はなかった。むしろ勝ち誇ってるような、そんな表情だ。

ていうか、なんか嫌な予感が……。


「……なぁ、不意打ちで仲間を攻撃するってことはどういうことか、頭の良い勇者なら分かるよな?」

「あ、いや、その……すみませんでした……!」

「謝ってももう遅い」


瞬時に分身し、マサヤが3人になると俺を大の字に寝転がせて拘束し始める。

お前もか……!


「今回は手加減するつもりねーから覚悟しろよ?」

「ひっ!あはははははははぁっ!」


最初から激しいくすぐりが俺の体に襲いかかった。

脇の窪みはガリガリと引っ掻き、脇腹はぐにぐにと揉まれ、太股は指先でこちょこちょとくすぐられる。


「ひゃははははははは!!ひゃめへぇええ!!くすぐったすぎぃいいいはははははははっ!!」


もはや呂律なんて回らない。
紐で縛られた四肢がギシギシと音を立て、虚しく部屋に響く。

マサヤのくすぐり方はトウマとリオよりもねちっこく、加減を知りつつも手加減は一切無かった。


「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!息がっ、息ができないっひひひひひひ!!」

「ほら、こことかも弱いだろ?」

「うひぃっ!?あああぁあっ!そこだめぇっくしゅぐったぃいい!!」


下半身にいたマサヤが足の付け根を指でマッサージするように上下に指圧するとくすぐったさが倍増し、腰を左右に振って必死に逃げようとする。


だがそんなのは全く無駄で、只々体力が無くなっていく一方だ。


「あははははははははっ!おねがっ……そこは止めてぇっ!!」

「ならちゃんと誠意を込めて謝らなきゃなぁ?どうやって謝れば良いんだっけ?」

「くふふふふふ!仲間をっ、攻撃してごめんにゃさっあひゃひゃひゃひゃ!!」


最後まで言い切る前に優しかったくすぐりが一変して激しくなった。

俺は声を抑えることも出来ずに口を大きく開け、笑いが止まらない。


「ちゃんと誠意を見せろっつってんのになんだよその態度は?」

「ひゃはははははは……ッごめ、」

「お仕置きで分からせてやらないと駄目だな?自分の立場ってやつを」

「っ!ごめんなさっ、やははははは!!」


マサヤに懇願するが聞き入れてはくれず、3人のマサヤは俺の弱点を執拗にくすぐる。


「やぁははははははッ…!それやらぁあっ!もうっ、らめぇえっ!」


もう限界が近い。頭の中がスパークしてなにも考えられない。

そして俺はビクビクと全身を痙攣させて気を失った。


「ホント、飽きねぇな」


気絶した俺には、マサヤ達の不敵な笑みを見ることは出来なかった。




──目を覚ました時、俺は微かな可能性を期待するのは止めにしようと心に誓った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 1000 Thank_You!!

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...