ハイスペック隠れ腐女子が異世界に転生しました。~二度目の人生全力で楽しみます!~

なーさん

文字の大きさ
67 / 84
第2章この度、学生になりました。

25*【ジョー目線】

しおりを挟む

【ジョー目線】

「はぁ‥‥」

自分の部屋のベッドに身を投げて布団に顔を埋める。
泣きたいのに。まだ現実味がなくて泣けないでいる。

「俺、振られたんだよなぁ。」

深く深呼吸をして目を閉じるとさっきの不安そうなチャコを思い出す。

分かってた。
心のどこかで、チャコは俺の事を友達以上には見てないって。
でも、初恋を諦める事ができなくてどこまでも追いかけてた。ディナンが連絡が来ないって悩んでてもやっと俺だけのチャコになった気がしてわざと放っておいたんだ。チャコから俺にだけ連絡来る事も、会いに行けることも優越感でディナンと関わらないチャコが嬉しかったんだ。そんな意地悪な俺なんてチャコが好きになるわけないのに。

何年たってもディナンは一途にチャコの事を思ってて、結局チャコもディナンのことを好きになった。これは決まってた事のように二人が惹かれ合うのを感じながら見ないようにしてた。

チャコには、俺の想いは負担だっただろう。
昔、ディナンと初めてあった時からチャコがディナンに惹かれてるのも分かってても見ないふりして。いつか、俺の事だけ見てくれるんじゃないかってあり得ない期待を押し付けた。

多分、チャコはいま泣いてるんだろうな。

チャコが泣いてる時、チャコが落ち込んでる時はいつもそばにいたけど‥‥

「俺が原因じゃ隣にいる事も出来ねーな。」

コンコン

不意に扉をノックされて肩が跳ねた。

「‥‥はい。」

「失礼します。」

ガチャ

入ってきたのはウチの執事だ。頼んでもないのに何かトレーを持っている。
不思議そうに見ていたのに気付いたのか執事は柔らかく笑って説明してくれた。

「坊ちゃん、熱があると伺ったので軽食とお薬をお持ちしました。」

「熱?」

そういえば体が熱い気がするけど‥‥帰ってきてから熱なんか測ってないが‥‥

「はい。エヴァンス家の従者から連絡が来まして。お昼も食べてないようだから少し食べてから薬を飲ますようにと。チャコ様から伝えるように言われたようです。」

チャコ‥‥。

「あぁ。わかった。机に置いておいてくれ。」

「畏まりました。」

執事はトレーを机に置くと静かに部屋を出て行った。
トレーの上を見ると

「ゼリーにツナサンド‥‥はは。ほんと、チャコはお節介すぎる‥‥。」

俺の好物を出すように言ってみんな気付かなかった体調の変化まで気付いて‥‥。

「‥‥うま。」

チャコが作ってくれたヤツには及ばないけど。

例え、チャコが誰かのものになったとしても一番の友達は俺がいい。いつもそばにいられるように。大好きで仕方ないけど、チャコの為なら諦める。それがチャコが幸せになるなら‥‥

サンドウィッチとゼリーを食べてる間だけ少しだけ泣いた。
これを食べ終わったらちゃんと気持ちに区切りをつけるって言い聞かせながら。


◇◆◇◆◇◆


次の日、体調は回復した。よく寝たし、よく食べたし調子がいい。

「よし、行くか。」

パチンと自分で自分の頬を叩いて気合を入れた。
大丈夫。ちゃんと普通に出来る。俺は、チャコを祝福できる。うん。平気だ。

自分に言い聞かせて車から降りた。
教室に行くと、もうチャコもディナンも来ていた。

「あ、ジョー!もう、大丈夫なの?」

チャコが俺に気付いて走ってこちらに来た。
これだけで嬉しく思う俺はまだチャコを好きなのをやめれていない証拠だな。
でも、もうチャコを応援すると決めたんだ。諦めるって決めたんだ。いつもなら抱き締めて喜ぶけどもう、しないぞ!

「う、うん。もう平気。熱が出てるって連絡してくれてありがとうね。」

「うん。良かった。元気になって‥‥」

「チャコ!ほら、席に座ろう?」

本当に嬉しそうにするもんだからいつもみたいに触りたくなってしまう。
うぅ。我慢我慢。

いつも通り、チャコは俺の隣に座った。でも、この席順ってディナンが座りたいのを俺が取ってたんだよな。俺が隣に座るよりも、ディナンに譲ったらチャコも喜ぶんじゃないか?

「ディナン。」

「ジョー、おはよう。」

王子スマイルで挨拶された。

「おはよう。ディナン。今日、席変わってくれないか?」

「え?なんで?」

いつもは死守するのに何を企んでる?‥‥と言いたそうな顔をされた。まぁ、そう思うよな。まだディナンには振られたこと言ってないし。

「最近目が悪くなって来たから前に座りたいんだ。いいか?」

「‥‥いいけど。」

王子を移動させるなんて不躾にも程があるがまぁ、気にするような奴じゃないし。
ディナンは初めてのチャコの隣で嬉しいだろうからいいだろう。

ディナンが座っていた席に座って読みかけの本を出した。

「あら、今日はチャコに絡みにいきませんのね?」

リリにも不思議そうに聞いて来た。
・・・まぁ、いつもならな。でも、それをしてもチャコは困るだけだろうから。これからは自重しようと思う。とは言えず取り敢えず愛想笑いだけ返しておいた。

チラリと見たチャコは少しだけ元気がないような気もするけどディナンがフォローするだろう。





「ジョー。ちょっと、いいか?」

午前中の授業が終わり、食堂に行くと途中ディナンに呼び止められた

「ん?あぁ。チャコ、リリ。先に行ってて。」

「わかったー。」

二人に見送られてディナンについて行くといつもの空き教室に連れてこられた。

「お前、今日どうしたんだ?」

「え?」

「今日のジョー、明らかにおかしいだろ。チャコと何かあったのか?チャコもなんだか元気ないし‥‥喧嘩したんなら二人でちゃんと話し合って仲直りしろよ?」

お前がそれを言うか。っても。たしかに朝からあからさま過ぎたか?でも、今まで通りなんてチャコにとっちゃ迷惑以外の何者でもないしな‥‥どう接していいのかわからないんだから仕方がないじゃないか。

「ジョー?」

「え?あぁ。いや、喧嘩なんかしてないよ。ごめん、気を使わせて。」

「それは別にいいんだが‥‥。本当に、何かあったんじゃないのか?」

「‥‥‥‥ふられた。」

「え?」

「だから、振られたの!だから今まで通りなんて無理なの!」

「え?でも、昔から好きだった人がいるって‥‥」

「でも、それは俺じゃない。俺は昨日、はっきりと振られたからな。」

何回も言わすなよ。とちょっとイラっとしながらもディナンには伝える。
こいつ、チャコにそこまで言わせておいてまだ気付かないとか鈍感すぎねーか?

「そ、そうか‥‥‥‥でも。」

「ん?」

「友達は、友達なんだろう?」

「あぁ。もちろん。でも今は‥‥友達の距離感がわからないから‥‥ちょっとギクシャクしちゃうかも。」

「そうなのか‥‥。」

「だから、もう少し慣れるまで我慢してくれ。」

「あぁ。」

「あと‥‥チャコにそこまでヒント出されてるんなら、もっと真剣に考えろよ。少なくとも、チャコの好きなやつは俺じゃないから。」

「あ、あぁ‥‥そうなると‥‥他の候補はだれだ?‥‥うーーん。」

あ、こいつ本当に、自分の事は数に入れねぇんだな。
まぁ、これ以上俺も協力する気もないけど。

「話がこれだけなら、食堂行こう?俺は腹が減った。」

「そうだな。」

そうして俺たちは空き教室から出て食堂へ向かった。


しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

処理中です...