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第2章この度、学生になりました。
28*妄想が止まらないのです。
しおりを挟む※少し‥‥いや、かなり?腐った部分があります。お気を付け下さい。
「リリ!めちゃくちゃ良き設定を思いついてしまってね!これ、一気に書いたの!!読んでっ!」
朝、リリが教室に入って来たと同時に昨日徹夜で書いた小説のノートを渡します。
「えぇ!朝からなんと素敵な事をしてくれるの、チャコ!うん!すぐに読むね!!」
「うんっ!!」
寝てないからか、テンションが少し壊れ気味でも、引かずに相手してくれるリリはとても大切なお友達です。
リリは、最初の2ページを読むとプルプルと顔を真っ赤にしながら此方を向きました。
「‥‥チャコ、なんですの。」
なんだか、リリがすごく低い声で問いかけて来ました。
「え?ルームシェア系良くない?」
この世界にルームシェアという概念があるかは知りませんから、同棲ものって受け入れられるかが謎でしたが、リリにはあまり合わなかったですかね‥‥?少し、現代風に描きすぎましたかね‥‥?一応、下町の4人っていう設定にはしたんですが‥‥
「いいってものじゃないですわ!!最高すぎます!!何この天国!!私、この家のダイニングテーブルになりたい!!」
ダメなのかと思ったら、良すぎてリアクションがちぐはぐになっていただけでした。うんうん。よかった!私も、リリの変態発言と同じ気持ちなので熱弁します。
「わかるっ!!わかるよ!!!ダイニングテーブルだったら、みんなで和気藹々とご飯食べてる時とか、勉強してる時とか、喧嘩して冷静に話し合いする時とか‥‥はたまた、ベッドまで待てなくて致しちゃう時とか‥‥!!近くで、使われて見ていたいっ!!!」
「テーブルに座らせての攻めも、力なく立たせての攻めも、ちょうど良い高さ、角度でサポートしますわ!!!」
リリは、もうテーブルの気持ちのようです。
うんうん。ダイニングテーブルもいいけど、ローテーブルもいいよね。まぁ、この世界で見た事ないから言わないですけど。四つん這いにさせて後ろから‥‥とかも、萌えます!!おっと。他の人が此方に注目しだしました。危ない危ない。
私とリリの妄想が止まらないので、ここで盗聴防止の結晶石を使ってこのルームシェアの妄想を繰り広げます。
「んねっ!!ソファーでもいいけど、嫉妬して今すぐ虐めたいっって時とかに‥‥
『だ、め‥‥みんな帰って来ちゃうっ!ひゃ!A、痛、い‥‥っ』
テーブルに押し付けられて、Aに無理矢理ズボンを下された。Aは性急に僕の後ろをいじってAのを入れて来た。少し痛いが、Aは御構い無しだ。
『ほら、息吐けよ。っても、中は嫌じゃないみたいだぞ?何時もよりも締めてんのはBだろ?ほら、奥がこんなにヒクヒクしてる‥‥』
Aが意地悪そうに奥を突いてくる。僕は押し寄せる気持ち良さに背中を仰け反らせた。
『グリグリしないでぇ‥‥あ‥‥っ!!』
『あれ?もうイッたの?あぁあ。これだと、これからここで飯食うたびに思い出しちゃうね。みんなが使うこんな事したの‥‥はは。』
Aが、僕の弱いところを執拗に攻めてくる。
抗いたいのに、僕の体を知り尽くしているAに敵うわけがなくて‥‥
『い‥‥じわるっ!』
精一杯の睨みと、悪口を言った。
だけど、Aはそんなのは構うこともせずに‥‥いや、先程よりも強く腰を打ち付けて来た。
『俺を嫉妬させるのが悪い‥‥だろ!』
『やあ‥‥っ!ご、ごめ‥‥』
もう、気持ち良くてグチャグチャな気持ちが怖くて涙が出てくる。
Aは、溢れた涙を見て、後ろから攻めていたのを前向きに抱き直して涙の跡に軽くキスをくれた。
『はっ。可愛い‥‥』
チュッチュと顔中にキスの雨が降って来て、最後に唇を塞がれる。
『Aぇ~‥‥』
長い口付けのあと、俺は入っているのに動かないのがもどかしくて自ら腰をくねらせて僕がおねだりするとAは嬉しそうに笑うんだ。
『わかったよ、ほら‥‥一緒にイこう。』
・・・・・・なんてっ!!!素敵すぎるっ!!!」
「やばい、鼻血が出ましたわ‥‥」
「わわ!!朝からこれは強烈すぎたね!ごめんごめん。」
「いえ、この傑作がいち早く見れて私は誰よりも幸せ者ですわ‥‥!」
「あはは」
リリと、腐った会話をしていると、ジョーとディナンが一緒に教室に入ってくるのが見えました。リリとは、お昼にまた話す事を約束して盗聴防止の結晶石は閉まいます。
「おはよう、ジョー!ディナン!」
「おはよう、チャコ。」
「あぁ、おはよう。」
ジョーもディナンも挨拶を返してくれて、ホッとしたが、ジョーは昨日と同じ斜め前の席に座りました。ディナンは、呆れたような顔をしつつ、私の隣に座ってくれます。なんだか、気を遣わせて閉まって申し訳ない気持ちが湧いて来ます。
「ゴメンね、隣に座らせちゃって‥‥」
ディナンにコソッと話しかけると、
「私はいいんだ。チャコの隣は心地いいから。ただ‥‥ジョーはいつまで意地を張っているんだか‥‥。」
「‥‥私が悪いの。だから、気にしないで。ちょっと寂しいけど、仕方ない事だから‥‥」
「‥‥あぁ。」
その後は、先生が教室に入って来て授業を始めました。
◇◆◇◆◇◆
放課後、フィン様に呼ばれていつも通りの東屋に来た。
「いや~呼んじゃってゴメンねぇ。」
「いえ、私、まだ出来てなくて‥‥」
「いや、いいよ!何か作るのって時間かかるもんだから。」
「さすが、よくわかっていらっしゃる‥‥。まぁ、私、なに書いてないわけじゃないんですよ?ただね、文字に起こすのがむずかしくて‥‥」
ゴニョゴニョと言い訳を言っていると、フィン様は楽しそうに笑い出しました。
「そうなんだ。じゃあ、どのくらい進んでるの?」
「えっと‥‥まだ、構想‥‥。」
「ハハハ。懐かしい!俺も良く、締め切りのギリギリになって友達にまだネームとか言ってたわ。」
「たしかに!ネームからが大変なんですよね!私、よくコス‥‥ゴホン。自分で服作ったりしていたんですけど、良くまだ生地~って嘆いてる事多かったです。」
コスの話って分からないように少し濁しつつ話します。
「っ!」
「フィン様?どうかしたんですか?」
フィン様は、何か不思議な顔で首を摩りつつこちらを向いてニヤッと笑いました。
・・・なんか、いつもの笑顔よりも黒い‥‥?
「いや、なんでもないよ。自分で服作りとか凄いね!じゃあ、こっちに来てからも何か作ったりしてるの?」
普通の話に戻ってホッとしつつ、フィン様の様子は伺います。
「はい!ドレスは流石に無理ですけど、下町用の服とかは自分で作ったりしますよ!あと、カバンとか!簡単なやつだけですけどね。」
「そっか~。あぁ~本当、チャコちゃんと話してると楽しいな。いつまででもこうしていられちゃう。」
「そうですか?有難う御座います!」
「・・・はぁぁぁ。」
一回、大きくうな垂れるように息を吐き終わるとフィン様はこちらを向きました。
「チャコちゃん。」
「はい?」
何を言われるのか身構えて返事をしました。
「俺とさ‥‥付き合わない?」
「へ?何処にですか?」
「いや、何処‥‥じゃなくて、恋人にならないか?って意味で。」
言われた意味がわからないくて、分かっていてもいきなりなんでそうなったのかがよく分からなくて茶化してしまいました。‥‥だって、絶対にフィン様は私の事、『前世仲間』としか思ってないの分かってるのに何故いきなりそういう話になるのか。よく分かりません。
「あぁ!いやいや、なに言ってんですか。私よりもいい女の人はごまんといますよ。」
「でも、こんなに一緒にいてリラックス出来て楽しいのはチャコちゃんだけかも。」
「ふふ。それは、まだ出会ってないからですよ。」
体良く断ろうとしても、ぐいぐいとフィン様はきます。
・・・こんな人だったけ?結構、黒い人だから、勝てる勝負しかしない人って思ってたんだけど、そうじゃなかったんですかね?
「チャコちゃん。俺、本気だよ。チャコちゃんと恋人になりたい。ずっと、一緒にいたいって思うようになったんだ。」
手を握られて、切なそうに言われます。
声がとてもいいのに、ときめかないのは何故?
「‥‥それなら、私は別に好きな方がいるのでお断りしますわ。」
「‥‥誰?」
はっきり、きっぱりと言った方がいいと判断して、断るといつもよりも数段低い声が帰って来ました。その雰囲気に少し、恐怖を覚えますが、感情を表には出さず平常心を装いました。
「それは、言う必要ないでしょう?」
「‥‥ディナン殿下なら無理だと思うよ。」
「‥‥‥‥え?」
『好きな人』を言い当てられて、反応が遅れてしまいました。
それを知ってか知らずか、フィン様は東屋から見える窓を指さします。
「だって、ほら。」
「‥‥‥‥‥‥っ。」
そこから見えたのは、窓際でディナンとハンナ様が抱き合っている場面でした。
私は、一体何が起きているのか分からずその窓を凝視しました。
「ね?」
勝ち誇ったようにニヤリと笑ったフィン様に鳥肌が立ちます。
そのフィン様が、私の指先にキスをしました。
「っ!い、いや!」
手を払ってフィン様を睨み付けますがあまり効いてないようです。
「‥‥まぁ、今すぐにとは言わないよ。でも、ハンナ様も狙っているようだし、はっきり言ってチャコちゃんに勝ち目はない気がするけどなぁ?」
「それでも、私は自分の好きな方じゃないと嫌です!」
やっぱり、フィン様、今日おかしい?なんだか‥‥声が無機質と言うか‥‥でも、確証はないし‥‥そう思ってフィンをまじまじ観察していると、先ほど痛がっていた首が少し紫に変化しているのが分かりました。
「まぁ、その勝気なところも好きだよ。」
フィン様は、今日は諦めたのかニコッと笑って立ちました。
「‥‥フィン様?」
「じゃあ、またね。チャコちゃん。」
なんだか、動きも鈍いような‥‥?
少し心配になり声を掛けましたが、フィン様は何事もなかったかのように手を振って帰られてしまいました。
「・・・明日、リリに相談しよう。」
私はもう一度さっきディナン達が抱き合っていた窓を見ましたが、今は誰も居ませんでした。
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