ハイスペック隠れ腐女子が異世界に転生しました。~二度目の人生全力で楽しみます!~

なーさん

文字の大きさ
73 / 84
第2章この度、学生になりました。

31*【ディナン目線】

しおりを挟む


・・・チャコと、両想いになった。

「信じられないな‥‥まさか、チャコも私の事を‥‥」

夜、自室のベッドの上で今日あった事を思い返す。
いつも通りの日になるはずだった。

「‥‥だめだ、顔がにやけてしまう。」

チャコの事を家まで送って別れた後から顔が緩みっぱなしだ。思い出すとすぐに頬が上がってしまう。そんな私をアルバートは、生暖かい目で見てくれているので何があったかは何処かで見ていたんだと思う。

「あぁ‥‥明日にならなければチャコに会えないのか‥‥」

たったの数時間というのにとても長く感じてしまう。
連絡石で連絡してしまおうか、いや、また母上にバレたらまためんどくさい事になるかもしれない。そう思うと安易に連絡を取る事が出来なくなってしまった。幼少の頃は何も考えず、寝る時間ギリギリまで話していたり、一緒に寝落ちてしまったりしたものだが‥‥

あの頃に戻りたいな‥‥。
歳を重ねるごとに嫌な柵が増えて行く。
今日は辞めておくか‥‥?いや、でも少しでもチャコの声を聞きたいな‥‥。

そうチャコ用の連絡石を見つめて数十分。
連絡石が光った。

「ちゃ、チャコ!?」

『あ、もしもし?ディナン?え、出るの早‥‥』

思わず連絡石に飛びついてすぐに出たものだからきっとチャコも驚いたのだろう。‥‥引かれてないか?大丈夫だよな?あぁーー失敗した‥‥もう少し余裕を持ちたいんだがな‥‥

「ちょ、ちょうど、私もチャコに連絡しようとしていた所だったから‥‥」

『そうなの?ふふ。すごい偶然だね。』

「そうだな、声が聞けて嬉しい。」

チャコの飾らない笑い声を聞いて胸が暖かくなる。
チャコの声は本当に落ち着かせてくれて薬のようだ。

『私も、ディナンの声が聞きたかっただけで‥‥用事とか特にないんだけど‥‥』

なんて可愛い事を言うんだろうか、私のチャコは‥‥!

「そうか!チャコも同じ事を思ってくれてたんだな。ならもっと早く、私からかければよかったな。」

『ふふ。』

「あの、さ。」

『なに?』

「すぐにでも、父上に謁見をしてチャコとの婚約を了承してもらいたいんだが、いいかな‥‥?」

『え、もう?』

「善は急げと言うし、私もいつまでも婚約者が居ないとなるとまた誰かを当てられてしまっては困るし、なにより‥‥」

『なにより?』

「正式にチャコの隣にいていいと言う『婚約者』の肩書きが欲しいんだ。もちろん、一番は『夫』になりたいけどな‥‥今はまだそこまでは時期尚早だからな‥‥それに、チャコはモテるから‥‥心配なんだ。」

『ふふ。私、モテないよ?それに、ディナン以外に興味ないよ?』

「何を言ってるんだ!?チャコはモテる!!チャコの事を影でいいなって言っている男どもが学園に何人いると思っているんだ。そこ話を聞くたびに私の腹の中がどんどん真っ黒くなって行っているんだぞ!?」

『あはは。おおげさだなぁ。でも、私も、ディナンに他の婚約者様が居るのなんて耐えれない。うん。明日、私もお父様にお話ししておくね。』

「あぁ。必ず、チャコとの結婚を認めさせてくる。」

『うん。お願いね。じゃあ、私、もう寝るね。また明日、学校でね。』

「あぁ。おやすみ。いい夢を。」

『ふふ。ディナンもね。おやすみなさい。』

連絡石を切った後、枕に顔を埋めて叫ぶ。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

なんだこれ、なんだこれ!なんなんだ、この甘い雰囲気は!!!
やばい、幸せすぎて死にそうだ。心臓が持つ気がしない。やばい、動悸が凄くて息がしづらいぞ。

「すーーーーーはーーーーーーすーーーーーーーーはーーーーーーー」

深呼吸を何度かしたら少しだけ、本当にすこーーしだけ落ち着いてきた。
一度、自分で頬をパチンと叩いて気合を入れた。

チリン

「ディナン様、お呼びでしょうか。」

アルバートが間をおかずに部屋に入ってくる。

「一番早い日程で父上に謁見を申し込みたい。連絡しておいてくれ。」

「畏まりました。」

「それだけだ。私はもう寝る。」

「はい。お休みなさいませ、ディナン様。」

「あぁ。」

◇◆◇◆◇◆

次の日の朝、アルバートの業務連絡を聞きながら学校へ向かう。

「‥‥本日のスケジュールは以上でございます。」

「わかった。‥‥で、いつになったら父上は会えると?」

「確認しました所、三日後の早朝でしたら大丈夫と言う事です。朝ごはんを共にしようと言う事ですが、如何でしょうか?」

「三日後‥‥学校は休みの日か‥‥。分かった。朝食を共にする形で構わない。それで進めてくれ。‥‥あ。」

「いかがいたしましたか?」

「‥‥いや、なんでもない。」

朝食ということは母上も一緒か?‥‥母上も一緒に聞いてもらったほうがスムーズか?いや、しかし母上が話しててこちらの話ができなくなってしまうこともあるからな‥‥。しかし、父上の時間をこれ以上取るのは無理そうだしな‥‥。なにか、対策を考えておかなければ。

そんな事を考えているとアルバートが声をかけてきた。

「ディナン様、お気を付けて行ってらっしゃいませ。」

「あぁ。行ってくる。」

車を降りて、アルバートに見送られながら校舎を目指して歩き始める。

チャコはもう、来ているのだろうか。

早く会いたくてついつい早歩きになってしまう。

「ディナン殿下!おはようございます。」

バートン嬢が声をかけて来た。

「‥‥あぁ、おはよう。」

「朝から殿下に会えるなんてとてもいい日ですわ。宜しければ、教室の近くまでご一緒なさってもよろしいですか?」

明らかに待っていただろうにキラキラ笑顔を浮かばせて問いかけられた。

「いや、私は急いでいるんだ。では、失礼するよ。」

早々に断ってチャコ会いたさに足を進めようと一歩踏み出そうとすると‥‥

「ま、待ってくださいませ!大切なお話があるんですの!」

私の腕にバートン嬢の豊満な胸を押しつけるように抱きつかれた。

「‥‥せ。」

「え?」

潤んだ瞳で上目使いをして、聞き返される。

「汚らしい。離せと言っているんだ!!」

「きゃっ!」

気持ちが悪くて思わず思いっきり腕を振りほどいてしまってバートン嬢は転んでしまった。

「バートン嬢、君に足を止めたのは親類になるという義理だけだ。私に好意を寄せてくれてるのはわかるが、私にはもう心に決めている人がいる。その人以外には絶対にときめかないし、本当はきゃんきゃんした声で話しかけられるのも、服の上からだとしても触られるのも気持ちが悪い。」

「っ!!」

「それに、非常識だと思わないのか?大事な話があるなら事前に話ができるように申し込んだりしておかなばいけないということくらいわかるだろう?そんな色仕掛けみたいな下劣な好意をするとは心底君にはがっかりしたよ。」

「そっ!‥‥れは‥‥申し訳ございませんでした‥‥」

「まぁ、今回は蚊にさされたと思って不問にするが、二度とこのような軽率な行動は取らないでくれ。」

「は‥‥い。お気遣い、感謝いたします‥‥‥‥。」

反省しているようだから今回はここまでにして、バートン嬢に背を向け急いで教室に向かう。

「くそ。くだらない事で時間がかかってしまった。」

だから私は気付かなかった。

バートン嬢の怒りと憎しみのこもった瞳を見もしなかったから。


「‥‥許さない。絶対に‥‥。」





しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

処理中です...