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第2章この度、学生になりました。
41*とりあえず、反撃です。
しおりを挟む「あれ、物音したと思ったから起きたかと思ったんだけど・・・。」
弟君の方が部屋に来たようです。
私は、目を瞑って様子を伺います。
「なんだ?聞き間違いか?」
弟君の後ろの方でお兄さんの声が聞こえました。
「うーん。」
一応様子を見ようと思ったのか、ベッドに近づいてきました。
掛布団を少し捲られて、確認されます。
「それにしても・・・本当、可愛い顔してるなぁ。お貴族様ってみんなこんな可愛いのか?」
ぽそっと嬉しい事言われてしまいました。なにそれ、いい子なの?うそでしょ?
頬にそっと手が当たる感覚がしました。私は、いくら嬉しい事を言われたからと言って容赦はしません。
勢いよくベッドからスタンガンを出して押し付けてスイッチを押しました。
ビリリリリ・・・
「ぐあぁぁぁっ!!!」
最大マックスだったので、弟君は少しの抵抗で気絶してしまいました。
「な、なんだ!!??どうした!?」
弟君の叫び声を聞いて、お兄さんも駆けつけました。
私は、素早く布団から出て棒型のスタンガンを構えました。
「ルーファに何しやがった!!」
「ちょっと、寝てもらっただけです。・・・あなたたちが私にしたように。」
ジリジリとお互いに距離を詰めます。
「このガキっ!!!」
先に手を出したのはお兄さんでした。
ダッと走り出して素手で襲ってきました。
私は、振り上げられた手をかわして手首、胴に棒形のスタンガンを打ち込みます。
バンバシッと気持ちの良い音が部屋に響いた後、ドシンっとお兄さんは、ベッド側に派手に転びました。
「ぐっ、」
私は、電気の出る先端をお兄さんの体制が整わないうちにグリッと押し付け目一杯スイッチを押しました。
ビリリリリリリリリリ・・・
「ぎゃぁぁぁあ!!!!!」
断末魔の後、気を失ったお兄さんを見て、やっと息をゆっくりと吐きました。
「・・・・・よし、とりあえず。」
結束バンドを創造魔法で出して、二人の手足を縛ります。
・・・その時、うっかりお兄さんと弟君を抱き合ったように縛ったのはちょっとした遊び心です。
向かい合わせにするの、結構大変でした。
弟君の胴体にお兄さんの腕を回して、お兄さんの頭に弟君の腕を回して、足は絡ませて縛ったのでちょっと取りづらくなってしまいました。
「まぁ、これくらいの報復許されるよね。」
そこで、逃げようかとも思ったのですが、二人の反応が気になってしまいました。
とりあえず、二人の写真を撮った後に水をかけて起こします。
「「ぶわっ!!」」
水差しに入っていた水を二人の頭にかけたらすぐに起きました。よかった。ショック死しなくて。
私は、ニヨニヨしながら新しくだしたビデオを構えて静かに見守りながら撮ることにしました。
「わぁ!!あ、兄貴、なんでそんなところにっ!!ぐ、」
「おおおおおおまえこそ、ななななにしてっ!!!」
「は、はずれないんですっ!!」
「ちょ、おまっ!そんなとこで足バタバタさせんなっ!!んぅっ」
「え、あっ、す、すんませんっ!!」
・・・・・・・うん。二人とも最高ですね。
「ちょ、あ、兄貴こそ、胸のとこではなさないでくださっ、」
「へぁ!?わ、わりぃ!」
「んふふふふふふふ。」
「「!!!」」
思わず、笑いが漏れてしまいました。
二人が、私が居ると知って、羞恥で真っ赤になっています。ふふふ。たーのし。
「お、おまえっ!!今すぐはずせっ!」
「え?嫌ですよ?わざわざ外しにくくしたのに。なんで外して自分を危険に晒すんですか。馬鹿ですか?」
「ぐっ、」
お兄さんが一生懸命私に睨みをきかせています。
・・・でも、その一方で胸が弱いのか、少しだけ足があそこに食い込んで辛いのか、弟君は声を我慢したように唇を嚙みしめています。・・・うふふ。
「私の質問にちゃんと答えられたら、足だけは外してあげてもいいですよ。」
「こ、答えます、だ、だから・・・っ」
「お、お前っ!」
「ふふ。じゃあ、一つ目。」
二人がごくりと唾を飲んだのがビデオの画面越しにわかりました。うん、私、良いアングル。
「あなた方の関係性は?」
あ、間違えた。雇い主聞こうとしたのに好奇心が勝ってしまいました。
「・・・・・は?」
「・・・え?」
「ゴホン。だから、あなた方の関係性は?兄弟?舎弟?それとも、幼馴染?兄貴って、呼んでましたよね?」
まさかそんな事聞かれると思わなかったのか、二人はポカンとしたのち、弟君の方が話し出しました。
「・・・・しゃ、舎弟です。俺たちは、二人とも親なしで・・・小さいころ、俺はこの人に拾われたんです。」
「~~~~~っ!!!」
私の妄想が当たっていましたっ!嬉しくって、にやけてしまいそうです。だめだめ、ココはしっかりしないと。
「・・・こほん。そうなんですね。では、次に・・・いつも、家事はどちらが?」
あ、また口が勝手に・・・。
「飯と洗濯は俺で、掃除は主に兄貴が・・・」
「ちょ、おまっ!なに普通に答えてんだよっ!」
「ふんふん。家事は分担ッと。」
「って、あんたも何メモってんだっ!!」
「お兄さん、意外と綺麗好きなんですね、この部屋も綺麗だし・・・。」
「ぐっ、」
褒められたのがまんざらでもなかったのか、お兄さんはちょっと耳を赤くしています。え、責められると弱い?やっぱりネコの素質、有り・・・ですかね。それに、ツンデレ属性も持ってそうです。うん。とても才能ありますね。メモメモ。
「あ、そうだ。ここはどこですか?あなたたちの家?」
「・・・俺たちの家、です。」
「だから、馬鹿正直に・・・っ!」
「正直に話した方が良いですよ?じゃないと、また痛い事しちゃいますよ?あ、それか、恥ずかしい事・・・でもいいですけど?ふふ。」
にっこりと笑って、さっき使ったスタンガンをチラリと見せるとお兄さんは、押し黙った。
「雇った人は?いつ、引き渡し予定ですか?なんで、私を攫ったんですか?」
「夜、迎えに来ると言われました。それまでは、寝かせておけと・・・。雇い主は・・・名前はわかりません、でも、女の人です。」
「・・・バートン家のお嬢さんだよ。俺は昔そこの御者をしてたことがあって・・・その繋がりで今回の話が回ってきたんだ。」
諦めたように話し出したのはお兄さんでした。
そして、やっぱりハンナ様が黒幕のようです。
「この後、私をどうするつもりか聞いていますか?」
「何日か隠した後、普通に家に帰すって言ってた。危害は加えるつもりはないって。多分、あんたの評判を落とすのが目的なんだろ。」
「まぁ、普通に考えてそうですよね。」
何か言い訳考えれば今帰れば問題ない?いや、それだと根本が・・・また同じ事されるかもだし・・・。それに、あの胡散臭い敬語の男も気になる。
「はぁ~・・・。とりあえず、私の持ち物返してもらえますか?連絡石と、ブレスレット。」
「あ・・・、それなら大切なものだからって持って行っちゃいましたけど・・・。」
「は!?なにそれ!」
あれは返してもらわないと困ります。
唯一無二の大切な宝物なんですから。
あー仕方ない、夜まで待つ?うーん。
「・・・・仕方ない、弟君、ちょっとお使い頼まれてくれますか?」
「え?」
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