私を捨てた元婚約者が、一年後にプロポーズをしてきました

柚木ゆず

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第8話 どいつもこいつも使えない! クロード視点(2)

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『お兄さん、殺したい人が居るんだって?』
『その話、俺らにも聞かせてくれや』

 声をかけてきたのは、ローブをすっぽりとかぶった男2人。顔が隠れていて見えないが、雰囲気からするにあとに喋った男は向かって左の男は30代後半で、先に喋った男向かって右の男は同世代のようだ。

「安心しな。俺らは、『本物』だ」
「金せくれりゃ、誰だって殺すぜ? 標的を教えてくれや」
(く、クロード様……)
(やめ、ましょう……。そちらに行ってはなりません……っ)
(黙れと言ったはずだ!! 貴様らはそこで見ていろ!!)「おおっ、そうかっ! それは頼もしいっ!!」

 物分かりの悪い2人を改めて黙らせ、彼らに説明を行った。
 報酬はそれぞれ500万で、相手は隣国の人間であり伯爵家の長男ディオン。速やかに全ての情報を伝えると、

「いいぜ。交渉成立だ」
「前払いでぞれぞれに250、完了後に250で手を打ってやるよ。オレらに任せとけ」

 彼らは、快諾!! 一切迷わず指輪と宝石を取り出して――この界隈では契約時のルールである『質として貴重品を預ける』を行い、言葉と態度で実行を保証した!!

「これまでの連中は途端に撤回し、困っていたんだよ!! さすが本物は違う!!」
「お褒めにあずかり光栄ってね。そいじゃ契約の証として、こっちは金をもらおうか」
「もちろんだとも!! これが事前の報酬だ!!」

 1人250だから2人で500。札束を5つ、手渡した。

「へへへ、まいどあり。んじゃ次のステップに移って、ターゲットの特徴を教えてもらおうか」
「隣国の貴族様の顔は、存じ上げていないんだ。出来る限り細かく教えてくれ」
「分かった!! まず、髪型だが――」

 金髪なこと。肩のあたりまで伸びていること。ブルーの瞳なこと。身長は180前後で、モデルのような体型なこと。腹が立つが、美男なことなど。
 事細かにヤツの情報を提示した。

「ほぉ、それが貴族様か。……ふむ。だとしたら、ソイツは見覚えがあるな」
「本当か!? そいつは好都合だ!!」

 見掛けた経験があるなら、間違いは起きない。
 はははっ、はははははっ! 何かの本に載っていた、『良い事は連鎖する』という言葉。あれは事実だった!

「こんな偶然もあるんだなっ! お前達のような存在が、隣国の貴族を見たことがあるとは……っ。一体全体、いつどこで見かけたんだっ?」
「時期は、そうだな…………。つい今で、見掛けた場所はココだな」
「…………は…………? どういう事だ……?」

 おもわず、ぽかんとなってしまう。
 つい今? ココ? コイツは、何を言っているんだ?

「だから、ココで見たって言ってるだろ。兄さん、斜め前を見てみな」
「ななめ、まえ……?」

 その方向には片割れがいて、そうしていると………………ソイツは、おもむろに着ていたローブをはぎ取った。すると、その下にあった顔が現れて――なぁっ!?

「でぃ、でぃおん……」

 そっくり、じゃあない。
 数時間前に、見たアイツが……っ。本物のディオン・ライフェルンが、そこにいた……!!

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