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第16話 末路・エドモンの場合 俯瞰視点(4)

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「今こそ? 貴方にとっては残念なお知らせになるのですが、そういった行動はとっくに始まっているのですよ?」
「……え?」

 そこを使えば回避できる。そう信じていたエドモンは、ようやく知ることになりました。
 これまで起きていた、全てのことを。ニネットの勘違いから始まった、この出来事を。

「…………そ、そんな……。あの女は姉が理由で俺に興味を持っていて、勘違いを知ったからあんな風になっていた……。俺もまた、振り回されていた……!?」
「そうですね。ずっと、そうでした」
「……なんて、ことだ……。アンジェリーヌはあの時すでに、エズラル様と――あっ! エズラス様っ、申し訳ございません!! そうとは知らずアンジェリーヌに――アンジェリーヌ様にっ、数々のご無礼を働いてしまいました!!」

 そうか! これも怒りの原因なのか!! しっかりと謝罪をして和らげなれば!! エドモンは再びそう思い込んで、車内の床に額を押し付けました。

「貴方が接触を繰り返した件。その方法は問題がありましたが、そうなった原因は、僕の力不足によって交際を伏せていたから。こちらに非があるため、そちらに関しては咎めるつもりはありまんよ」
「っ! ありがとうございますっ!! 寛大なお心に感謝――……。そちらに、関しては……? ほっ、他は咎めるおつもりなのですか……!?」
「ええ、そうですよ。貴方はあの夜、ニネットと出会わなければ――所謂フラれた怒りが収まらなければ、家の力を使って彼女に危害を加えようとしていた。その考えであり予定していた内容は、看過できないのですよ」


 《いったん綺麗に忘れて》


 あの夜エドモンは、そう心の中で考え――『人前に出られないよう、後日その顔に傷をつけてやろう』と決めたあと、新たな相手を探していました。
 そのため彼は、


 そんなことまで把握されていたなんて……。
 そんなことを把握できる程に、調べ上げられていただなんて……。


 と、改めて『差』を痛感し、震え上がっていました。

「貴方の行動を阻止すれば厄介な男が野に放たれなくなりますし、なにより、2人まとめて『お礼』をできるのですよ。ですので、エドモン・ダーファルズ様。いつまでも、仲良くお過ごしくださいね」
「……………………」
「おや? お返事が聞こえませんよ?」
「……………………は、はい……。そ、そうさせて、いただき、ます……」

 絶対に嫌だ!! そんな気持ちで満ち満ちていますが、『逆らうと全てを失ってしまう』――。フレデリクの態度と台詞によって『実際に動く気がある』と思い込んでいるため、頷くしかありませんでした。
 その結果エドモンはパーティーに参加せず引き返すこととなり、その後は――

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