15 / 72
第3話 2日後 夜 1回目の状況確認、そして(1)
しおりを挟む
「マリユ・ジョンピス様。この度は多大なるご尽力、感謝いたします……!!」
「この件は一貴族として看過できない問題であり、ソフィー様は妹の大事なご友人です。あらゆる面で僕自身も力をお貸ししたいと思っている事ですので、頭をお上げください」
エドゥアルが去って、数時間後。お父様の商会の馬車――周囲に存在を悟られない状態でマリユ様がいらっしゃって、即座に首を横に振ってくださった。
この方は本気で、そう仰ってくれている。お父様が今言っているように、私は幸せ者です……っ。
「貴方の怒りは、今後もしっかりと彼らに届くように致します。引き続きご安心ください」
「ありがとうございます……! それでは、ソフィー」
「はい。マリユ様、こちらが今日確保した証拠です」
客間にあるテーブルに録音機を置いて、ボタンを押すと『再生』というものがスタート。部屋には録音した、私達の会話が流れた。
「『エドゥアルさん。私達はこれからも、一緒ですよね? 今は婚約者として、4か月後からは妻として、ずっとずっと一緒に過ごせますよね?』と、『ああ、勿論だ。ソフィー。生涯、君を愛し続けるよ』。これらがあるので大丈夫と判断したのですが、いかがでしょうか?」
「完璧ですよ。内容は勿論のこと、音量も申し分ありません。こちらは充分な武器となりますよ」
よかった……っ。
私は法律の素人だから、問題ないと思いながらも不安があった。でもそれは、杞憂だったみたい。
「初めて行うもの、それもこの手の工作を含むものは、非常に困難です。けれどソフィー様は完遂された。お見事です」
「ありがとうございます。ですがこれは、私だけの力ではありません。こうやって一つ目を成功できたのは、マリユ様の存在があったからです」
頼もしい味方がいてくれる。そんな追い風があるから安心することができて、落ち着いて取り組めました。
「マリユ様と出会えなければ即行動に移せませんでしたし、プレッシャーの量も違っていました。私の貢献度はせいぜい1割か2割程度で、あとは全部マリユ様のおかげです」
「僕にそこまでの影響力はないと思いますが、折角のお言葉ですので。受け取っておきますね」
対面のソファーに座るマリユ様は穏やかに微笑んでくださり、「それでは、今夜のもう一つの目的を果たしましょうか」と仰った。
もう一つ? 証拠の確認と、状況の確認――怪しまれていないという確認は済んでいて、それ以外には思い当たることはない。それは、なに……?
突然すみません。ご報告になります。
本日はもう1話、投稿をさせていただきます。
そちらはいつもの時間、午前9時50分に投稿をさせていただく予定となっております。
「この件は一貴族として看過できない問題であり、ソフィー様は妹の大事なご友人です。あらゆる面で僕自身も力をお貸ししたいと思っている事ですので、頭をお上げください」
エドゥアルが去って、数時間後。お父様の商会の馬車――周囲に存在を悟られない状態でマリユ様がいらっしゃって、即座に首を横に振ってくださった。
この方は本気で、そう仰ってくれている。お父様が今言っているように、私は幸せ者です……っ。
「貴方の怒りは、今後もしっかりと彼らに届くように致します。引き続きご安心ください」
「ありがとうございます……! それでは、ソフィー」
「はい。マリユ様、こちらが今日確保した証拠です」
客間にあるテーブルに録音機を置いて、ボタンを押すと『再生』というものがスタート。部屋には録音した、私達の会話が流れた。
「『エドゥアルさん。私達はこれからも、一緒ですよね? 今は婚約者として、4か月後からは妻として、ずっとずっと一緒に過ごせますよね?』と、『ああ、勿論だ。ソフィー。生涯、君を愛し続けるよ』。これらがあるので大丈夫と判断したのですが、いかがでしょうか?」
「完璧ですよ。内容は勿論のこと、音量も申し分ありません。こちらは充分な武器となりますよ」
よかった……っ。
私は法律の素人だから、問題ないと思いながらも不安があった。でもそれは、杞憂だったみたい。
「初めて行うもの、それもこの手の工作を含むものは、非常に困難です。けれどソフィー様は完遂された。お見事です」
「ありがとうございます。ですがこれは、私だけの力ではありません。こうやって一つ目を成功できたのは、マリユ様の存在があったからです」
頼もしい味方がいてくれる。そんな追い風があるから安心することができて、落ち着いて取り組めました。
「マリユ様と出会えなければ即行動に移せませんでしたし、プレッシャーの量も違っていました。私の貢献度はせいぜい1割か2割程度で、あとは全部マリユ様のおかげです」
「僕にそこまでの影響力はないと思いますが、折角のお言葉ですので。受け取っておきますね」
対面のソファーに座るマリユ様は穏やかに微笑んでくださり、「それでは、今夜のもう一つの目的を果たしましょうか」と仰った。
もう一つ? 証拠の確認と、状況の確認――怪しまれていないという確認は済んでいて、それ以外には思い当たることはない。それは、なに……?
突然すみません。ご報告になります。
本日はもう1話、投稿をさせていただきます。
そちらはいつもの時間、午前9時50分に投稿をさせていただく予定となっております。
9
あなたにおすすめの小説
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。
音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。
格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。
正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。
だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。
「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる