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第3話 わたしは怒っている アルマ視点(1)
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「…………え? ど、どうして……? どうしてそんなことをするんだい……!?」
「分からないのですか? でしたら教えて差し上げます。……父とマイユール。大切な人達にあんな真似をした人達と、以前のような関係でいられるはずがありませんよ」
わたしに対して行ったことは、この際どうでもいい。思うところは多々あるけれど、どれも流せる範疇にある。
でも――二人に対しての行いは、許せない。絶対に。
「さっきの今ですよ? よくもまあそんな態度を取れますね? 行っていて恥ずかしくないのですか? わたしならできませんよ? もっとも、そもそもそんな振る舞いはしませんが」
「あ、アルマ……。ど、どうしてしまったんだい……。いつもの君なら、そんな風には言わず許してくれてい――」
「今まではずっと我慢をしていたのですよ。ですがそれも限界で、貴方がたに対してはもう我慢をしないと決めました。これからは、言いたいことははっきりと言わせていただきます」
どんな形であれ、事情があれ、聖女の力を私的に利用するつもりはなかった。だってそれでは、愚王と同じだから。
けれど、この人に――この人達に限っては違う。
一切、遠慮しない。
使えるものは全部使って、理不尽を叩き潰す。
「い、言いたい、こと……? な、なにを言うのかな……?」
「複数ありますが、まずお伝えするのは『謝罪をしろ』です。殿下、陛下、妃殿下、神殿長様、第二王子第三王子殿下や神殿の関係者の皆様も。お父様とマイユール様に謝ってください」
暴力を振るったこと。それを放置したこと。それを見て嗤ったこと。
貴方達がしたことを、まずは謝れ。
「…………………………」
「「「「「……………………」」」」」
エクファル家とヴァリアス家は、ほぼ平民同然の男爵家。そんな人間に頭を下げるのは、殿下を含めこの人達にとっては最大の屈辱。何があっても行いたくないもの。
でもそうしないと、聖女が納得をしない――自分達だけ守護の対象から外されてしまうなど、大変なことになってしまう。
なので、
「……きょ、卿……。マイユール……殿……。先ほどは、申し訳、ございませんでした……」
「「「「「もうしわけ、ございませんでした……」」」」」
全員がその場に左膝を付き、この国で最大限の謝罪を示す姿勢で、頭を下げたのだった。
「あ、アルマ。やったっ、言われた通りにやったよっ。もういいよねっ? 満足をして、許してくれたよね?」
「いいえ。満足していませんし、許していませんよ」
わたしはさっき、まだ、と言った。
この人達は嫌々謝っていてどうやっても反省しないのだから、しっかりと『攻撃』をして行いがどういうものだったのかを理解させる。まずはこうやってメンタルにダメージを与えておいて、次は――
「分からないのですか? でしたら教えて差し上げます。……父とマイユール。大切な人達にあんな真似をした人達と、以前のような関係でいられるはずがありませんよ」
わたしに対して行ったことは、この際どうでもいい。思うところは多々あるけれど、どれも流せる範疇にある。
でも――二人に対しての行いは、許せない。絶対に。
「さっきの今ですよ? よくもまあそんな態度を取れますね? 行っていて恥ずかしくないのですか? わたしならできませんよ? もっとも、そもそもそんな振る舞いはしませんが」
「あ、アルマ……。ど、どうしてしまったんだい……。いつもの君なら、そんな風には言わず許してくれてい――」
「今まではずっと我慢をしていたのですよ。ですがそれも限界で、貴方がたに対してはもう我慢をしないと決めました。これからは、言いたいことははっきりと言わせていただきます」
どんな形であれ、事情があれ、聖女の力を私的に利用するつもりはなかった。だってそれでは、愚王と同じだから。
けれど、この人に――この人達に限っては違う。
一切、遠慮しない。
使えるものは全部使って、理不尽を叩き潰す。
「い、言いたい、こと……? な、なにを言うのかな……?」
「複数ありますが、まずお伝えするのは『謝罪をしろ』です。殿下、陛下、妃殿下、神殿長様、第二王子第三王子殿下や神殿の関係者の皆様も。お父様とマイユール様に謝ってください」
暴力を振るったこと。それを放置したこと。それを見て嗤ったこと。
貴方達がしたことを、まずは謝れ。
「…………………………」
「「「「「……………………」」」」」
エクファル家とヴァリアス家は、ほぼ平民同然の男爵家。そんな人間に頭を下げるのは、殿下を含めこの人達にとっては最大の屈辱。何があっても行いたくないもの。
でもそうしないと、聖女が納得をしない――自分達だけ守護の対象から外されてしまうなど、大変なことになってしまう。
なので、
「……きょ、卿……。マイユール……殿……。先ほどは、申し訳、ございませんでした……」
「「「「「もうしわけ、ございませんでした……」」」」」
全員がその場に左膝を付き、この国で最大限の謝罪を示す姿勢で、頭を下げたのだった。
「あ、アルマ。やったっ、言われた通りにやったよっ。もういいよねっ? 満足をして、許してくれたよね?」
「いいえ。満足していませんし、許していませんよ」
わたしはさっき、まだ、と言った。
この人達は嫌々謝っていてどうやっても反省しないのだから、しっかりと『攻撃』をして行いがどういうものだったのかを理解させる。まずはこうやってメンタルにダメージを与えておいて、次は――
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