19 / 34
第8話 鏡の中で起きること アルマ視点(4)
しおりを挟む
《リッシュ様! どうかお助けを!!》
殿下がやろうとしていたことは、所謂命乞い。リッシュ様――この国の守り神様の名前を、大音声で叫んだ。
《つい出来心で呪いを使用してしまいっ、大変なことになってしまっているみたいなんですっ!! きっとっ、もうじきっっ、俺もあんな風になってしまうんですっ!! それは嫌なんですっっ!!》
悲鳴をあげながら転げまわったり、涙や唾液塗れになったり泡を吹いたりして気を失う。そんな状態になりたい人なんて、いるわけがない。
《今はもう反省をしていてっ!! 二度としないと誓います!! アルマにちゃんと事情を説明して謝罪をしてっ、これからは一切悪事を働かないと約束しますから!! どうかっ、助けてください!!》
「と、いくら叫んでも無駄よ。だって聖女の力によって跳ね返された呪いは、解除不能になるんだもの。万が一リッシュや聖女が許したとしても、その運命からは逃れられないわ」
高度な呪いは、使用者および使用位置を特定できない。要するに、一度阻止しても二度目三度目を仕掛けてくる可能性が高い。
そこで再犯を阻止するため、その力にはそういった効果もあるそう。
《もうすぐ俺もああなってしまうんです!! お願いします!! リッシュ様っ! そうなる前にお助けをっ!!》
《金輪際私利私欲に走りはしませんしっ、国のトップとしての自覚を更に持ちます!! 民を最優先にしてっ、民の幸せを誠心誠意追求いたします!!》
《りっ、リッシュ様!! この国のトップが全員死んでしまったら貴方様が守護されているこの国はとてつもないダメージを受けてしまいます!! この国のためにもっ、わたくしをお救いください!!》
陛下や妃殿下は死んでいなくて、目覚めた後は聖人になる。そんな訴えは無意味だし、そもそも誰にも止めれない。
そうとは知らない殿下は叫び続け、情けない心にもない命乞いを続けてゆく。
殿下がやろうとしていたことは、所謂命乞い。リッシュ様――この国の守り神様の名前を、大音声で叫んだ。
《つい出来心で呪いを使用してしまいっ、大変なことになってしまっているみたいなんですっ!! きっとっ、もうじきっっ、俺もあんな風になってしまうんですっ!! それは嫌なんですっっ!!》
悲鳴をあげながら転げまわったり、涙や唾液塗れになったり泡を吹いたりして気を失う。そんな状態になりたい人なんて、いるわけがない。
《今はもう反省をしていてっ!! 二度としないと誓います!! アルマにちゃんと事情を説明して謝罪をしてっ、これからは一切悪事を働かないと約束しますから!! どうかっ、助けてください!!》
「と、いくら叫んでも無駄よ。だって聖女の力によって跳ね返された呪いは、解除不能になるんだもの。万が一リッシュや聖女が許したとしても、その運命からは逃れられないわ」
高度な呪いは、使用者および使用位置を特定できない。要するに、一度阻止しても二度目三度目を仕掛けてくる可能性が高い。
そこで再犯を阻止するため、その力にはそういった効果もあるそう。
《もうすぐ俺もああなってしまうんです!! お願いします!! リッシュ様っ! そうなる前にお助けをっ!!》
《金輪際私利私欲に走りはしませんしっ、国のトップとしての自覚を更に持ちます!! 民を最優先にしてっ、民の幸せを誠心誠意追求いたします!!》
《りっ、リッシュ様!! この国のトップが全員死んでしまったら貴方様が守護されているこの国はとてつもないダメージを受けてしまいます!! この国のためにもっ、わたくしをお救いください!!》
陛下や妃殿下は死んでいなくて、目覚めた後は聖人になる。そんな訴えは無意味だし、そもそも誰にも止めれない。
そうとは知らない殿下は叫び続け、情けない心にもない命乞いを続けてゆく。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
455
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる