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第2話 カミラ・ニアック婚約解消の裏側 カミラ・ニアック視点(1)
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「ふふふふふ。今日は最高日になりましたわね」
午前の9時半過ぎ。この国では縁切りに最適とされている時間帯を示す時計を眺め、わたくしは上機嫌で紅茶を飲んでいた。
「今頃サンオーレア邸では婚約の解消が宣告されていて、キャロラインは大粒の涙を流しながら撤回を懇願しているんでしょうね。……くふふ、いい気味ですわ」
サンオーレア子爵令嬢、キャロライン。わたくしはあの女が大嫌い。だってアイツは、
わたくしから最愛の人を奪ったのだから。
『ごめん、カミラ。君以上に好きな人ができて、その人に告白したいと思っていてね……。だから、この関係を解消してもらいたいんだ』
イーザル子爵令息マイク。かつてのわたくしはあの男に恋をして、猛アタックの結果相思相愛となって恋人になることができた。
でも……!
交際中にマイクはキャロラインに恋をしてしまい、それによってわたくしへの好意が消えてしまって……。わたくしの元を去ってしまったのだった。
『マイク様……。なんで……? なんで……!? わたくしの方が何倍も綺麗でかわいいのにっっ!! 性格だってはるかに良いのに……!! どうしてあの女なんですの……っ!?』
今はもうマイクなんてどうでもいいけど、あの頃は大好きだったから納得できなかった。何もかも圧倒的に劣る女が最愛の人の心を射止めただなんて到底受け入れられなくて、怒り狂った。
あの時のマイクが自然と心変わりするだなんてありえなくって! 何か卑怯な手を使って誑かしたのは間違いなくて! わたくしの中でキャロラインは、『どうでもいい女』から『大嫌いな女』になった。
そして――。
その2週間後。わたくしの中でキャロラインは、『大嫌いな女』から『世界で一番憎い絶対許せない女』になるのだった。
『なんですって!? マイク様は付き合えなかった!?』
理由は分からないけれど、とにかくマイクの告白は失敗。その結果あの男は『これ以上ふらふらすることは許さん』と父親に一喝され、当主の一存で婚約者を決めれることになってしまったのだった。
『……わたくしから愛する人を奪っておいて、飽きたからって捨てたのね……!! 許せない……! キャロライン……!! いつか必ず……!! アンタも同じ目に遭わせてやりますわよ……!!』
なので、そうなるのは必然的だった。わたくしはキャロラインに復讐を誓い、友人のフリをしつつその機会をうかがい続け――
((うふふふふふ。やっと来ましたわね))
今から3か月前に、絶好の機会がやって来るのだった。
※ご報告になります。
本日はお昼前後にもう1話、投稿をさせていただきます(午後1時前くらいを予定しております)
午前の9時半過ぎ。この国では縁切りに最適とされている時間帯を示す時計を眺め、わたくしは上機嫌で紅茶を飲んでいた。
「今頃サンオーレア邸では婚約の解消が宣告されていて、キャロラインは大粒の涙を流しながら撤回を懇願しているんでしょうね。……くふふ、いい気味ですわ」
サンオーレア子爵令嬢、キャロライン。わたくしはあの女が大嫌い。だってアイツは、
わたくしから最愛の人を奪ったのだから。
『ごめん、カミラ。君以上に好きな人ができて、その人に告白したいと思っていてね……。だから、この関係を解消してもらいたいんだ』
イーザル子爵令息マイク。かつてのわたくしはあの男に恋をして、猛アタックの結果相思相愛となって恋人になることができた。
でも……!
交際中にマイクはキャロラインに恋をしてしまい、それによってわたくしへの好意が消えてしまって……。わたくしの元を去ってしまったのだった。
『マイク様……。なんで……? なんで……!? わたくしの方が何倍も綺麗でかわいいのにっっ!! 性格だってはるかに良いのに……!! どうしてあの女なんですの……っ!?』
今はもうマイクなんてどうでもいいけど、あの頃は大好きだったから納得できなかった。何もかも圧倒的に劣る女が最愛の人の心を射止めただなんて到底受け入れられなくて、怒り狂った。
あの時のマイクが自然と心変わりするだなんてありえなくって! 何か卑怯な手を使って誑かしたのは間違いなくて! わたくしの中でキャロラインは、『どうでもいい女』から『大嫌いな女』になった。
そして――。
その2週間後。わたくしの中でキャロラインは、『大嫌いな女』から『世界で一番憎い絶対許せない女』になるのだった。
『なんですって!? マイク様は付き合えなかった!?』
理由は分からないけれど、とにかくマイクの告白は失敗。その結果あの男は『これ以上ふらふらすることは許さん』と父親に一喝され、当主の一存で婚約者を決めれることになってしまったのだった。
『……わたくしから愛する人を奪っておいて、飽きたからって捨てたのね……!! 許せない……! キャロライン……!! いつか必ず……!! アンタも同じ目に遭わせてやりますわよ……!!』
なので、そうなるのは必然的だった。わたくしはキャロラインに復讐を誓い、友人のフリをしつつその機会をうかがい続け――
((うふふふふふ。やっと来ましたわね))
今から3か月前に、絶好の機会がやって来るのだった。
※ご報告になります。
本日はお昼前後にもう1話、投稿をさせていただきます(午後1時前くらいを予定しております)
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