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第11話 確認~お屋敷に戻ったら分かる、と言われたから~ カミラ視点(5)

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「…………か、カミラ……。よほどの何かが……起きているみたいだな……」
「…………え、ええ……。そう、みたいですわね……」

 あのあとわたくし達の馬車はやけに落ち着きがない門番に誘導されて敷地に入り、異様に顔色が悪い使用人によって応接室に通された。しかもその間に何が起きているのかを尋ねてみたら、返ってきたのは『御説明の許可が下りておらず、現在検討中となっておりますので少々お待ちください』。
 普段はすぐに顔を見せるウィリアムも、全然姿を見せないし……。かなりの問題――それも、悪いものが発生しているんですわ。


「フェルオ家といえば、大金持ち……。金……商会絡みで、何かがあったのか……? いや……そうだとしたら、この状況はおかしい……」
「ええ……。商会関係で何かしらがあったのなら、商会の本部に集まるはず……。そういった問題で、親族全員がお屋敷に集うとは思えませんわ」

「今となっては忌々しいことだが……。もうじき家族となる我々にも簡単には明かせない、となると……。内部のゴタゴタか……? 内輪揉めでも始めたか……?」
「ですが、お父様。フェルオ家は……」
「うむ……。卿が、圧倒的な影響力を持っておる……。その類の反乱が起きるとは思えんな……」
「なにより親族の方々も、やけに動揺していましたしね……。きっとそれもハズレですわ」


 何もすることがないからわたくし達は原因を考え、そんな時間が随分と――1時間近く続いた頃、ようやく扉が開いてやせ型の男性が現れた。
 この方はおじさ――忌々しい当主ガリバーの実弟ルイ。どうやら説明できるようになって、この男がこれから行うみたいですわ。

「お待たせして申し訳ない。……現在起きていることをお伝えしましょう」
「………………」
「………………」

 そう告げる声は微妙に震えているし、黒目だってせわしなく動いている。なのでわたくし達は揃って唾液を呑み込み、どんなことが出ても驚かないように身構えた。
 ――のだけれど――。
 そんな対策は一瞬で無駄となり、わたくしはお父様と共に大声を上げる羽目になるのだった。


「現当主であり兄であるガリバーと、嫡男であり甥のウィリアム。二人は、一昨日より行方不明になっているのですよ……」



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