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第16話 どこかでのやり取り 俯瞰視点
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「リハレルト卿。そのご様子、すべて上手くいったようですね」
「ええ、おかげさまでつつがなく完遂致しましたよ。……貴方がお声をかけてくださらなければ、我々は奥歯を噛み締めたままでした。関係者を代表し、お礼申し上げます」
「以前も説明をさせていただきましたが、あの提案は利害の一致の結果でございます。加えてこちらは、計画を練っただけ。実際に行動されたのは貴方様方ですので、感謝するのはこちら。そういったお言葉はいただけません」
「確かにそれはそうですが、それでも…………いえ、食い下がりは無粋ですな。承知しました」
「痛み入ります。……卿、お話は変わりますが――車をひいていた馬、御者、護衛達はどのようになっておりますか?」
「馬はハーマエル家所有の牧場へと移動しており、御者と護衛は口止め料により味方となっております。生き物も人も誰一人傷ついておらず、また、貴方のアイディアにより密告など露見の心配も皆無となっております」
「そうでしたか。お手数をおかけして申し訳ございませんでした」
「我々とて、無関係な者に好んで手を出したくはない。苦ではありませんよ」
「ありがとうございます。……それでは、リハレルト卿。早々ではありますが、失礼致します」
「おや? ご用がおありでしたか。にもかかわらず、ここまでわざわざ……申し訳ないことを致しました」
「馬たちの安否は気になるところでしたので、お気になさらないでください。では失礼いたします」
「ええ、お気をつけて。…………貴方様と出会えて、本当によかった。以後我々は赤の他人となりますが、心の中では生涯『友』とさせていただきます」
「そう仰っていただけて、光栄でございます。……お互いに。本当の意味で、第二の人生がはじまりますね」
「はい。互いに……新たに得たこの道を守り、最後までこの道を走り続けましょう」
「ええ、おかげさまでつつがなく完遂致しましたよ。……貴方がお声をかけてくださらなければ、我々は奥歯を噛み締めたままでした。関係者を代表し、お礼申し上げます」
「以前も説明をさせていただきましたが、あの提案は利害の一致の結果でございます。加えてこちらは、計画を練っただけ。実際に行動されたのは貴方様方ですので、感謝するのはこちら。そういったお言葉はいただけません」
「確かにそれはそうですが、それでも…………いえ、食い下がりは無粋ですな。承知しました」
「痛み入ります。……卿、お話は変わりますが――車をひいていた馬、御者、護衛達はどのようになっておりますか?」
「馬はハーマエル家所有の牧場へと移動しており、御者と護衛は口止め料により味方となっております。生き物も人も誰一人傷ついておらず、また、貴方のアイディアにより密告など露見の心配も皆無となっております」
「そうでしたか。お手数をおかけして申し訳ございませんでした」
「我々とて、無関係な者に好んで手を出したくはない。苦ではありませんよ」
「ありがとうございます。……それでは、リハレルト卿。早々ではありますが、失礼致します」
「おや? ご用がおありでしたか。にもかかわらず、ここまでわざわざ……申し訳ないことを致しました」
「馬たちの安否は気になるところでしたので、お気になさらないでください。では失礼いたします」
「ええ、お気をつけて。…………貴方様と出会えて、本当によかった。以後我々は赤の他人となりますが、心の中では生涯『友』とさせていただきます」
「そう仰っていただけて、光栄でございます。……お互いに。本当の意味で、第二の人生がはじまりますね」
「はい。互いに……新たに得たこの道を守り、最後までこの道を走り続けましょう」
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