初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず

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第2話 予想外の朝 シャルリー視点(2)

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「……ぅ……。お、お嬢様」
((レニアっ! だ、大丈夫……!?))
「ご心配には、及びません。この通り、わたくしは無事でございます。お気になさら――ぃたっ」

 わたしに心配をかけないように笑みを浮かべて立ち上がろうとしたレニアは、顔を歪めながら尻もちをついてしまいました。
 右足に、力が入らなくなっている……。転んだ拍子に、足首を捻ってしまったようです……。

((……………………))

 レニア、ごめんなさい。
 わたしのせいで不快な思いをさせてしまい、痛い思いまでさせてしまいましたね……。

「貴様――貴様らのせいで気分は最悪だ! この件は父上に報告をして何かしらの罰を与える! 覚悟しておけ!」
《承知いたしました》
「当分顔も見たくない! 最低でも3日は欠席して部屋でじっとしていろ!! もしも破ったら更に仕置きだからな!!」

 エタン様は吐き捨てるように叫ぶと大きく舌打ちをし、わたしの顔を一切見ることなくその場を去ってしまったのでした。

((……………………))

 お父様お母様、ごめんなさい。
 わたしのせいで、余計な問題が発生してしまいました。

「お嬢様、申し訳ございません……。わたくしが火に油を注いでしまいました……」
「レニアは何も悪くないわ。悪いのはわたしよ」

 彼女は、なんにも悪くない。悪いはずがありません。

「……お嬢様……」
「早く、足の治療をしないといけませんね。部屋に戻りましょう」
「え!? あ、あの。例の件は……?」
「わたしは、部屋でじっとしていろと命じられてしまった。更にお仕置きをされてしまうのは嫌だから、何もせず大人しくしているわ」

 喋るなという滅茶苦茶な要求をされているから手間取ってしまって、痺れを切れし始めたからつい口を使ってしまった。元はと言えばそちらが原因なのに、感情を爆発させてレニアに暴力を振るった。
 今までずっと我慢してきたけれど、今日の出来事は許せない。

「あんな人のために頑張る必要はないわ。レニアの言うことをちゃんと聞くべきだったわね」

 余計なことをしなければ、レニアが傷つくことも不必要な罪悪感を覚えることもなかった。あの時から、放っておくべきでした。

「昨日は、何もなかった。一緒に星と夜空を楽しんだだけ。ね?」
「はいお嬢様。仰る通りでございます」
「じゃあ、戻りましょう。今日だけは、絶対にわたしの背中を使って頂戴ね?」

 この怪我は、こちらの判断ミスが招きました。それでも遠慮してくれましたが無理を言っておんぶをし、わたし達は自室へと戻ったのでした。


 〇〇


「やあエタン。お邪魔するよ」

 その日から、3日後。男子生徒用宿舎の2階にあるエタンの部屋に、来客者があって――
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