初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず

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第4話 大事件 エタン視点(3)

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「折りたたまれた状態で、ベッドの底に貼り付けられておりました。ご確認を」
「うむ。…………でかした。間違いない、くだんのものだ」
「ば、バカな! そんなはずがっ! みっ、見せてくれ!!」

 リーダー格の男が持っている紙を覗き込んでみる。するとそこには、複数の合言葉を含む様々な情報がびっしりと記されていた。

「これが、しょうこ……? 違う……。ありえない……」
「パッと見た部分だけでも、全てが我々が把握している情報と一致します。残念ながら本物ですよ」
「違うと言っているだろう! だって俺は知らないんだ!! 知らないものを隠せるはずがない――そうか分かったぞ! お前達がコッソリ忍ばせたんだろう!! 濡れ衣を着せるために!!」
「……お言葉ですが、捜索はあなた方の監視のもと行われております。我々に不審な動きはございましたか?」
「…………ろ、ロランド……。お前は、どうだった……? あった、よな……?」
「………………」

 返って来たのは、無言の首振り。
 俺以上に目を光らせていたロランドも、なにも感じてはいなかった。

「メモを任されたとレロッズ家の人間が自白しており、筆跡鑑定を行えば紛れもない物証となるでしょう。エタン殿、もう言い逃れは出来ませんよ」
「ち、ちがう……。本当にちがうんだ……! 俺は知らない……! 知らないんだ……!」
「こちらが存在している以上、その発言を信用するわけにはいきません。詳しいお話を、治安局にて聞かせていただきます」
「やっ、やめろ!! やめろ――うああああ!!」

 二人の男が近づいてきて、後ろ手に縛られ拘束されてしまった。

「冤罪だ!! 俺も父上も冤罪だ!! 真犯人がいる!! 俺達は陥れられようとしているんだっ! だっ、だれかぁああ!! だれかぁ――むご!?」
「申し訳ございません。しばしお口は塞がせていただきます」

 今度は口を布で縛られ、声を発することさえもできなくなってしまった。

「学院長殿」
「ええ、この場はお任せください。わたくしが対応いたします」
「よろしくお願い致します。……連れて行ってくれ」
「むぐう!! むぐうう!! むぐううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!」

 無実!! 濡れ衣!! なのに誰も信じてはくれない!!
 懸命に抵抗するもずるずると引きずられていき――大勢の生徒に見られながら、外にある馬車へと連行されてしまったのだった……。

((だっ、誰だ!! 誰がこんな真似をしやがったんだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!))



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