初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず

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第8話 わたしの10年間 シャルリー視点(1)

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「シャルリー、あの件について調査するのはやめたよ。アレは、追求してはいけない問題だったのだ」

 学院からエタン様がいなくなり、エタン様一家の追放が決まり、婚約の解消が決まる。まるで滝のような勢いで様々な出来事が発生したあと、一時的にお屋敷に戻っていたわたしは更に驚くこととなりました。

「や、やめた……!?」

 レロッズ家の当主様が中心となる問題だったためあの夜のアレは無関係だと感じましたが、もしかしたらと思いお父様に打ち明け調査に乗り出してくださっていたのです。
 追及してはいけない、とは……。

「濡れ衣だ。エタン殿達の言い分は正しく、捏造されたものと判明した」
「え……!? でしたら、なぜ……!?」
「調べていた際にレロッズ家のとある関係者からの接触があり、事情を伺えたんだよ。彼らは、別の罪の清算をさせられていたのだ」

 当主様は存在が目障りだからライバル視していた人を陥れ、エタン様は助言をしていました。
 そちらは巧妙に仕込んでいたため罪の証明は難しく、このままでは悪人だけが得をしてしまうというおかしな現実が誕生してしまうところだった。そこで内部の事情を知る方が何者かに協力を依頼して、形は違えど法で裁ける状況を作り上げていたそうです。

「被害者の方の無念を晴らすには、もうこれしかなかったのだ。首を突っ込む気にはならんよ」
「……そう、ですね。わたしもそう思います」
「それに、だ」

 お父様が、真っすぐわたしを見つめました。

「???」
「すでに分かっていた以上に邪な心を持つ者達を関係を結ばなくてよかったし、お前をあんな者のところに送らなくて済んだ。人間としても、当主としても、父としても、これでよかったと感じているよ」

 ウチの未来を考えると、レロッズ家とのパイプは非常に重要なものでした。そのため何が何でも呑まなければならないのですが、お父様はずっとわたしを犠牲にすることを気に病まれていました。
 久しぶりに――2年ぶりに笑顔を見られて、わたしもよかったと感じております。

「この件の慰謝料は事が事だけに大きく、これだけあれば今回のようにお前にだけ重荷を背負わせる必要はなくなる。次は出来る限り、お前が幸せになれるような選択をするつもりだよ」

 目尻を下げながらそう仰ってくださり、お父様は実際にわたしを想って動いてくださりました。
 ですから、その日から一年後。わたしは――


 
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