殿下、妃殿下。貴方がたに言われた通り、前世の怨みを晴らしに来ましたよ

柚木ゆず

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13(3) エリル・ハーマ視点

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「思い出して、いただけたようですね。改めまして、こんにちは。かつて貴方達に殺された、ミリヤとヴィクトルですよ」
「こうして言葉を交わすのは、百数十年ぶりですね。兄さん義姉さん、お元気でしたか?」
「「ぁ、ぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁぁぁ……」」

 生まれ変わりこんなことが、あるだなんて。立場が、逆転してるだなんて……っ。
 様々な衝撃に襲われ、2人揃って尻餅をついてしまう。

「お二人について、調べてみましたよ。あのあとは随分と、楽しい人生を送ったようですね」
「そして貴方がたは自身の境遇を活かし、犯罪面でも大きな功績を残していますね。……中でも僕の目を引いたのは、『全ての犯罪の厳罰化』でした。『弟に裏切られて、悲しかった』――。『刑が重くなれば、きっと犯罪も減るだろう』――。とても素晴らしいお言葉ですね」
「「ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁ……」」

 命乞いをしたい。命だけは助かるように、言い訳をしてご機嫌を取りたい。
 だけど、

『そんなに許せないのなら、復讐しに来るといいですわ。来世で』。
折角だ、ヴィクトルと一緒に来るがいい。その日を楽しみに待っているぞ、はははははははははっ!』

 わたくし達は、思う存分嗤った。
 だから、そんなものは不可能。どうしようもない。
 そんな事実が、体から血の気を引かせる……。

「い、いやだ……。死ぬのは、いやだ……。しにたく、ない……っ」
「死だけは、いや、ですわ……っ。いや……っ。いや……っ。あんな思いは、二度と、したくない……っっ」


『レーファ……。死は、こんなにも不安にさせるのだね……。もっと、居たい……。この世界に、居たいよ……っ』

『怖い、ですわ……っ。死んでしまったら……わたくしの意識は、どうなってしまいますの……? 怖い……。こわい……。こわい……』


 死の間際の記憶が蘇り、それらが更に心身を震わせる。
 前世の記憶はあるのに、死後の記憶はない。生まれ変わるまでの間どこで何をしていたのか、分からない……っ。
 わたくしは、どうなってしまうの……!? 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!

「ぃあああああああああああああああああああああぁぁあぁああああああああああああああああああああああああああっ!! お願いっ、お願いしますぅっ!! 許されないけど許してぇぇっ!! 殺さないでぇぇぇ!!」
「そうだっっ! きっとそうなんだよっ!! 俺は前世の記憶を引き継いだ別人だ!! ロドリグとは無関係だぁっ!! あんなクソ野郎とは違う違ってるっっ!!」
「いえ、どちらも同一人物ですよ。私には分かるんですよ、お二人がレーファとロドリグだと」
「犯した罪は清算しなけばなりませんし、なにより――。貴方達が、来いと、やれと、言いました。ですのでお望み通り、実行させていただきますよ」

 ヴィクトルが、強めに手を打ち鳴らす。そうすれば陛下と4人の男性が入ってきて、わたくし達は拘束されてしまった。

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