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13(2) エリル・ハーマ視点
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「「? ?? ???」」
理解に苦しむ出来事が連続し、わたくし達は揃ってポカンとしてしまう。
ぇ……? え……?
「陛下が敬意? 内密? 前世の怨み? なにが、どうなってますの……?」
「3つの疑問について、順番に答えましょう。1つ目、なぜ公爵家と伯爵家の人間に敬意を払っているか。それは僕達が、ヴィクトル・ハマンとミリヤ・アリネス――かつての王族と、その婚約者の生まれ変わりだからですよ」
カウスズ様が右手を上げ、人差し指がゆっくりと立った。
「ヴィクトル、ミリヤ……。君達が、あの罪人達……?」
「『罪人』、そうですね、今は、その認識で構いません。僕達は昔の王族関係者なので、あのような態度を取ってくださっているのですよ」
「まっ、待ってくださいなっ。陛下は、どうして信じていますのっ!? そんな荒唐無稽な内容を、どうしてあっさりと信じてますのっ!?」
「それはこの裁判が終わったあと、私達に教えてくださるそうです。その理由はまだこちらも分かりませんので、次に移りますね」
「疑問の2つ目。なぜ、突如オフレコになっているのか。それは僕達が、陛下に依頼をしたからですよ」
ヴィクトル様が指が動き、人差し指の隣にある中指が立った。
「貴方達が死刑となる前に、どうしても四人で話をしたかったんです。そのため、この時間を設けていただきました」
「し、死刑……!? ちっ、違うっ!! そうじゃないんだ!! 何かの間違いなんだっ!!」
「サーヤ様っ!! 貴女まで疑うんですのっ!? だっ、騙されないでくださいなっ!! わたくし達は決して――」
「いえ、騙されてなんていませんよ。なぜならその『間違い』を仕組んだのは、私達なのですから」
……………………。
さ、さーやさま、たちが……? しくんだ……?
「あの日婚約発表をしたのも、その際に貴方がたの傍に居続けたのも、全てこの為なのですよ。自然に貴方がたを処せるように、動いていたのですよ」
「なっ、なぜだ!? なぜ俺達をそんな目に遭わせるんだ!?」
「わたくし達が、なにをしましたの……っ!? 何をしたというんですの……!?」
「その答えが、3つ目になります。僕達が、『俺達をそんな目に遭わせる』理由。それはかつて貴方達が、僕達を嵌めたからですよ」
最後の指が――薬指が上がり、ヴィクトル様の瞳が鋭く細まった。
「貴方がたが今受けている濡れ衣を、僕らは貴方がたによってかけられたのですよ。そうして僕達は咎人となり、処刑されてしまいました」
「その際に貴方達は、仰ったのですよ。『そんなに許せないのなら、復讐しに来るといいですわ。来世で』。『もしも来世があるのならばその時は素直に復讐されてあげますわ。思う存分、その恨みを晴らしてくださいな』。『折角だ、ヴィクトルと一緒に来るがいい。その日を楽しみに待っているぞ、はははははははははっ!』。と」
「なのでこうして、二人一緒に来たのですよ。ロドリグ兄さん、レーファ義姉さん」
!!
その名前を呼ばれた瞬間、わたくしに――アルズ様にも金槌で頭を殴られた衝撃が走り、間欠泉の如く記憶が蘇っってきた。
『ふふふ、残念だったなヴィクトル。俺は、弟を過小評価しない。「力」を使って、保険を用意していたのだよ』
『ミリヤさん、貴方も残念でしたわね。逆に貴女達が犯罪者で、どう足掻いても逆転はできませんわよ?』
『上手くいって良かった。もう安心だよ、レーファ』
『わたくし達はもうじき国王夫婦となって、二人は王族の恥部として歴史に刻まれる。素晴らしい結末ですわね、ロドリグ様』
そうだ。そうですわ。
わたくし達は、そうだった……っ。わたくし達はかつての国王夫婦、レーファとロドリグ……!
理解に苦しむ出来事が連続し、わたくし達は揃ってポカンとしてしまう。
ぇ……? え……?
「陛下が敬意? 内密? 前世の怨み? なにが、どうなってますの……?」
「3つの疑問について、順番に答えましょう。1つ目、なぜ公爵家と伯爵家の人間に敬意を払っているか。それは僕達が、ヴィクトル・ハマンとミリヤ・アリネス――かつての王族と、その婚約者の生まれ変わりだからですよ」
カウスズ様が右手を上げ、人差し指がゆっくりと立った。
「ヴィクトル、ミリヤ……。君達が、あの罪人達……?」
「『罪人』、そうですね、今は、その認識で構いません。僕達は昔の王族関係者なので、あのような態度を取ってくださっているのですよ」
「まっ、待ってくださいなっ。陛下は、どうして信じていますのっ!? そんな荒唐無稽な内容を、どうしてあっさりと信じてますのっ!?」
「それはこの裁判が終わったあと、私達に教えてくださるそうです。その理由はまだこちらも分かりませんので、次に移りますね」
「疑問の2つ目。なぜ、突如オフレコになっているのか。それは僕達が、陛下に依頼をしたからですよ」
ヴィクトル様が指が動き、人差し指の隣にある中指が立った。
「貴方達が死刑となる前に、どうしても四人で話をしたかったんです。そのため、この時間を設けていただきました」
「し、死刑……!? ちっ、違うっ!! そうじゃないんだ!! 何かの間違いなんだっ!!」
「サーヤ様っ!! 貴女まで疑うんですのっ!? だっ、騙されないでくださいなっ!! わたくし達は決して――」
「いえ、騙されてなんていませんよ。なぜならその『間違い』を仕組んだのは、私達なのですから」
……………………。
さ、さーやさま、たちが……? しくんだ……?
「あの日婚約発表をしたのも、その際に貴方がたの傍に居続けたのも、全てこの為なのですよ。自然に貴方がたを処せるように、動いていたのですよ」
「なっ、なぜだ!? なぜ俺達をそんな目に遭わせるんだ!?」
「わたくし達が、なにをしましたの……っ!? 何をしたというんですの……!?」
「その答えが、3つ目になります。僕達が、『俺達をそんな目に遭わせる』理由。それはかつて貴方達が、僕達を嵌めたからですよ」
最後の指が――薬指が上がり、ヴィクトル様の瞳が鋭く細まった。
「貴方がたが今受けている濡れ衣を、僕らは貴方がたによってかけられたのですよ。そうして僕達は咎人となり、処刑されてしまいました」
「その際に貴方達は、仰ったのですよ。『そんなに許せないのなら、復讐しに来るといいですわ。来世で』。『もしも来世があるのならばその時は素直に復讐されてあげますわ。思う存分、その恨みを晴らしてくださいな』。『折角だ、ヴィクトルと一緒に来るがいい。その日を楽しみに待っているぞ、はははははははははっ!』。と」
「なのでこうして、二人一緒に来たのですよ。ロドリグ兄さん、レーファ義姉さん」
!!
その名前を呼ばれた瞬間、わたくしに――アルズ様にも金槌で頭を殴られた衝撃が走り、間欠泉の如く記憶が蘇っってきた。
『ふふふ、残念だったなヴィクトル。俺は、弟を過小評価しない。「力」を使って、保険を用意していたのだよ』
『ミリヤさん、貴方も残念でしたわね。逆に貴女達が犯罪者で、どう足掻いても逆転はできませんわよ?』
『上手くいって良かった。もう安心だよ、レーファ』
『わたくし達はもうじき国王夫婦となって、二人は王族の恥部として歴史に刻まれる。素晴らしい結末ですわね、ロドリグ様』
そうだ。そうですわ。
わたくし達は、そうだった……っ。わたくし達はかつての国王夫婦、レーファとロドリグ……!
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