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番外編 学院時代の出来事~唯一の味方だった人~ シャルル視点(4)
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「ローエンスくん……。ここにあるものは……。君のネックレス、だね……?」
「は、はい、そうです……。どうして、ミゲル様が……!?」
その理由は、金を欲していたから。
ノーゼル様には意中の人がいて、その人にいいところを見せたかった。けれど散財したため懐に余裕がなく、以上の理由で両親や兄に頼んだものの支援を得られなかった。そこでローエンス様の私物に目をつけ、盗んで換金しようとしていたらしい。
「つ、つい出来心なんだ……っ。悪い事だとは思っていたけれど…………どうしても、必要で……。だからああやって怒声を上げ、必死になって中止を求めていたんだ……。デレアスに罪を擦り付けて、騒ぎになっている隙に持ち出して売りつもりだったんだ……」
ツートップの一人から犯罪者へと堕ちた、ノーゼル様。彼は崩れ落ちたあと不自然にスラスラと事情を説明し、胸の前で強く手を組んだ。
「この通りっ、猛省している!! さっき言ったように、出来心でっ、悪い事だと思っていたんだ……っ。無駄な抵抗はせず、隠していたものは洗いざらい吐いた……っ。だから……っ。だから……っっ。大目に、見てください……っ。なかったことに、してください……っっ」
さっきまでの堂々とした姿が嘘のよう。ノーゼル様は涙目になって体を震わせ、
「それはできんぞ、ノーゼルくん。ここは、王立エンジュレル学院。学内で起きた犯罪行為に当たる問題は、全容を報告する義務があるのだからね」
学院内にある国のルールに則り、そちらは棄却される。そのため彼は床に突っ伏して涙を流すことになり、やがて通報を受けた治安局員が到着。同じくルールに則って連行されてゆき、それによって――
「は、はい、そうです……。どうして、ミゲル様が……!?」
その理由は、金を欲していたから。
ノーゼル様には意中の人がいて、その人にいいところを見せたかった。けれど散財したため懐に余裕がなく、以上の理由で両親や兄に頼んだものの支援を得られなかった。そこでローエンス様の私物に目をつけ、盗んで換金しようとしていたらしい。
「つ、つい出来心なんだ……っ。悪い事だとは思っていたけれど…………どうしても、必要で……。だからああやって怒声を上げ、必死になって中止を求めていたんだ……。デレアスに罪を擦り付けて、騒ぎになっている隙に持ち出して売りつもりだったんだ……」
ツートップの一人から犯罪者へと堕ちた、ノーゼル様。彼は崩れ落ちたあと不自然にスラスラと事情を説明し、胸の前で強く手を組んだ。
「この通りっ、猛省している!! さっき言ったように、出来心でっ、悪い事だと思っていたんだ……っ。無駄な抵抗はせず、隠していたものは洗いざらい吐いた……っ。だから……っ。だから……っっ。大目に、見てください……っ。なかったことに、してください……っっ」
さっきまでの堂々とした姿が嘘のよう。ノーゼル様は涙目になって体を震わせ、
「それはできんぞ、ノーゼルくん。ここは、王立エンジュレル学院。学内で起きた犯罪行為に当たる問題は、全容を報告する義務があるのだからね」
学院内にある国のルールに則り、そちらは棄却される。そのため彼は床に突っ伏して涙を流すことになり、やがて通報を受けた治安局員が到着。同じくルールに則って連行されてゆき、それによって――
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