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第33話 予想外、2つ ソフィ―視点(2)
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「………………な……。な…………」
その次の日の明け方。名案が浮かび上機嫌だったわたくしの顔は、青ざめ強張っていた。
……なんで……? どうして……?
お守りを盗ませたことが気付かれているの!?
自室で喜びながら待っていると、突然屋敷に治安局員がやって来て……。お父様に、わたくしの逮捕状を突きつけて来た……。
なぜ……? なぜ……!? そんなことに、なっているの……!?
「貴女が駒として雇った、リナーリアと名乗っていた女。ヤツがすべて白状したのですよ」
……治安局員の説明を聞いても、意味が分からなかった……。
誰にも悟られずに目標を達成して、誰にも悟られることなく会場を去ったはずの駒がレイオズン伯爵家の人間に捕まっていて……。その者はなぜかわたくしの名前と口封じの計画について言及して……。駒はその言及で『口封じ』を信じ……その場で所謂司法取引を行い……身の安全を保障する代わりとして、治安局に自白をしたらしい……。
((レイオズン家ですって……!? しかも同時にハルトーン家も動いていた……!? 盗まれたことに気付けたとして……どうして駒を追跡できたの……!? そ、そもそもよ……))
リュクレースもフィリベールも、一連の犯人がわたくしだと知らない。知れるはずがないのに。わたくしは巻き込まれた可哀想な被害者なのに。
なんで、確信して断言できているの……!?
「……わ、わたくしは無実ですわ。無実ですから、根拠を知りたいですわっ。犯人と特定されっ、あまつさえ逮捕状まで出てしまっている事由を教えてくださいまし!」
「特定の理由は、言及がない。よって解答できないが、もう片方はできますぞ。激しい動揺で、お忘れのようですね。その現場に、ヤリュータレアス侯爵家の人間が4名現れたのですよ」
……そう、だった……。すっかり忘れていた……。
口止めは事実で、消すために……。わたくしの手の者を向かわせていて……。わたくしは、その者達の帰りを待っていたのだった……。
「その者の一人が、脅迫状の代筆を行ったとも自供しましてね。ハルトーン伯爵邸にて保管されていた2通と一致し、そちらを加えたあらゆる動かぬ証拠が揃ったため、すみやかに逮捕状の準備が叶ったのですよ」
「……ち、違う。違いますわ。そんなの、知らない……。ソイツはっ、てっ、敵対貴族のスパイなのですわ!! 勝手に計画をして勝手に露見させてっ、わたくしを陥れようとしているのですわ!!」
「そうでしたか。あの場に現れた4人は、貴方様が指示を書いた紙を持っていたのですが――。それはどう説明していただけるのでしょうか?」
っっっ。
お父様が、生真面目で融通が利かないクレバーじゃない人間だから……! 余計な証拠を作ってしまった……!!
「…………………………」
「……ソフィー……。わたしの知らぬところで、とんでもないことを仕出かしていたのだな……」
「ちっ、違いますわ!! お父様っ、無実ですの!! 助けてくださいっ!! わたくしは何者かの陰謀によって陥れ――」
「お前は……わたしもだな。正しく罰を受け、罪を償わないといかん。……わたしもすぐ支度を致しましょう。どうぞ、この子を拘束してください」
「お父様!! お父様!! おとうさまぁああ――離して!! 離せえええ!!」
誰に何を言っても、聞き入れられない。いくら否定をしても誰も聞く耳を持たず……。
ぁぁああぁああ……!!
後ろ手に拘束され、お屋敷から引きずり出されて――
その次の日の明け方。名案が浮かび上機嫌だったわたくしの顔は、青ざめ強張っていた。
……なんで……? どうして……?
お守りを盗ませたことが気付かれているの!?
自室で喜びながら待っていると、突然屋敷に治安局員がやって来て……。お父様に、わたくしの逮捕状を突きつけて来た……。
なぜ……? なぜ……!? そんなことに、なっているの……!?
「貴女が駒として雇った、リナーリアと名乗っていた女。ヤツがすべて白状したのですよ」
……治安局員の説明を聞いても、意味が分からなかった……。
誰にも悟られずに目標を達成して、誰にも悟られることなく会場を去ったはずの駒がレイオズン伯爵家の人間に捕まっていて……。その者はなぜかわたくしの名前と口封じの計画について言及して……。駒はその言及で『口封じ』を信じ……その場で所謂司法取引を行い……身の安全を保障する代わりとして、治安局に自白をしたらしい……。
((レイオズン家ですって……!? しかも同時にハルトーン家も動いていた……!? 盗まれたことに気付けたとして……どうして駒を追跡できたの……!? そ、そもそもよ……))
リュクレースもフィリベールも、一連の犯人がわたくしだと知らない。知れるはずがないのに。わたくしは巻き込まれた可哀想な被害者なのに。
なんで、確信して断言できているの……!?
「……わ、わたくしは無実ですわ。無実ですから、根拠を知りたいですわっ。犯人と特定されっ、あまつさえ逮捕状まで出てしまっている事由を教えてくださいまし!」
「特定の理由は、言及がない。よって解答できないが、もう片方はできますぞ。激しい動揺で、お忘れのようですね。その現場に、ヤリュータレアス侯爵家の人間が4名現れたのですよ」
……そう、だった……。すっかり忘れていた……。
口止めは事実で、消すために……。わたくしの手の者を向かわせていて……。わたくしは、その者達の帰りを待っていたのだった……。
「その者の一人が、脅迫状の代筆を行ったとも自供しましてね。ハルトーン伯爵邸にて保管されていた2通と一致し、そちらを加えたあらゆる動かぬ証拠が揃ったため、すみやかに逮捕状の準備が叶ったのですよ」
「……ち、違う。違いますわ。そんなの、知らない……。ソイツはっ、てっ、敵対貴族のスパイなのですわ!! 勝手に計画をして勝手に露見させてっ、わたくしを陥れようとしているのですわ!!」
「そうでしたか。あの場に現れた4人は、貴方様が指示を書いた紙を持っていたのですが――。それはどう説明していただけるのでしょうか?」
っっっ。
お父様が、生真面目で融通が利かないクレバーじゃない人間だから……! 余計な証拠を作ってしまった……!!
「…………………………」
「……ソフィー……。わたしの知らぬところで、とんでもないことを仕出かしていたのだな……」
「ちっ、違いますわ!! お父様っ、無実ですの!! 助けてくださいっ!! わたくしは何者かの陰謀によって陥れ――」
「お前は……わたしもだな。正しく罰を受け、罪を償わないといかん。……わたしもすぐ支度を致しましょう。どうぞ、この子を拘束してください」
「お父様!! お父様!! おとうさまぁああ――離して!! 離せえええ!!」
誰に何を言っても、聞き入れられない。いくら否定をしても誰も聞く耳を持たず……。
ぁぁああぁああ……!!
後ろ手に拘束され、お屋敷から引きずり出されて――
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