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プロローグ ジュリエット・バワウット視点(3)
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「ガスパールくんは、いくつもの壁を乗り越えていったよね。やっぱり、頑張り屋さんで嘘が大嫌いな人だった」
「土台がなかったら、努力することさえできなかった。半分以上、その土台をくれたジュリエットちゃんのおかげだよ」
頑張り屋さんで嘘が大嫌いで、それともう一つ。ガスパールくんは昔から謙遜をする人で、目を細めながら首を左右に振りました。
「今の僕があるのは、ジュリエットちゃんがいてくれたからこそ。いつもありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」
「こちらこそ。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
お辞儀にお辞儀を返し、それから――。わたし達の視線は自然と、続きのリビングスペースにある小さなベッドへと移動しました。
「それともちろん、君もだよ。いつも力をくれてありがとうね、ニコ」
そこでスヤスヤと眠っているのは、わたし達の宝物。
わたしとガスパールくんは今から3年前に結婚をして、その2年後――今からおよそ1年前に、子どもを授かりました。
「ジュリエットちゃんとニコがいるから、僕はこれからも走り続けられる。まだまだ目標には程遠いですが、今後も日々精進してゆきます」
「この先も、楽しみにさせてもらいます。ずっと、傍で見守らせてもらい――あら?」
不意にチリンチリンという、来訪者を知らせる鈴の音色が鳴り響いた。
「こんな時間にどなたかしら? もしかして……」
「お隣さん、かもしれないね」
隣で長年暮らしていた老夫婦が息子さんと暮らすことになり、半年前から隣家が空き家となっていた。あの家はとても古くて壊して更地にする予定だと仰っていたけど買い手が見つかったらしく、今日そこに誰かが越してくるという話が流れて来てきていました。
引っ越し作業が落ち着いて、ご挨拶に来てくださった可能性が高いですね。
「時間的にも、多分そうだと思う。わたしも一緒に出るわ」
「うん、じゃあ行こうか。ニコ、少しだけ離れるね」
小さく手を振るガスパールくんの後ろに立って廊下を進み、玄関に到着すると――こちらの気配を感じたのでしょう。
『隣に引っ越してきた者でございます。夜分ではございますがご挨拶に参りました』
扉の向こう側から、そんな男性の声が聞こえてきました。
やっぱりそうだった。外にいらっしゃるのは、新しい隣人さんです。
「わざわざありがとうございます」
代表してガスパールくんが応じながら扉を開け、そうするとエントランスには夫婦であろう60代に見える男女と、30代半ばに見えるお二人の子どもと思しき女性がいらっしゃって――
「「「あ!!」」」
――御三方は、わたし達の姿を見るや大声をあげたのでした。
??? どうされたのでしょうか……?
「ぁ、ぁぁ……!」「ぁ、ぁぁ……!」「ぁ、ぁぁ……!」
「「???」」
「ま、間違いない……。間違いない!! お前達はっ、リーリスとオルズじゃないか!!」
「「!!」」
この男性――この方々は、わたし達の前の名前を知っている。
でも、なぜこの人達が? 一面識もないのに、どうして……?
頭の中がこんがらがっていると、わたし達はまもなくその理由を強制的に知ることとなるのでした。
「まだ気付かないのか!? 我々はお前の父であり母であり妹だ!!」
「土台がなかったら、努力することさえできなかった。半分以上、その土台をくれたジュリエットちゃんのおかげだよ」
頑張り屋さんで嘘が大嫌いで、それともう一つ。ガスパールくんは昔から謙遜をする人で、目を細めながら首を左右に振りました。
「今の僕があるのは、ジュリエットちゃんがいてくれたからこそ。いつもありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」
「こちらこそ。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
お辞儀にお辞儀を返し、それから――。わたし達の視線は自然と、続きのリビングスペースにある小さなベッドへと移動しました。
「それともちろん、君もだよ。いつも力をくれてありがとうね、ニコ」
そこでスヤスヤと眠っているのは、わたし達の宝物。
わたしとガスパールくんは今から3年前に結婚をして、その2年後――今からおよそ1年前に、子どもを授かりました。
「ジュリエットちゃんとニコがいるから、僕はこれからも走り続けられる。まだまだ目標には程遠いですが、今後も日々精進してゆきます」
「この先も、楽しみにさせてもらいます。ずっと、傍で見守らせてもらい――あら?」
不意にチリンチリンという、来訪者を知らせる鈴の音色が鳴り響いた。
「こんな時間にどなたかしら? もしかして……」
「お隣さん、かもしれないね」
隣で長年暮らしていた老夫婦が息子さんと暮らすことになり、半年前から隣家が空き家となっていた。あの家はとても古くて壊して更地にする予定だと仰っていたけど買い手が見つかったらしく、今日そこに誰かが越してくるという話が流れて来てきていました。
引っ越し作業が落ち着いて、ご挨拶に来てくださった可能性が高いですね。
「時間的にも、多分そうだと思う。わたしも一緒に出るわ」
「うん、じゃあ行こうか。ニコ、少しだけ離れるね」
小さく手を振るガスパールくんの後ろに立って廊下を進み、玄関に到着すると――こちらの気配を感じたのでしょう。
『隣に引っ越してきた者でございます。夜分ではございますがご挨拶に参りました』
扉の向こう側から、そんな男性の声が聞こえてきました。
やっぱりそうだった。外にいらっしゃるのは、新しい隣人さんです。
「わざわざありがとうございます」
代表してガスパールくんが応じながら扉を開け、そうするとエントランスには夫婦であろう60代に見える男女と、30代半ばに見えるお二人の子どもと思しき女性がいらっしゃって――
「「「あ!!」」」
――御三方は、わたし達の姿を見るや大声をあげたのでした。
??? どうされたのでしょうか……?
「ぁ、ぁぁ……!」「ぁ、ぁぁ……!」「ぁ、ぁぁ……!」
「「???」」
「ま、間違いない……。間違いない!! お前達はっ、リーリスとオルズじゃないか!!」
「「!!」」
この男性――この方々は、わたし達の前の名前を知っている。
でも、なぜこの人達が? 一面識もないのに、どうして……?
頭の中がこんがらがっていると、わたし達はまもなくその理由を強制的に知ることとなるのでした。
「まだ気付かないのか!? 我々はお前の父であり母であり妹だ!!」
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