隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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第7話 一週間後 俯瞰視点

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「さて、アイツらの家はどうなっているかな?」
 あれから一週間後の正午過ぎ。ターズン達3人は久しぶりにわが家へと戻り、早速隣人の様子を確かめ始めました。

『念には念をで来週までココを離れるぞ』

 ルンダパーズの性格なら手紙が届き次第即座に動くと確信しており、手紙の到着や移動時間を鑑みると必ず7日後までには全てが終わっている。3人は自分達が見つかってしまう可能性を確実0パーセントにするべく、無理を言って一週間毎日現場に泊まらせてもらっていたのでした。

「リーリスがどんな顔をしているのか、楽しみですわ」
「もしかすると、見えないかもしれないわよ。だって夫がいなくなったショックで自ら命を絶ってるかもしれないのだからね」
「そうだったら面白いな。さあさあ、どうだろうな?」

 周辺に人の気配は一切なく、3人はパワウット家の前まで行って中の様子を探ります。そうすると――

「うぇぇぇん! うぇぇぇん! うぇぇぇぇん!」
「あらあら、怖い夢をみちゃったのね? 大丈夫よ。お母さんはここにいるわ」

 ――こんな声が聞こえてくる。
 ジュリエットも娘ニコも、元気に暮らしていました。

「………………え?」「………………え?」「………………え?」

 夫がいなくなって、こんな風にいるはずがない。もしかして、夫はいなくなっていない?
 3人の頭の中をこんな考えが過ぎり、

「い、行くぞ!」「いきましょう!」「いってみましょう!」

 全員がまったく同じタイミングで走り出し、ホライリースへと向かいます。

「これは……まさか……」「まさか……」「まさか……」

 ターズン達の嫌な予感は的中。ホライリースへと向かってみると、オーナーシェフであるガスパールが変わらぬ様子で働いていました。

「アイツがいるだと!?」
「そんな、バカな……」
「住所を教えたのに……。どうなっていますの……」

 どちらかが絶対に起きるはずなのに、どちらも起きていなかった。思いもよらない事態となっている理由は、この計画の最重要人物であるルンダパーズにありました。

『なんですってえ!? 今日までどんな気持ちで待っていたか分かっているの!? この気持ちをどうしてくれるの――あぶ!? あぶぶぶぶ…………』

 ガスパール蒸発の一報を受け、一瞬にして過去最大級のレベルで激昂した影響なのでしょう。顔をトマトのようにしていた彼女は突如大量の泡を噴き出し、そのまま真後ろにバタンと倒れてしまったのでした。
 幸いにも命に別状はありませんでしたが、『大量に泡を吹く』『突然気を失う』は71年の人生の中で初めての経験。初であるが故に激しい恐怖を覚えてしまい、ガスパールことオルズが関わるもの全てが激しいトラウマとなってしまっていたのです。

『おい見てくれ。この差出人不明の手紙を開けてみたら、オルズ――あの元少年が居るらしい場所が書いてあったぞ』
『…………そう、書いてあるな』
『どうする?』
『…………捨ててしまおう。こんなものを残していたら、俺達がとばっちりを受けかねないからな』

 そのため情報がルンダパーズに届くことはなく、ルンダパーズおよびルンダパーズの関係者がやって来ることもなかったのでした。


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