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第5話(2)
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「そ、そんな……。あたし達は、出会う時期を間違えた……っ!!」
あれから三十数分後。あたしは、男性用スペースの一角――季節外の商品を取り扱っている場所で、頭を抱えていた。
…………うん。はい。試着時の影響が残ってて、リアクションが大袈裟になってるかもだね。
「季節外の商品は、この時期は大幅な値引きがされている……。それに当然、このシーズンは使用できない……。でも……。これ、すっごくいい……っ」
今熱い視線を注いでいるのは、マネキンが着ているチェスターコート。
ネイビーのチェスターは――そもそもチェスターコート自体、本来アルフレッドにはあまり似合わないもの。だけどこの一品は、別物。シンプルだけど無駄のないデザインが、それこそアルフレッドの違う魅力を引き立たせてくれること間違いなし。
あたしは、自信を持って明言できる。これがこの店で現在1番、プレゼントに相応しいと!
「………値引きされている理由は、シーズン外だから。傷んでいるなど、どこかに不備があるんじゃない。それに11月になったら、ちゃんと着られる。……………………やっぱり、このチェスターコートにしよう」
マネキンが着用しているものはSサイズで、『他のサイズもございます』と書かれている。そのため女性の店員さん(さっき試着室に駆け付けてくれた方)に頼んで、ピッタリのものを用意してもらった。
「アルフレッド、あたしが選んだのはコレ。いくつか問題があるのは、許してね」
「リルは俺に一番似合うのを選んでくれてて、それが偶々こいつだっただけ。なにも問題はないっての」
すぐに首を左右に振ってくれて、「むしろ」と続ける。
「今回の冬はリルと思い出を作れなかったから、冬にまつわる思い出ができてラッキーだ。嬉しいよ、サンキュ」
「……アルフレッド……っ。そっか……っ。そうだね……っ」
「そうそう、そういうコト。今年はこの服を着て、いっぱい2人で過ごそうぜ」
「うん、いっぱい過ごそうね。今年は、去年とは大違いの冬になりそうっ」
あたしとアルフレッドは笑い合って、お会計。店員さんに頼んでギフト包装してもらって、あたし達はそれぞれのプレゼントを持って店をあとにした。
「いい買い物が出来てよかったな。次はどうする?」
「このあとは……。ジュエリーショップに、寄りたいな。少し気が早いけど、結婚指輪を見ときたいなって」
婚約破棄が行われた場合、非がある方は――今回の場合あたしは、1年間は婚約も結婚もできなくなってしまう。だからその時までは余裕があるんだけど、これは一生ものなんだもん。しっかりと吟味をしておきたい。
「また意見が一致で、俺もそうしたいと思ってたんだよ。色んな街色んな店で、見ときたいよな」
「そうそう、そうなんだよね。お互い結婚できる年齢になったことだし、その日を見据えて――」
「あら? そこの貴女、リルよね?」
いざゆかん! ってノリノリで言おうとしていたら、左側から声をかけられた。
ゲ。屈強な護衛を付けた縦ロールの美少女は、伯爵家の令嬢ミーラ・フェフル。去年の春まで通っていた学舎の同級生で、学業面であたしを敵視してた人……。
なんか、ニンマリしてるし……。嫌な予感が、する……。
あれから三十数分後。あたしは、男性用スペースの一角――季節外の商品を取り扱っている場所で、頭を抱えていた。
…………うん。はい。試着時の影響が残ってて、リアクションが大袈裟になってるかもだね。
「季節外の商品は、この時期は大幅な値引きがされている……。それに当然、このシーズンは使用できない……。でも……。これ、すっごくいい……っ」
今熱い視線を注いでいるのは、マネキンが着ているチェスターコート。
ネイビーのチェスターは――そもそもチェスターコート自体、本来アルフレッドにはあまり似合わないもの。だけどこの一品は、別物。シンプルだけど無駄のないデザインが、それこそアルフレッドの違う魅力を引き立たせてくれること間違いなし。
あたしは、自信を持って明言できる。これがこの店で現在1番、プレゼントに相応しいと!
「………値引きされている理由は、シーズン外だから。傷んでいるなど、どこかに不備があるんじゃない。それに11月になったら、ちゃんと着られる。……………………やっぱり、このチェスターコートにしよう」
マネキンが着用しているものはSサイズで、『他のサイズもございます』と書かれている。そのため女性の店員さん(さっき試着室に駆け付けてくれた方)に頼んで、ピッタリのものを用意してもらった。
「アルフレッド、あたしが選んだのはコレ。いくつか問題があるのは、許してね」
「リルは俺に一番似合うのを選んでくれてて、それが偶々こいつだっただけ。なにも問題はないっての」
すぐに首を左右に振ってくれて、「むしろ」と続ける。
「今回の冬はリルと思い出を作れなかったから、冬にまつわる思い出ができてラッキーだ。嬉しいよ、サンキュ」
「……アルフレッド……っ。そっか……っ。そうだね……っ」
「そうそう、そういうコト。今年はこの服を着て、いっぱい2人で過ごそうぜ」
「うん、いっぱい過ごそうね。今年は、去年とは大違いの冬になりそうっ」
あたしとアルフレッドは笑い合って、お会計。店員さんに頼んでギフト包装してもらって、あたし達はそれぞれのプレゼントを持って店をあとにした。
「いい買い物が出来てよかったな。次はどうする?」
「このあとは……。ジュエリーショップに、寄りたいな。少し気が早いけど、結婚指輪を見ときたいなって」
婚約破棄が行われた場合、非がある方は――今回の場合あたしは、1年間は婚約も結婚もできなくなってしまう。だからその時までは余裕があるんだけど、これは一生ものなんだもん。しっかりと吟味をしておきたい。
「また意見が一致で、俺もそうしたいと思ってたんだよ。色んな街色んな店で、見ときたいよな」
「そうそう、そうなんだよね。お互い結婚できる年齢になったことだし、その日を見据えて――」
「あら? そこの貴女、リルよね?」
いざゆかん! ってノリノリで言おうとしていたら、左側から声をかけられた。
ゲ。屈強な護衛を付けた縦ロールの美少女は、伯爵家の令嬢ミーラ・フェフル。去年の春まで通っていた学舎の同級生で、学業面であたしを敵視してた人……。
なんか、ニンマリしてるし……。嫌な予感が、する……。
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