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第2話 2日後 俯瞰視点(2)
「無礼かつ荒唐無稽な発言をお許しください。我々はこの一件を、何らかの存在の憑依によるものだと考えております」
見ることも触れることもできない。邸内に三女の部屋はなく、イスなども家族用は4セットしかない。明らかに『ルナ』は存在していなくて、マティウス様の中でのみ存在している。
それらの理由から、アスユト家の皆様はそう判断されていました。
「……そうですな。我々も、同様の考えが浮かんでおりました」
居るフリをする、或いはフリをさせているメリットはない。この婚約に『ケチ』がついた場合により悪影響が出てしまうのはアスユト家の方で、むしろデメリットしかありません。
その他にも複数の理由で可能性が否定されており、となればおのずとそうなります。
「しかも……。アレに憑いているのは、かなり厄介なもののようです……」
「と、仰りますと……?」
「ルナという人間なんて、居ない。お前はそう思い込んでいるか思い込まされているだけだ。そう伝えると、マティウスは狂ったように怒りだしたのですよ」
居ない? ふざけるな!! ルナ様に失礼だろうが!! いくら父上でも許さないぞ!! 今すぐに撤回しろ!! ルナ様はちゃんと実在する!! ルナ様に謝れ!! いいから謝れ!! さあ早く!! 早くっ!!
家族であるお三方が言葉を失ってしまうほどの、今までにない権幕だったそうです。
「あの時のあの子は……。異常という表現がピッタリでしたわ」
「自分以外認知できていないことに対しても疑問を抱いていませんし、我々の言葉ではどうにもならないと痛感しました。故に現在、マティウスに内緒で除霊に関する情報を集めております」
ただ――。と、ロドン様は顔を歪められました。
「ウチも様々な情報網を所有しておりますが、さすがに霊の分野は専門外。成果が出るかは不透明なのです……」
「なるほど。我々の方でも収集を始めましょう」
「痛み入ります……」
わたしも――お父様達も同じく、霊なんて実在するものではないと思っていました。したがってそちらに関する知識もコネクションもまるでなく、協力して探さないとどうなるか分かりません。
「それと、もう一点ご相談がありまして。この件に進展があるまで、週一回の交流は止めておくべきかと思います」
「そう、ですな。賢明でしょうな」
ウチを訪れたら『ルナ様!』となり悪化してしまいそうですし、あちらを訪れたら『ルナ様は!?』となってしまいそう。その影響で治しにくなってしまうかもしれないですし、波風は立たないようにするべきですよね。
「なにからなにまで、申し訳ございません。……あの子抜きで行いたいお話は、以上でございます」
長時間仲間外れにしてしまえば、それはそれで問題が発生してしまうかもしれません。そこでその後はマティウス様も加えて再び8人で話し合いを行い、更に1時間ほど意見を交わし合って両家の話し合いはお仕舞となりました。
ですので、アスユト家の皆様はお帰りになられることとなり――
「イナヤ様、お伝えしたいことがございます」
――マティアス様達が、お父様とお母様とお話しをしながら応接室を出た直後のことでした。わたしも続こうとしていたら、不意にマティウスの弟がそう仰ったのでした。
見ることも触れることもできない。邸内に三女の部屋はなく、イスなども家族用は4セットしかない。明らかに『ルナ』は存在していなくて、マティウス様の中でのみ存在している。
それらの理由から、アスユト家の皆様はそう判断されていました。
「……そうですな。我々も、同様の考えが浮かんでおりました」
居るフリをする、或いはフリをさせているメリットはない。この婚約に『ケチ』がついた場合により悪影響が出てしまうのはアスユト家の方で、むしろデメリットしかありません。
その他にも複数の理由で可能性が否定されており、となればおのずとそうなります。
「しかも……。アレに憑いているのは、かなり厄介なもののようです……」
「と、仰りますと……?」
「ルナという人間なんて、居ない。お前はそう思い込んでいるか思い込まされているだけだ。そう伝えると、マティウスは狂ったように怒りだしたのですよ」
居ない? ふざけるな!! ルナ様に失礼だろうが!! いくら父上でも許さないぞ!! 今すぐに撤回しろ!! ルナ様はちゃんと実在する!! ルナ様に謝れ!! いいから謝れ!! さあ早く!! 早くっ!!
家族であるお三方が言葉を失ってしまうほどの、今までにない権幕だったそうです。
「あの時のあの子は……。異常という表現がピッタリでしたわ」
「自分以外認知できていないことに対しても疑問を抱いていませんし、我々の言葉ではどうにもならないと痛感しました。故に現在、マティウスに内緒で除霊に関する情報を集めております」
ただ――。と、ロドン様は顔を歪められました。
「ウチも様々な情報網を所有しておりますが、さすがに霊の分野は専門外。成果が出るかは不透明なのです……」
「なるほど。我々の方でも収集を始めましょう」
「痛み入ります……」
わたしも――お父様達も同じく、霊なんて実在するものではないと思っていました。したがってそちらに関する知識もコネクションもまるでなく、協力して探さないとどうなるか分かりません。
「それと、もう一点ご相談がありまして。この件に進展があるまで、週一回の交流は止めておくべきかと思います」
「そう、ですな。賢明でしょうな」
ウチを訪れたら『ルナ様!』となり悪化してしまいそうですし、あちらを訪れたら『ルナ様は!?』となってしまいそう。その影響で治しにくなってしまうかもしれないですし、波風は立たないようにするべきですよね。
「なにからなにまで、申し訳ございません。……あの子抜きで行いたいお話は、以上でございます」
長時間仲間外れにしてしまえば、それはそれで問題が発生してしまうかもしれません。そこでその後はマティウス様も加えて再び8人で話し合いを行い、更に1時間ほど意見を交わし合って両家の話し合いはお仕舞となりました。
ですので、アスユト家の皆様はお帰りになられることとなり――
「イナヤ様、お伝えしたいことがございます」
――マティアス様達が、お父様とお母様とお話しをしながら応接室を出た直後のことでした。わたしも続こうとしていたら、不意にマティウスの弟がそう仰ったのでした。
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