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第14話 会話 マリー&オーガスティン視点(2)

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「ねえ、オーガスティン。最後の思い出に…………わたしと一緒に、ランチを食べて欲しいの」

 やっておかないといけないことを、やるために。肩を窄めながら、手作りのランチを用意していると伝えた。

「明日からはまたザラ様とご一緒するようになって、わたしにはもう二度と二人きりの機会はやって来ないから……。お詫びも兼ねて、一緒に食べてもらえませんか……?」
「断る。そんなイカレタ女と食べる食事などない」
「そう……。そうよね……。分かったわ……」

 ええ。ええ、分かったわ。
 できるだけ痛くないやり方・・・・・・・・にしたかったのだけれど、それなら仕方がないわ。オーガスティンには、少しだけ我慢してもらいましょう。

「話は以上だ。いいか、マリー。俺はお前が、大嫌いになっている。金輪際、話しかけてくるんじゃないぞ」
「…………ええ、はい。さようなら、オーガスティン」

 そうね、わたしはさようならをするの。
 今の、オーガスティンと――。


 〇〇


((まったく。余計な手間を取らせがって……!))

 マリーを鋭く睨みつけ、しっかりと釘を刺したあと。俺は大息を吐いて踵を返し、舌打ちをしながら今来た道を独りで引き返す。
 コイツのせいで今日は朝から慌ただしくなって、昨日から何度も戸惑う羽目になった。だからヤツの頬を思い切り引っ叩いてやりたかったが、自棄になって『暴力を振るわれた』などと言い出されたら面倒だからな。痕が残る行為は厳禁で、仕方なく何もしなかったのだ。

((まあいい。この苛立ちは、ザラと過ごして発散させるか))

 今は、授業を受ける気分じゃない。このまま屋敷に戻って、二人でたっぷりと愛を育もう。

「……あの露出度の高い服は、なかなかよかったな。またあの服を着させて、今日はあのデカい胸を揉んでやろう――がぁ!?」

 なんだ!? 突然首に、激痛が走って…………。
 だ、めだ……。
 意識が、遠のいて……。い、く……………………。

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