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第1話 謎が多い面接(4)
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「いただいた情報によりますと、水前寺さんは県外の方なのですね。でしたら、北部にある『天地村(あまちむら)』を御存じありませんよね?」
「いえ。行ったことはありませんが、名前は知っています」
大学に通うと決まった時に、この県の情報を色々調べた。
人口は確か300人前後の、とても小さな田舎の村。美郷先輩の運転で県内の色々な場所に行ったけど、天地村は観光スポットも特産も特になかったから、一度も訪れたことがない。
「そうでしたか。実はその天地村は、あやかしの村なんです。天地村の村人は全員が、そちらにある『器』に入って生活しているあやかしなんですよ」
「……あやかしだけの、村。だけということは、国? 少なくとも県はあやかしの存在を把握していて、支援をしているんですね」
ちゃんと地図にも載っている場所なんだもの。誰かが関与していないと、『だけ』にはならない。
「仰る通りです。始まりは、平安時代。当時はあやかしが日々各地で悪さをしていて、僕のご先祖様があやかしを懲らしめていたんですよ」
そんなご先祖様は人間とあやかしの共存を願っていて、その一環として強力な霊力を用いて『器』を創造。倒したあやかしに想いを伝えて同意を得た上でその中に入れて人に見えて話しもできるようにして、溶け込めるようにしたそう。
ただあやかしと人間は考え方など異なる点が多く、人間界の中で人として生きていくのは難しかった。そこでご先祖様が当時の偉い人に掛け合い、あやかしだけが暮らす村を作ってもらったそうです。
「俺もその中の一人? 一あやかし? で、人間がいう平安時代からずっとその村で暮らしている。俺も含め村にいるヤツ全員が人間の身体で過ごす日々を新鮮に感じていてな、すっかり気に入って人間として生きていってるってワケだ」
心問答さんこと鈴木さんは『器』を見下ろしてガハハっと笑い、でも――。はぁ、とため息をついた。
「こんな風に一度出たら器はもう使えなくて、新しいのを作るには一年近くかかる。ストックがあるにはあるが数が少なくてよ、俺達は器に入りっぱなしなんだよ。だから常時『人』になっていて、人なら食事は居るし住む家や移動する道や橋なんかもいる。だろ?」
「で、ですね」
「米や野菜を作る方法は覚えたし、家など生活に必要なものの建て方や直し方、整備の方法なんかも覚えた。だがどれも、何かと金が要るんだよ」
お米は手植えをしても脱穀などの機械やその他の道具が必要だし、家などを直すにしても道具と材料が必要。燃料や電気代だって発生する。
「最初のうちは今でいう県が提供してくれてたんだが、昨今人間界も不景気だろ? 年々その額が減っていってさ、作った米や野菜なんかを売って穴埋めしてたんだが、それもいつまでももたない。一年もすれば破綻して、近いうちに村を維持できなくなっちまうんだよ」
「………………」
「俺は――俺達は何百年も村で暮らしてて、すっかり村が居場所になっちまってるんだよ。だからどうにかして、天地村を残したい。だから自分達でより金を稼げるように、観光スポットや名産名物を作ろうとしたんだよ」
だけど――。わたしが4年間1度も興味を持たなかったように、観光スポットも名産も名物も生み出せなかった。
「俺らは何をやっても駄目で、失敗続き。そこでようやく気が付いたんだよ。自力じゃ駄目だ、アドバイザーが必要だってな」
「アド、バイザー……」
まさか。
「ええ、想像されている通りです。水前寺さんには天地村のアドバイザーとして、所謂村おこしのお手伝いをしていただきたいのですよ」
「いえ。行ったことはありませんが、名前は知っています」
大学に通うと決まった時に、この県の情報を色々調べた。
人口は確か300人前後の、とても小さな田舎の村。美郷先輩の運転で県内の色々な場所に行ったけど、天地村は観光スポットも特産も特になかったから、一度も訪れたことがない。
「そうでしたか。実はその天地村は、あやかしの村なんです。天地村の村人は全員が、そちらにある『器』に入って生活しているあやかしなんですよ」
「……あやかしだけの、村。だけということは、国? 少なくとも県はあやかしの存在を把握していて、支援をしているんですね」
ちゃんと地図にも載っている場所なんだもの。誰かが関与していないと、『だけ』にはならない。
「仰る通りです。始まりは、平安時代。当時はあやかしが日々各地で悪さをしていて、僕のご先祖様があやかしを懲らしめていたんですよ」
そんなご先祖様は人間とあやかしの共存を願っていて、その一環として強力な霊力を用いて『器』を創造。倒したあやかしに想いを伝えて同意を得た上でその中に入れて人に見えて話しもできるようにして、溶け込めるようにしたそう。
ただあやかしと人間は考え方など異なる点が多く、人間界の中で人として生きていくのは難しかった。そこでご先祖様が当時の偉い人に掛け合い、あやかしだけが暮らす村を作ってもらったそうです。
「俺もその中の一人? 一あやかし? で、人間がいう平安時代からずっとその村で暮らしている。俺も含め村にいるヤツ全員が人間の身体で過ごす日々を新鮮に感じていてな、すっかり気に入って人間として生きていってるってワケだ」
心問答さんこと鈴木さんは『器』を見下ろしてガハハっと笑い、でも――。はぁ、とため息をついた。
「こんな風に一度出たら器はもう使えなくて、新しいのを作るには一年近くかかる。ストックがあるにはあるが数が少なくてよ、俺達は器に入りっぱなしなんだよ。だから常時『人』になっていて、人なら食事は居るし住む家や移動する道や橋なんかもいる。だろ?」
「で、ですね」
「米や野菜を作る方法は覚えたし、家など生活に必要なものの建て方や直し方、整備の方法なんかも覚えた。だがどれも、何かと金が要るんだよ」
お米は手植えをしても脱穀などの機械やその他の道具が必要だし、家などを直すにしても道具と材料が必要。燃料や電気代だって発生する。
「最初のうちは今でいう県が提供してくれてたんだが、昨今人間界も不景気だろ? 年々その額が減っていってさ、作った米や野菜なんかを売って穴埋めしてたんだが、それもいつまでももたない。一年もすれば破綻して、近いうちに村を維持できなくなっちまうんだよ」
「………………」
「俺は――俺達は何百年も村で暮らしてて、すっかり村が居場所になっちまってるんだよ。だからどうにかして、天地村を残したい。だから自分達でより金を稼げるように、観光スポットや名産名物を作ろうとしたんだよ」
だけど――。わたしが4年間1度も興味を持たなかったように、観光スポットも名産も名物も生み出せなかった。
「俺らは何をやっても駄目で、失敗続き。そこでようやく気が付いたんだよ。自力じゃ駄目だ、アドバイザーが必要だってな」
「アド、バイザー……」
まさか。
「ええ、想像されている通りです。水前寺さんには天地村のアドバイザーとして、所謂村おこしのお手伝いをしていただきたいのですよ」
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