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第9話 同時刻、ミレーヌは~お茶会の時に起きていたことと、悲劇の始まり~ 俯瞰視点(3)
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「…………お父様、お母様。なんですの、それ? どういうことですの?」
『『これからは、楽しい時間の始まりだ(始まりよ)っ。あのブレスレットのことなんて忘れて、家族3人で楽しもうじゃないか!!(楽しみましょ!!)』』。
それを聞いたミレーヌの表情が、一変。機嫌が戻りつつあった顔に苛立ちが表れ、両肩がプルプルと震え始めました。
「……え? み、ミレーヌ? 急にどうしたと――ぁっ! ち、違うんだ……っ。違うんだよミレーヌ……っ!」
「こ、これはね、言葉のアヤなの……!! お母さん達は、辛い出来事を忘れて楽しいで欲しい、そう言いたかっただけなのっ!」
ようやく自分達の失言を知ったドミニクとノエラは、顔面蒼白になって首を左右に振ります。
2人の言い分は、紛れもない事実。その台詞に、悪意は一切ありませんでした。
でも――
「嘘ですわ!! 本当に想っているのなら、そんな言葉は絶対に出ないものっ!! お父様もお母様も、やっぱり他人事だった!! どうでもいいと思っていたんですわね!!」
――その気持ちは娘には届かず、ミレーヌは目を剥いて叫びました。
最大の愉しみを失ったイライラ。肌が台無しになったイライラ。宝物を失ってしまったイライラ。
そういったもの達が合わさり、感情を激しく爆発させてしまったのです。
「そっ、そうじゃないんだっ! お父さん達はお前が大切なんだよ……っ」
「その証拠に、ほらっ、これまでのことを思い出してっ? お誕生日には大きなケーキを用意したり、貴女が欲しがっていた高価なネックレスを買ってあげたり。他人事に思う人達が、そんなことをわざわざすると思う? するはずがな――」
「そんなの関係ないっ!! わたくしは今の話をしているんですのっ!! 過去がどうだったかなんて関係ありませんわ!! 恩着せがましいっっ!!」
今のミレーヌにとって、2人の言葉は全て鬱陶しい。そのため理不尽な言い分を並べて怒鳴り返し、部屋の出入り口を鋭く睨みつけます。
「こんな人達とは当分っ、口を利きたくないっ! ここから出てって! 独りにしてっ! 早くっっ!!」
「…………わ、分かった。ただちに退室する。……傷付けてすまない、ミレーヌ……」
「お母さん達は本当に、そんなつもりはなかったの。…………ごめんなさいね、ミレーヌ……」
仮に激昂したのがマリエットなら、問答無用で夕食抜きとなっていました。しかしながら2人はミレーヌが大切なため、こんな時でも低姿勢。自分達に非があると深々と頭を下げ、傷つけてしまった罪悪感に苛まれながら、トボトボと部屋を去ったのでした。
マリエット達が4人で抱き合い、仲良く嬉し涙を流していた頃。リュシア邸ではこういったすれ違いが起きており、ミレーヌの機嫌は直ることはありませんでした。
そのためミレーヌは、ひどくイライラしたままパーティーに参加する羽目になり――
姉マリエットと妹ミレーヌ。
それぞれ別のパーティーに参加した2人には、正反対の出来事が待っているのでした。
『『これからは、楽しい時間の始まりだ(始まりよ)っ。あのブレスレットのことなんて忘れて、家族3人で楽しもうじゃないか!!(楽しみましょ!!)』』。
それを聞いたミレーヌの表情が、一変。機嫌が戻りつつあった顔に苛立ちが表れ、両肩がプルプルと震え始めました。
「……え? み、ミレーヌ? 急にどうしたと――ぁっ! ち、違うんだ……っ。違うんだよミレーヌ……っ!」
「こ、これはね、言葉のアヤなの……!! お母さん達は、辛い出来事を忘れて楽しいで欲しい、そう言いたかっただけなのっ!」
ようやく自分達の失言を知ったドミニクとノエラは、顔面蒼白になって首を左右に振ります。
2人の言い分は、紛れもない事実。その台詞に、悪意は一切ありませんでした。
でも――
「嘘ですわ!! 本当に想っているのなら、そんな言葉は絶対に出ないものっ!! お父様もお母様も、やっぱり他人事だった!! どうでもいいと思っていたんですわね!!」
――その気持ちは娘には届かず、ミレーヌは目を剥いて叫びました。
最大の愉しみを失ったイライラ。肌が台無しになったイライラ。宝物を失ってしまったイライラ。
そういったもの達が合わさり、感情を激しく爆発させてしまったのです。
「そっ、そうじゃないんだっ! お父さん達はお前が大切なんだよ……っ」
「その証拠に、ほらっ、これまでのことを思い出してっ? お誕生日には大きなケーキを用意したり、貴女が欲しがっていた高価なネックレスを買ってあげたり。他人事に思う人達が、そんなことをわざわざすると思う? するはずがな――」
「そんなの関係ないっ!! わたくしは今の話をしているんですのっ!! 過去がどうだったかなんて関係ありませんわ!! 恩着せがましいっっ!!」
今のミレーヌにとって、2人の言葉は全て鬱陶しい。そのため理不尽な言い分を並べて怒鳴り返し、部屋の出入り口を鋭く睨みつけます。
「こんな人達とは当分っ、口を利きたくないっ! ここから出てって! 独りにしてっ! 早くっっ!!」
「…………わ、分かった。ただちに退室する。……傷付けてすまない、ミレーヌ……」
「お母さん達は本当に、そんなつもりはなかったの。…………ごめんなさいね、ミレーヌ……」
仮に激昂したのがマリエットなら、問答無用で夕食抜きとなっていました。しかしながら2人はミレーヌが大切なため、こんな時でも低姿勢。自分達に非があると深々と頭を下げ、傷つけてしまった罪悪感に苛まれながら、トボトボと部屋を去ったのでした。
マリエット達が4人で抱き合い、仲良く嬉し涙を流していた頃。リュシア邸ではこういったすれ違いが起きており、ミレーヌの機嫌は直ることはありませんでした。
そのためミレーヌは、ひどくイライラしたままパーティーに参加する羽目になり――
姉マリエットと妹ミレーヌ。
それぞれ別のパーティーに参加した2人には、正反対の出来事が待っているのでした。
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