最近わたしの周りで不気味なことが起きるんです。だから護っていただけませんか……? と、妹が姉の婚約者に言い寄った結果

柚木ゆず

文字の大きさ
4 / 27

第1話 嘘だった妹~作戦は順調に始まっ――え……?~ ニノン視点(3)

しおりを挟む
「…………なにも、聞こえないね。憑依されてはいないようだ」

 ガーデンテーブルに突っ伏していたら、そんなお声が聞こえてきた。
 そ、そうなの……。わたしには、何も憑いてないの……。原因は、別のところにあるの……。だから付きっ切りで護って、幸せな時間を作ってください…………。

「じゃ、じゃあ、次の――うぶ……!? ご、ごめんなさい……。ちょっとだけ待ってくださぃ……」

 次のことに移ろうとしたら、あの液体が口から出てきそうになった。なのでその場で横たわって、5分くらいあとにようやく復活しました……。

「つらい思いをさせて、すまないね。もう大丈夫かい?」
「は、はい。どうにか、大丈夫です。…………憑りつかれていないってことは……。悪さをしてる存在がどこにいるのか、分からないんですよね? わたし怖い……っ」

 震えるお芝居をしながら、サンティラス様にぎゅっと抱き付く。
 ふふふふふっ、やっと始まった~っ。ここからドンドン、幸せになってくよ~っ!

「なので、とっても不安で……。サンティラス様、わたしのお傍にいてください……っ」

 お胸に顔を埋めたあと、うるうる目で弱弱しく見上げる。
 これがわたしの得意技、『可愛い小動物からのお願い』。子ウサギな可愛い子が、こんなにもキュートな姿でお願いしてるんだもん。だから、今までの成功率は100%っ。みんなが保護欲を掻き立てられて、聞いてくれるんだよね~。

「ああ、勿論だよ。運よく、数日間は予定が何も入っていないからね。この件が解決するまで、二十四時間体制で君を護ると約束しよう」

 っっ、ほらね~っ。やったぁっ。作戦通りっ。
 数日間予定が空いてるのは知ってたけど、それでも、付きっ切りになるのは難しいよね? でもでもっ。サンティラス様の優しさと私の『うるうる』が合わさって、ずっと居てもらえることになりました……っ。

「クリストフ様。お時間を割く事になってしまい、申し訳ございません」
「アネットが気に病む問題ではないよ。それにニノンは、もうすぐ義妹になる大切な人だ。そんな子を助けられるのは、嬉しいことさ」

 ちっちっち、違いますよ~サンティラス様っ。ここにいるのは、もうすぐ婚約者になる人なんですよ~っ。

((これから貴方はわたしに触れて、変わってゆくんです))

 今はまだ気付いていない、ニノン・ニテアの魅力。それを2人きりでたっぷり、感じてもらいますからねっ。
 楽しみに、しておいてくださいね――

「では、そろそろ次の工程に移るとしようか。僕はこれから、5~6時間程度独りで『あること』を行う。それが終わるまでニノンは念のために、アネットと共に君の自室で待機していてくれ」

 ――え……?
 わたし……。お姉ちゃんと2人きりになるの……⁉

しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

いや、無理。 (完結)

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。 もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、 「わかってくれるだろう?ミーナ」 と手を差し伸べた。 だから私はこう答えた。 「いや、無理」 と。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました

鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」 そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。 王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。 私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。 けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。 華やかな王宮。 厳しい王妃許育。 揺らぐ王家の威信。 そして――王子の重大な過ち。 王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。 離縁を望んでも叶わない義妹。 肩書きを失ってなお歩き直す王子。 そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。 ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。 婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

処理中です...