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補完編その2 エピローグに至るまでの(改心して侍女になるまでの)お話 俯瞰視点(3)
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「ここ、は……。これ、は……。もしかして……」
マリィが気が付くと、そこは広々とした草原。非常に覚えのある、この世で一番嫌な場所で立っていました。
「まさか……。また、悪夢が来た……? ち、違いますわよね……? これは、たまたまっ。偶然に似た景色の夢を、視ているだけですわよね……?」
そうだ、きっとそうだ。だって今日は、いつもとは違って夢だって分かっている。それにっ。馬車の中でも帰ってからも、起きなかった! そうに違いないっ!
彼女は自分に言い聞かせ、ですがすぐに、それは大間違いなのだと理解します。
「マリィ、違うよぉ? 似た景色じゃないよぉ? 俺達がいつも会ってた、あの場所だよぉ」
背後から聞き覚えのある声がして、マリィはギギギギッと。油の切れたブリキ人形の如く振り返ると、そこにはテオがいました。異常に口角が吊り上がり、ドロドロとした不気味な声音を持つ、禍々しいテオがいました。
「そ、んな……。どうして……。どうして……!? 馬車でも、帰ってからも……。出てこなかったのに……。どうして……」
「さぁねぇ? 理由は分からないけど、また会えて嬉しいよぉマリィ。…………ねえ、止めるのは止めようよぉ。もっと悪巧みをしてよ。もっと悪巧みをしてよ。俺に挑んできてよ。俺に挑んできてよ」
「ひ……。ひぃ……。ひぃぃぃぃ……」
「反省を反省しようよぉ。どんな作戦でも、対処してみせるからさ。どんな作戦でも、対処してみせるからさ。さあ、仕掛けてきてよ。あの頃のようにぃ、しかけてきてよぉ……!」
「ぎっ、ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああ!!」
たまらず悲鳴を上げながら逃げ出し、死に物狂いで走ります。
両手両脚を千切れんばかり振って、とにかく駆ける。涙と鼻水をまき散らしながら、一心不乱に地面を蹴り続けます。
「いやぁぁぁああ!! いやぁぁあああ!! 醒めえぇっ!! 早く醒めてぇぇええええええええええええええ!! 早くしないと、捕まる、からぁっ!! 早く醒めてぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」
「ざーんねん。まだまだ醒めないよぉ。だってぇ、2回も会えなかったんだもぉん。その分まで追いかけるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぎぁああああああああああああああっ!? ぎぃああああああああああ――ぁぁっ!?」
後方でニタニタと笑っていたテオが、突然加速。ものすごい勢いで追跡を始めたため驚き、うっかり自分の足を蹴って転んでしまいました。
「はっ、はやくっ!! はやく逃げないと追い付かれ――」
「ざんねーん、その2ぃ。もぅ追い付いたよぉ。つかまえたぁ」
立ち上がろうとしていると右足首を掴まれ、ずるずるずる。いつものように、引っ張られてゆきます。
けれど――。
その時でした。いつもとは、違う出来事が発生。突如引っ張っていた手は離れ、テオは大きく飛び退ってしまったのでした。
「……ぇ。ぇ……。なにが、おきたん、ですの……?」
マリィが気が付くと、そこは広々とした草原。非常に覚えのある、この世で一番嫌な場所で立っていました。
「まさか……。また、悪夢が来た……? ち、違いますわよね……? これは、たまたまっ。偶然に似た景色の夢を、視ているだけですわよね……?」
そうだ、きっとそうだ。だって今日は、いつもとは違って夢だって分かっている。それにっ。馬車の中でも帰ってからも、起きなかった! そうに違いないっ!
彼女は自分に言い聞かせ、ですがすぐに、それは大間違いなのだと理解します。
「マリィ、違うよぉ? 似た景色じゃないよぉ? 俺達がいつも会ってた、あの場所だよぉ」
背後から聞き覚えのある声がして、マリィはギギギギッと。油の切れたブリキ人形の如く振り返ると、そこにはテオがいました。異常に口角が吊り上がり、ドロドロとした不気味な声音を持つ、禍々しいテオがいました。
「そ、んな……。どうして……。どうして……!? 馬車でも、帰ってからも……。出てこなかったのに……。どうして……」
「さぁねぇ? 理由は分からないけど、また会えて嬉しいよぉマリィ。…………ねえ、止めるのは止めようよぉ。もっと悪巧みをしてよ。もっと悪巧みをしてよ。俺に挑んできてよ。俺に挑んできてよ」
「ひ……。ひぃ……。ひぃぃぃぃ……」
「反省を反省しようよぉ。どんな作戦でも、対処してみせるからさ。どんな作戦でも、対処してみせるからさ。さあ、仕掛けてきてよ。あの頃のようにぃ、しかけてきてよぉ……!」
「ぎっ、ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああ!!」
たまらず悲鳴を上げながら逃げ出し、死に物狂いで走ります。
両手両脚を千切れんばかり振って、とにかく駆ける。涙と鼻水をまき散らしながら、一心不乱に地面を蹴り続けます。
「いやぁぁぁああ!! いやぁぁあああ!! 醒めえぇっ!! 早く醒めてぇぇええええええええええええええ!! 早くしないと、捕まる、からぁっ!! 早く醒めてぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」
「ざーんねん。まだまだ醒めないよぉ。だってぇ、2回も会えなかったんだもぉん。その分まで追いかけるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぎぁああああああああああああああっ!? ぎぃああああああああああ――ぁぁっ!?」
後方でニタニタと笑っていたテオが、突然加速。ものすごい勢いで追跡を始めたため驚き、うっかり自分の足を蹴って転んでしまいました。
「はっ、はやくっ!! はやく逃げないと追い付かれ――」
「ざんねーん、その2ぃ。もぅ追い付いたよぉ。つかまえたぁ」
立ち上がろうとしていると右足首を掴まれ、ずるずるずる。いつものように、引っ張られてゆきます。
けれど――。
その時でした。いつもとは、違う出来事が発生。突如引っ張っていた手は離れ、テオは大きく飛び退ってしまったのでした。
「……ぇ。ぇ……。なにが、おきたん、ですの……?」
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