俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?

柚木ゆず

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第16話 最悪の再会と、再び返ってくる最悪な言葉 ジェラール視点(2)

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「この瞬間から24時間365日、うちの手の者がお前を監視する。その際に少しでも違(たが)えることが起きれば、貴様は即あの世へと旅立つようになる」

 それは嫌だろう? 順守しろ――。生涯愛し護り続けろと宣告したアドンは、天井を指さした……。

「殺害はマリエットを悲しませてしまうが、いつまでも追いかけ続ける羽目になるのはもっと可哀想だ。ジェラール、わたしは本気なのだよ」

 ……そいつは、視線と声調で分かる……。今のコイツは、やると決めたらやる……。

「さて、念のために確認しておこうじゃないか。ジェラール。イエス、ノー、どちらだ?」
「………………。俺は……」
「俺は?」
「……………………。わ、分かった……。イエス、だ…………」

 5人の大男に囲まれている。相手は強烈な殺意を抱いている。こんな状況なんだから、こうとしか答えられないに決まっている……!
 この場で死にたく、ないのだから……っっ!!

「多少は、賢(さか)しい男だったようだな。いや、違うか。己の死を恐れる臆病者だな」
「っっ! 誰だって恐れるだろうっ! かくいうお前だって――」
「黙れ。いつ誰が反論してもいいと言った? 貴様は黙って従っていればいいんだよ」
「ぐほっ!? ぐぅぅ……」

 きっと、一種の見せしめなのだろう。大男の一人によって腹部を殴られ、たまらず蹲ってしまう。

「今回は特別サービスで、この程度で・・・・・済ませてやった。次はないぞ。肝に銘じておけ。いいな?」
「…………く……。わ、わかった――」
「分かった? 分かりました、だろう?」
「わ、分かり、ました……。も、申し訳、ございません……」

 こんなヤツに、敬語など使いたくはない……! だが……。使わざるを、得ない…………。

「その様子なら、あの子が傷つくことはなさそうだな。……よし、ジェラール。とりあえずは、合格だ。マリエットとの同棲を始めるぞ」
「しょ、承知、致しました……。至急、支度を致します……」

 同棲ということは、ルアール邸に向かわなければならない……。だから俺は、悔しさを噛み殺しながら立ち上がって……。荷物をまとめ――

「ジェラール、貴様は何を――ああ、しまった。伝え忘れていたようだ」

 ――荷物を纏めようとしていたら、アドンが俺を止めた。
 なん、だ? なんなんだ……?

「荷物はまとめなくていい。移動する必要はないのだからな」
「……え? どういうことだ――どういうこと、なのですか……!?」

 その意味が理解できず、俺は間抜けに口を開けてしまう。そうしたら――。そうしたら……。ヤツは予想だにしなかったことを、口にしたのだった…………。

「そこで伸びているケヴィンを追い出し、ここで同棲を行うんだ。貴様の新たな拠点でマリエットを生涯愛し、養ってくれたまえ護り続けてくれたまえ

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