どうやらこのパーティーは、婚約を破棄された私を嘲笑うために開かれたようです。でも私は破棄されて幸せなので、気にせず楽しませてもらいますね

柚木ゆず

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第1話 そうとは知らない主催者は ヴァイオレット視点(1)

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((ふふふふふ。早速、良い具合にダメージを受けていますわね))

 アリシアが会場に現れてから、およそ3分後。周囲を見回している姿を眺めながら、わたくしはほくそ笑んでいました。
 360度からやって来るそういったもの・・・・・・は、傷心によ~く効きますものねぇ。どうにか表情に出さないようにしているものの、内心では泣き出しそうになっているはずですわ。

((で・も。これで終わり、ではないんですわよぉ?))

 貴女は常日頃から目障りで、あげく不正をしてテストでトップになってしまった。空気を読まず入学から続いていた連続1位の大記録・・・を途絶えさせ、あまつさえわたくしを生徒会副会長にしてしまったんですもの。
 生意気な行動のお仕置きを、これからたっぷりとしてあげますわぁ。

((……ここまでの非常識を働いたんですものね、一回では終わらせてはあげない。じっくりと攻めてあげますわ))

 まるは軽めで、段々と受ける精神的ダメージは大きくなってゆく。フルコースのように、料理をしてあげますわ。

((最初のアレは、オードブル前菜。だから次は、スープ))

 わたくしは格が高いから始まりは『アミューズ』からなのだけれど、サーディアル家は庶民に毛が生えたような貴族なんですもの。オードブルからのスタートで、2時の方向へと視線を動かした。
 そちらにあるのは、良い匂いが漂う場所。ビュッフェコーナーですわ。

((今回はアリシアに合わせて立食形式のパーティーで、これから貴女はソコに向かうことになる。そうしたら…………))

 なんとそこにあるのは、ドリンクも含めてロイス様の好物のみ。

((楽しそうにデートをする姿を、何度も目撃されている程に相思相愛だったんですもの。貴女なら当然、『好物がある』と気が付きますわよねぇ? ロイス様のことを、嫌でも思い出してしまいますわよねぇ?))

 一緒に食事をした時の出来事を――。楽しくした会話の内容を――。その際自分に向けてくれていた、大好きな笑顔を――。しっかりと、思い出してしまいますわよねぇ?

((だ・け・ど。もうその方は、隣にはいない。それらが戻って来ることは、二度とない))

 だからますます悲しくなって、うふふふふ。どうなるのかしらねぇ?
 アリシア、よいリアクションを見せてくださいまし。

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