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第3話 だから私の返事は ステラ視点(1)

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「ぇ、あれ……? ど、どうしちゃったのかな? ステラ、俺だよ? 君が強く愛している人が、反省をしてああ言っているんだよ? どうして、受け入れてくれないのかな……?」
「それは、目の前にいらっしゃるのは強く愛していた・・・・・・方だからです。マーティン様。私は交際を始める前の工作を、知っているのですよ」

 かつて発生した根も葉もない噂は、リッダジア侯爵家が流していたこと。自分達が広めたものを自分達で止めただけだったこと。全てが悪質な自作自演だったこと。
 余計なトラブルを防ぐために、ヴィクター様が関わる部分を伏せてお伝えしました。

「『依存していたから、愛していると言えば簡単に復縁できる』、そうお思いなのですよね? そちら大きな間違いです。その可能性は、絶対にありえないのですよ」
「………………………………な、なにを言っているんだいっ。あの噂はウチの工作っ? ステラを振り向かせるための自作自演っ? だから早く解決できたっ!? それこそ根も葉もないものだっ! 俺はそんな真似はしていない!!」

 きっと、予想外の反応で動揺していたのだと思います。十数秒もの沈黙のあと、激しく首を左右に振り始めました。

「俺は落ち込んでいる君を見て、居ても経っても居られなくなって! 一秒でも早く解決したいと思って必死になった! それがスピーディーな解決の理由だ! なのに、そこをそんな風に捉えるだなんて……。酷い、じゃないか……」
「マーティン様、ショックを受けたフリをしても無意味ですよ。リッダジア家が――貴方様が暗躍されていた、その証拠を目にしておりますので」

 あの時にヴィクター様が用意してくださった、計5枚で構成された報告書。そこにはこの方が犯人だという証が並んでいて、私は確信を持っています。

「証拠!? バカなっ! そんなものがあるはずがないっ! 何かの間違いだっ!」
「いいえ、間違いではありませんよ。……お父様」
「ああ。ご覧にいれようじゃないか」

 あの資料は、ノーランお父様が保管されています。そのためヴィクター様の作成だと分からないようにした上で、マーティン様に提示をしました。

「そちらが、貴方様が犯人だと断定する証拠です。これでもまだ否定をされますか?」
「…………………………あっ、当たり前だ! これは捏造されたものなんだからなっ! 認められるはずがない!!」
「マーティーン様。そちらは捏造ではなく、全てが本物で――」
「違うっ、偽物だ!! その証拠にっ、ここを見てくれ!!」

 声を荒らげていたマーティン様は、目を剥きながら3枚目の紙面を指さしました。
 そこに、証拠がある? この方は、何を企んでいるのでしょう……?

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