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第4話 嬉しい来訪~約束と~ ステラ視点(2)

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「ああいった性質を持つ人間は、絶対に諦めはしません。それが駄目なら別の手を使う。マーティン様はこれから再び、ステラ様に何かを――ステラ様に好意を抱かせる大掛かりな何かを、仕掛けてくると思います」

 私の瞳を、直視したヴィクター様。そんなヴィクター様は真剣な顔でそう仰られ、でもすぐに、その顔は穏やかなものへと変わりました。

「ですが、ご安心を。マーティン様はこれ以上、好き放題をできません。次にステラ様に接触してきた時が、彼の終幕の時となるのですからね」
「え……? え……っ!? マーティン様がですか!?」

 間抜けな大声が何度も出てしまったのは、仕方がないことでした。
 マーティン様のリッダジア家は、筆頭侯爵家。あまりにも大きな存在で、そんな風になってしまうなど本来はあり得ないことなのですから。

「ええ。暴挙を許す父親と共に、親子揃って大変なことになるでしょうね。……実を言いますと、近々あちらには痛い目を見ていただくつもりだったのですよ」

 数々の暴言を口にして、一方的に婚約を解消したこと――。地位を悪用して圧力をかけ、私達を黙らせたこと――。悪評を捏造してばら撒いたこと――。私を意図的に依存させていたこと――。それらを裁くために、先日収集してくだった情報を使って動いてくださるおつもりだったそうです。

「そのため明日、リッダジア邸ではちょっとした騒ぎが起きる予定でした。ですがあの男は再び何食わぬ顔でやって来て、非を認めないどころか更に愚を重ねようとしています。そこで罰も上乗せして、間接的ではなく僕が直接――。数回お礼・・をした上で、潰すことにしたのですよ」
「ちょ、直接……。ヴ、ヴィクター様。貴方様は、いったい……?」

 筆頭侯爵家に手を出せる。それをできてしまう人は、殆どいません。
 どういうこと、なのでしょうか……?

「その理由を明かしておかなければ、疑問だらけになってしまいます。ステラ様に、僕の身の安全を心配させてしまうことになりますよね。ですのでこれから、隠していた僕の秘密を明かします」

 そうしてヴィクター様はご自身の胸元に右手を差し込まれ、服の上に金色のペンダントが表れました。ですのでそちらを見つめてみると、そこには――

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