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第4話 嬉しい来訪~約束と~ ステラ視点(4)
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「ステラ様は明日から当分の間、多忙となってしまいます」
首を傾げていたら、ヴィクター様からそんなお声がやって来ました。
「明日は合わせて6本のインタビューが入っていて、明後日はインタビュー3本と演奏が30分程度の演奏会を1回。明々後日はインタビュー7本。その次はインタビュー2本とこの日は演奏会が2回。こうなっていましたね?」
「はい。そうなっています」
この国初の最高金賞と、史上最年少での文化勲章の授与。その影響は大きく、コンクール終了直後より国内外から依頼が殺到しました。
とはいえお父様がスケジュールを調整してくださっていますし、私のお話や音を聴いて喜んでいただけるのは幸せなことですので。辛い、大変という気持ちは、ありません。
「あの男の行動は常時監視するため、貴方様に危害が及ぶ心配はございません。ですが外出時はどうしても不安は残ると思いますので」
「? ヴィクター様? そちらに何か、おありなので――わっ!?」
さっきまでは何もなかった、向かって斜め前にある場所。そこに突然、どこからともなく女性が――ワインレッドの髪を背の中頃まで伸ばした、綺麗な女性が現れました。
「僕は専属調律師ですので演奏の際は会場に向かいますが、作戦や公務などにより移動中やそれ以外はお傍に居られません。ですので解決するまでの間、僕の護衛の一人レベッカがステラ様の心身をお守りします」
「……わたくしの特技は、隠密。姿はなくとも、常にお近くにおります故。ご安心を」
「は、はい。よ、よろしくお願い致します」
伯爵家の敷地内なのに、誰にも悟られずに登場された。その本来あり得ない事実に驚きながら、会釈を行いました。
さすがは、ヴィクター様の護衛ですね。私達の常識が、まるで通用しません。
「実際に力量を見ていただきたくて、こうして来てもらいました。特に、レンダユス卿。驚かせてしまい申し訳ございません」
突然出現したレベッカさんを目の当たりにして、尻もちをついてしまったお父様。そちらに向けて丁寧な謝罪を行ってくださり、それが終わるとヴィクター様は馬車に乗り込まれました。
「次にお会いできるのは、会場――明後日の午前8時ですね。その際には進捗をお伝えしますので、楽しみに待っていてください」
「はい。そうさせていただきます」
「では、失礼致します。また明日」
そうしてヴィクター様はいつものように去られ、そうしたらフッと。それを合図にレベッカさんのお姿は、一瞬にして消えてしまったのでした。
ヴィクター様。ありがとうございます。そんな風に思っていただけていたなんて、嬉しい。幸せです。
だから私も、お伝えしたいことがあって。
だから私は、その日に――
※次のお話は、マーティン視点となります。
首を傾げていたら、ヴィクター様からそんなお声がやって来ました。
「明日は合わせて6本のインタビューが入っていて、明後日はインタビュー3本と演奏が30分程度の演奏会を1回。明々後日はインタビュー7本。その次はインタビュー2本とこの日は演奏会が2回。こうなっていましたね?」
「はい。そうなっています」
この国初の最高金賞と、史上最年少での文化勲章の授与。その影響は大きく、コンクール終了直後より国内外から依頼が殺到しました。
とはいえお父様がスケジュールを調整してくださっていますし、私のお話や音を聴いて喜んでいただけるのは幸せなことですので。辛い、大変という気持ちは、ありません。
「あの男の行動は常時監視するため、貴方様に危害が及ぶ心配はございません。ですが外出時はどうしても不安は残ると思いますので」
「? ヴィクター様? そちらに何か、おありなので――わっ!?」
さっきまでは何もなかった、向かって斜め前にある場所。そこに突然、どこからともなく女性が――ワインレッドの髪を背の中頃まで伸ばした、綺麗な女性が現れました。
「僕は専属調律師ですので演奏の際は会場に向かいますが、作戦や公務などにより移動中やそれ以外はお傍に居られません。ですので解決するまでの間、僕の護衛の一人レベッカがステラ様の心身をお守りします」
「……わたくしの特技は、隠密。姿はなくとも、常にお近くにおります故。ご安心を」
「は、はい。よ、よろしくお願い致します」
伯爵家の敷地内なのに、誰にも悟られずに登場された。その本来あり得ない事実に驚きながら、会釈を行いました。
さすがは、ヴィクター様の護衛ですね。私達の常識が、まるで通用しません。
「実際に力量を見ていただきたくて、こうして来てもらいました。特に、レンダユス卿。驚かせてしまい申し訳ございません」
突然出現したレベッカさんを目の当たりにして、尻もちをついてしまったお父様。そちらに向けて丁寧な謝罪を行ってくださり、それが終わるとヴィクター様は馬車に乗り込まれました。
「次にお会いできるのは、会場――明後日の午前8時ですね。その際には進捗をお伝えしますので、楽しみに待っていてください」
「はい。そうさせていただきます」
「では、失礼致します。また明日」
そうしてヴィクター様はいつものように去られ、そうしたらフッと。それを合図にレベッカさんのお姿は、一瞬にして消えてしまったのでした。
ヴィクター様。ありがとうございます。そんな風に思っていただけていたなんて、嬉しい。幸せです。
だから私も、お伝えしたいことがあって。
だから私は、その日に――
※次のお話は、マーティン視点となります。
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