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悪役令嬢かと思えば、女装した兄だった件について
しおりを挟むようやく婚約、これから楽しい生活が待ち受けていると考えると、ニヤニヤしてしまう。
婚約者のサーナは令嬢で、決して「悪役令嬢」何て言うものではない。とにかく優しく、頭も良い。そして何より、顔が良い。
だが、そんな大事な未来をぶち壊そうとする要因が、近付いていることに気が付いた。これは、執事のマッケンが教えてくれた。悪役令嬢と言われる分類に値する、ニーマという女が、僕と付き合いたいがあげく、サーナに嫌がらせをしていると聞いた。
僕を好きだと言ってくれることには、非常にありがたいが、彼女で婚約者で、何より一番愛する女性であるサーナが手を出されていると聞くと、黙ってはられなかった。
そして、サーナに許可をとり、ニーマに危害を加えるのをやめろと言うために、お見合いに参加することになった。やはり、そこにはニーマの姿があった。長身で若干男っぽい目付き、口調の女性だ。サーナまでとはいかないが、美人な人である。
「ニーマ!話がしたい。」
その険悪な僕の顔を感じ取ったニーマは、外に指をさした。外で話そうと言うことらしい。そして、二人はこっそりお見合いを抜け、外に出て話をし始めた。
「ニーマ…僕のことを好いていることは非常に嬉しい。だが、サーナに嫌がらせをするのはやめてほしい。サーナは僕にとって大事な人なんだ。どうか、分かってくれ…」
すると、サーナは笑った。
「まだ気付かないの?オレのこと。本当に鈍感なんだな。」
ニーマは、急にかつらをとった。そう。ニーマは男であった。それも、僕の兄だ。
「化粧もそんなに濃くした覚えないのに…兄さんにすっかり惚れちまって…」
「に、兄さん…どうしてこんなことを…婚約する僕が腹立ったから?」
「惜しい。というか違う…俺はお前と付き合いたいだけだ。そしてあの女が邪魔になった。それだけだ。」
そう。悪役令嬢の正体は、まさかの兄であったのだ。
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