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第2章
ナナメ上を行く人を相手にするとグレたくなるのは必然デス。sideカグラ
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ぐったりと生気が抜けた様な三人……ヴェルト、ティア、そしてナツキが、六人掛けのテーブルに着席し、突っ伏していた。
着席せず、一人だけ元気な姿のフレアが反対側の席に座り、ナツキに絡んでいるのが見て取れる。
実習の様子を視聴出来る、モニタリングルームから待合室兼休憩室に戻って来ると、おどろおどろしい雰囲気を放っている三人を遠巻きにチラチラと見詰める者、興味本位丸出しで彼らを見詰める者が多い。
俺と、レーツェル、リョウが入って来ても珍しく注目を集めていない程に釘付け状態だ。
ある意味、新鮮だな……と思いつつも、衆目を集める陰気な場に行くのは決定事項である。
俺を置き去りにして先を争う様に、レーツェルとリョウが突撃して行く。
「「ナツキ!」」
二人が突っ伏しているナツキの左右に立つ。レーツェルとリョウの間には、微妙に火花が散っている様にも見える。
――――俺とナツキの事情を知っている筈なのに、慰めると言う名目でナツキに絡む気満々なレーツェルがいる。
まったく、面倒くせえ……。
「ナツキ、大丈夫?」
リョウよりも早く手を伸ばし、レーツェルがナツキの頭をわしゃわしゃと撫でる。
レーツェルが通常パーティーで浮かべるスマイル0円笑顔を、当社比2倍にしたくらいのキラッキラッな微笑みをナツキに向ける。
負けじとリョウもまた、爽やかな笑顔で迎え撃つ。
「あんなん素人でやれなんて、無理やねん。気にすんなや!」
声を掛けられたナツキは、顔を上げて傍らに立つ二人をきょろきょろと見詰める。
「なんで? ここに?」
ナツキはキョトンとした顔付きで、二人を見詰めながら呟く。
「ナツキがへこんでるやろなぁ~と思って。励ましに来たんや」
にこにこと笑顔を見せながら、リョウがナツキに告げると、レーツェルも極上の笑顔を浮かべて口を開く。
「アレは酷いからねぇ……。三人で処理何て無理無茶無謀だよね。あんなの僕でもお手上げだよ? だから、慰めに来たんだよ? 抱きしめてあげようか?」
「ただのセクハラやんか! ソレは!」
反対側のリョウがすかさず突っ込む。完全に漫才コンビになりつつあるが、それはまぁ、放置しておいても良いかと思ったりする。
「ナツキ、のど渇いてへん? 何か飲みモンとって来よか? 何がええ?」
屈み込みながら、ナツキに問い掛けるリョウ。
「えーと……」
言われて直ぐにリクエストを出せないナツキが、考え込んでいると反対側から横槍が入り込んで来た。
「あたし、アイスティーがいい!!!」
手を上げて、堂々と宣言するフレアがそこにはいた。
「「「「「…………」」」」」
沈黙する周囲。
「アンタには聞いてへん。飲みたきゃ、自分ですればええ」
リョウは、バッサリと冷淡に言い切る。きょとんとして首を傾げるフレアを見るリョウの目は、酷く冷たい。
そんな目で見られているのを少しも感じていないのか、彼女は目をぱちくりしている。
けらけらと笑いながらレーツェルが言う。
「あはは、バッサリいくねー。リョウは」
そう言うと、微妙に悪意が籠っているノリでレーツェルは、にやりと笑う。
――――あぁ、敵認定したな。これは。
騎士団でも何度か有ったが、自分の非を認めず、他人を振り回すタイプをレーツェルは非常に嫌う。
俺自身も対外的に取り繕うタイプも嫌うが、貴族階級の大抵の淑女はそんな風なのが多いので二人してサラッと流してしまうが、この手合いは正直面倒なのが丸分かりだ。
下手に手心を加えた日には、間違いなくストーカーに近い状況を作り出しそうな予感しかない。
それなりに考えられる人間ならば、あの状況で誰かに纏わりつく以前に謝罪しまくって自分の非を認めるべき事態なのだ。
それをせずにチームメンバーが皆ぐったりしている状況のままで、平気で自分の意見を主張するのは愚の骨頂でしかない。
俺もまた、彼女の様な人間が嫌いだった。
王宮は有象無象共の集まりで、そういった狡いタイプも沢山いる。
態とじゃないなら、何でも許されると勘違い人間を実際に無駄に見てきてもいる。
ああいった輩は、放置しても後々面倒事にしかならない。だからと言って、適当に嫌われないようになどと相手をしても、結局面倒を持って来るものなのだ。
初めの対応で、今後の振り回され度が決まると言っても良い。
一番簡単に人を判断するならば、ちょっとだけ親切を装ってみると解りやすい。何かをしてあげようか?とか、良ければ食べませんか? と言う風にすると、返ってくる言葉や態度でその人の性格や、面倒事の比率が大体解るのだ。
まずは、断る事をする人間がまともな常識を持っている者と言えよう。
何でもやって貰えて当たり前、断る方がおかしいと言う考えの持ち主は、口では感謝していると言うが本当に感謝をしているとは言い難い。
他者を振り回し人間関係や金銭的損害を与えても、その人に与えた精神的苦痛も金銭的損害も、その人の大切な時間さえも奪っている事を認識など一切していないのだ。
挙句、出る言葉は「自分は厚顔じゃない」とか「貴方みたいに非常識ではない」などと言った、腹の立つ様な言葉ばかりと言う結果になろう。
――――あぁ、本当に嫌だ。あの手の部類は、この上なく面倒でウザったい。
煮ても焼いても食えない人間はどこにでも居る。近寄るんじゃねえ! と、声を大にして言いたくなるが、言ったとしても本人は欠片も嫌がられているとは思っていない。
本当に面倒臭い。絡まれているナツキは、可哀想になってくる。
俺は部屋の壁際にある、柱の様に天井と一体化している、円柱型の飲物専用のレプリケイター(複製装置)でアイスココアと、紅茶を指定して現出させる。
それを手に持って、ナツキの所へとゆったりと歩を進めていく。
――――さて……俺に対してどう言う態度で接するのか、拝見しようじゃねぇか。
着席せず、一人だけ元気な姿のフレアが反対側の席に座り、ナツキに絡んでいるのが見て取れる。
実習の様子を視聴出来る、モニタリングルームから待合室兼休憩室に戻って来ると、おどろおどろしい雰囲気を放っている三人を遠巻きにチラチラと見詰める者、興味本位丸出しで彼らを見詰める者が多い。
俺と、レーツェル、リョウが入って来ても珍しく注目を集めていない程に釘付け状態だ。
ある意味、新鮮だな……と思いつつも、衆目を集める陰気な場に行くのは決定事項である。
俺を置き去りにして先を争う様に、レーツェルとリョウが突撃して行く。
「「ナツキ!」」
二人が突っ伏しているナツキの左右に立つ。レーツェルとリョウの間には、微妙に火花が散っている様にも見える。
――――俺とナツキの事情を知っている筈なのに、慰めると言う名目でナツキに絡む気満々なレーツェルがいる。
まったく、面倒くせえ……。
「ナツキ、大丈夫?」
リョウよりも早く手を伸ばし、レーツェルがナツキの頭をわしゃわしゃと撫でる。
レーツェルが通常パーティーで浮かべるスマイル0円笑顔を、当社比2倍にしたくらいのキラッキラッな微笑みをナツキに向ける。
負けじとリョウもまた、爽やかな笑顔で迎え撃つ。
「あんなん素人でやれなんて、無理やねん。気にすんなや!」
声を掛けられたナツキは、顔を上げて傍らに立つ二人をきょろきょろと見詰める。
「なんで? ここに?」
ナツキはキョトンとした顔付きで、二人を見詰めながら呟く。
「ナツキがへこんでるやろなぁ~と思って。励ましに来たんや」
にこにこと笑顔を見せながら、リョウがナツキに告げると、レーツェルも極上の笑顔を浮かべて口を開く。
「アレは酷いからねぇ……。三人で処理何て無理無茶無謀だよね。あんなの僕でもお手上げだよ? だから、慰めに来たんだよ? 抱きしめてあげようか?」
「ただのセクハラやんか! ソレは!」
反対側のリョウがすかさず突っ込む。完全に漫才コンビになりつつあるが、それはまぁ、放置しておいても良いかと思ったりする。
「ナツキ、のど渇いてへん? 何か飲みモンとって来よか? 何がええ?」
屈み込みながら、ナツキに問い掛けるリョウ。
「えーと……」
言われて直ぐにリクエストを出せないナツキが、考え込んでいると反対側から横槍が入り込んで来た。
「あたし、アイスティーがいい!!!」
手を上げて、堂々と宣言するフレアがそこにはいた。
「「「「「…………」」」」」
沈黙する周囲。
「アンタには聞いてへん。飲みたきゃ、自分ですればええ」
リョウは、バッサリと冷淡に言い切る。きょとんとして首を傾げるフレアを見るリョウの目は、酷く冷たい。
そんな目で見られているのを少しも感じていないのか、彼女は目をぱちくりしている。
けらけらと笑いながらレーツェルが言う。
「あはは、バッサリいくねー。リョウは」
そう言うと、微妙に悪意が籠っているノリでレーツェルは、にやりと笑う。
――――あぁ、敵認定したな。これは。
騎士団でも何度か有ったが、自分の非を認めず、他人を振り回すタイプをレーツェルは非常に嫌う。
俺自身も対外的に取り繕うタイプも嫌うが、貴族階級の大抵の淑女はそんな風なのが多いので二人してサラッと流してしまうが、この手合いは正直面倒なのが丸分かりだ。
下手に手心を加えた日には、間違いなくストーカーに近い状況を作り出しそうな予感しかない。
それなりに考えられる人間ならば、あの状況で誰かに纏わりつく以前に謝罪しまくって自分の非を認めるべき事態なのだ。
それをせずにチームメンバーが皆ぐったりしている状況のままで、平気で自分の意見を主張するのは愚の骨頂でしかない。
俺もまた、彼女の様な人間が嫌いだった。
王宮は有象無象共の集まりで、そういった狡いタイプも沢山いる。
態とじゃないなら、何でも許されると勘違い人間を実際に無駄に見てきてもいる。
ああいった輩は、放置しても後々面倒事にしかならない。だからと言って、適当に嫌われないようになどと相手をしても、結局面倒を持って来るものなのだ。
初めの対応で、今後の振り回され度が決まると言っても良い。
一番簡単に人を判断するならば、ちょっとだけ親切を装ってみると解りやすい。何かをしてあげようか?とか、良ければ食べませんか? と言う風にすると、返ってくる言葉や態度でその人の性格や、面倒事の比率が大体解るのだ。
まずは、断る事をする人間がまともな常識を持っている者と言えよう。
何でもやって貰えて当たり前、断る方がおかしいと言う考えの持ち主は、口では感謝していると言うが本当に感謝をしているとは言い難い。
他者を振り回し人間関係や金銭的損害を与えても、その人に与えた精神的苦痛も金銭的損害も、その人の大切な時間さえも奪っている事を認識など一切していないのだ。
挙句、出る言葉は「自分は厚顔じゃない」とか「貴方みたいに非常識ではない」などと言った、腹の立つ様な言葉ばかりと言う結果になろう。
――――あぁ、本当に嫌だ。あの手の部類は、この上なく面倒でウザったい。
煮ても焼いても食えない人間はどこにでも居る。近寄るんじゃねえ! と、声を大にして言いたくなるが、言ったとしても本人は欠片も嫌がられているとは思っていない。
本当に面倒臭い。絡まれているナツキは、可哀想になってくる。
俺は部屋の壁際にある、柱の様に天井と一体化している、円柱型の飲物専用のレプリケイター(複製装置)でアイスココアと、紅茶を指定して現出させる。
それを手に持って、ナツキの所へとゆったりと歩を進めていく。
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