Our place ~転生乙女のジュラーレ魔法学院の日常~

龍希

文字の大きさ
13 / 69
第1章

女王×美少年×オカマ?=王宮は濃ゆい人達が一杯だっ

しおりを挟む
 燃え上がる炎に髪が煽られ、その横顔は壮絶に美しい。
 美女はお怒りになっても綺麗なものなんだなぁ~と、私は思った。

 妖艶な美女王と、不可視の力により、潰れた蛙の如く地面に縫い付けられジタバタする小太りのおっさんとの対比は何だか凄いものがある。

「キッチリ、仕置きをしなくてはいけないわね。その前に、カグラ! 彼女を連れて行ってあげなさい」
 セリティアは冷たい視線を足元に投げ掛けた後、こっちを振り返って言う。

 カグラと呼ばれた少年は頷くと、私の耳元で囁く様に告げた。
「少しの間だけ我慢して」
 ぎゅっと、私は抱き締められる。

「え?あ、あの……?」
 ワケの解らない展開に軽くパニックになる。

「サリーレ」
 カグラが囁いた瞬間。

 身体がふわっと浮き上がるような感覚と、視界が暗黒に包まれた。
 数秒間の後、かくんとした感覚と明るい光が目に飛び込む。

 しかし、私は、その感覚に酔った。

 うえぇぇぇ。気持ち悪い~~。
 何か、むかぁし、体験した事のある感覚ですよ。これは!
 嫌いな人はいるよね、絶対。
 エレベーターのふわっと浮き上がって、止まる時に落ちる感覚に酷似していた。
 油断してたりすると、気持ち悪くなるんだよね、アレは。
 そして、今、私はその状況になってます。

「もしかして、転移は初めてだった?」
 私の様子を見て、カグラは心配そうに覗き込んで訊いて来る。

 私はコクコクと、小さめに頷いて答えた。
「あらまぁ、それは辛いかもね。はい、これでも飲んで落ち着きなさいな」
 カグラと私の側に一人の男性か、女性か解らない妙に派手な人がいた。

 顔の造形は良い方だが、如何せん、髪はどピンクで、瞳は綺麗な澄んだ水色、身長は180位だろうか? 結構高い。
 なのに!
 極彩色の膝丈までの長い服を着て、革のサンダルっぽいものと履いていた。
 勿体無いと思わず言ってしまいたくなる程の残念さを目の前の人から感じた。

 ハスキーボイスだったので、彼? 彼女? かはちょっと解らない人から水の入ったグラスを渡される。
 グラスを受け取り、口元に持っていきながら、私は極彩色豊かな人物を凝視していた。
 ちびちびと水を飲んでいると。

「アタシの事気になる?」
 妙にオカマ口調な感じで、極彩色な人は言った。

 私は素直に頷く。
 こんなド派手な人を気にならないで、初対面でやり過ごす事の出来る人なんている訳ないじゃない。

「初めまして、アタシは王宮ここの治療師で、名前はシエン・シア・メーディカよ。れっきとしたオトコよ。ヨロシクネ☆」
 ウインク付きで極彩色の人、シエンが私に挨拶をしてくれた。

「あ、私は、ナツキ・ルウィン・アマハです。ナツキって呼んで下さい。あと、お水、有り難う御座いました」
 ぺこりと頭を下げ、グラスを返すと。

 シエンは微笑んでから、私の頭を優しく撫でる。
「酷い目に遭ったみたいね。さ、そこのベッドに座って」

 指し示す方向には、大きめなソファーとテーブルがあり、その向こう側にベッドがあった。
「あ、はい」

「待って!」
 歩こうとした私を、カグラが引き止める。

「え? 何?」
「足、怪我してる」

「あ……」
 足を見ると、転んだ時に擦り剥いた為に膝の辺りの生地が破れ、血が膝を伝って足首辺りまでを汚していた。

 派手に怪我しちゃったなぁ……。
 あーあ、折角のドレスが勿体無いなぁ。
 きっと高価なものなのに。

 冷静にそう思っていたら。

「ちょっと失礼」
 カグラはそう言うと、私を軽々とお姫様抱っこをした。

「?+*#%!!」
 目を見開いて、声にならない叫びを私は上げた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...